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印南敦史の「毎日書評」

転職は自分再設定のチャンス。仕事を辞めたくなったら意識する3原則

author 印南敦史
転職は自分再設定のチャンス。仕事を辞めたくなったら意識する3原則
Photo: 印南敦史

マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(北野唯我 著、星井博文 シナリオ、松枝尚嗣 イラスト、ダイヤモンド社)は、20万部のベストセラーとなった2018年の同名書籍のマンガ版。

ある日会社が外資系企業に買収されるという憂き目に遭った主人公が、買収先から人事担当としてやってきた古い知人から「転職の思考法」を伝授され、考えが変わっていくというストーリー仕立てになっています。

新卒で入社した会社に勤め続けるべき

心からやりたいことを見つけるべき 好きなことを仕事にするべき

世の中は「〜べき思考」にあふれています。 でもそれって、本当に正しいのでしょうか。(中略) 答えは「NO」。 そして、「〜べき」に従順に生きていても、幸せでいられる確証はありません。(「はじめに 『情報』に惑わされないための『思考法』」より)

どこにでもいる“普通の働く人”だからこそ、転職を考えることで、自分が活躍する場所を手に入れられる。著者はそう主張しています。つまり本書は、そのような考え方に基づいているのです。

とはいえマンガを掲載することはできないので、ここではマンガに付随した解説部分のなかから、転職に関する3つの原則に焦点を当ててみたいと思います。

原則1:転職は悪ではない

「転職は、裏切り者のすることだ」

「この会社でダメなら、ほかの会社でも、どうせダメだよ」

転職を意識すると、こうした声が聞こえてくるものです。

転職には不安がつきものですから、気になってしまっても無理はないでしょう。しかし、転職すること自体を「悪」と決めつけるのは間違っていると著者は断言しています。

かつての日本の大きな会社には、年功序列やジョブローテーションという制度がありました。言うなれば、会社の中に転職市場があったのです。

「この経験のあるAさんには伸びている新事業部に行ってもらおう」 「マネジメント力のある海外志向のBさんを上海事業部に移動してもらおう」 こんなふうに、社内に転職のチャンスが存在しました。 しかし、終身雇用制度が崩れ、ビジネスが多様化している今、「働く場所を変えてみたい」と思ったなら、会社の外の世界を目指すしかありません。

自分の活躍できる場所に行くために、転職という手段を使うのです。(27ページより)

転職を考えてみた結果、「転職しない」という決断がベストであるというケースもあるでしょう。

しかし転職することも、いまの会社で働き続けることも、人生の目的を叶えるための手段。つまり人生を豊かにするための手段のひとつが転職なら、それが「悪」であるはずはないということです。(26ページより)

原則2:市場価値と社内評価は一致しなくていい

もちろん本来であれば、「市場価値」と「社内の評価」は一致しているほうがいいはずです。

市場価値と社内評価が一致しているということは、「いつでも転職可能で、どこでも働ける人材」だということの証明になるからです。イメージとしては、グローバル企業で働いている人たちがそれにあたるかもしれません。

しかし日本の会社で働いていると、社内での評価は高いけれど、市場で評価されないという人が相当数いるもの。

たとえば「営業部のA課長は、こういう根回しをしてから提案すると企画が通りやすい」とか、「難しめの話は機嫌のいい昼食後を狙えばいい」など、ちょっとした社内におけるコミュニケーションのコツがあります。

それも日常業務を進めるうえでは重要なので、うまく立ち回れる人は評価されたりもするでしょう。とはいえ転職するときには、そのコツは役に立ちません。

逆に、今いる会社でパッとしない存在だとしても、市場に出たときに価値が高いという人もいます。

それは、配置されている場所(ポジション)が悪いだけで、ポジションがピタッとハマれば、活躍できる可能性があるからです。(29ページより)

だからこそ、もしもいま社内での評価が低かったとしても、転職を諦める必要はまったくないと著者は主張しています。会社の外(マーケット)を見るべきだということです。(28ページより)

原則3:9割の人は、S級人材ではない

「S級人材」とは、誰でも知っているような会社で働いていて、十分な実績を持ち、転職活動など経験せずにヘッドハンティングだけで転職先を決めていくような人たち。

しかし、そんな人は一握りで、それ以外の9割の人は、自分のキャリアに悩む普通の人たちです。そのため転職に関しても、「いますぐ転職したい」と考えている人は少ないかもしれません。

しかし、転職を考えることは、自分の生き方を考えること。つまり9割の人にとって、転職活動とは自分を再定義するチャンスでもあるということです。

・自分は何をしてきたのか

・自分は何ができるのか

・自分にはどういう価値があるのか

・自分はどういう生き方がしたいのか

(31ページより)

私たちはこのように、自分の役割を「再定義」し続けて生きているもの。そして、それは仕事についても同じ。さまざまな環境が日々変化しているなか、自分の仕事における役割が変わらないということはありえません。

そこで、転職に際しても自分の役割を再定義してみるべきだと著者は主張するのです。(30ページより)

マンガなので、気負うことなく読み進めることができるはず。その結果、転職に関しての悩みを解消できるかもしれません。いまの会社にいることに疑問を感じている方にとって、手に取ってみる価値はありそうです。

Source: ダイヤモンド社

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