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印南敦史の「毎日書評」

人との距離感がうまくなる「自分軸」を確立するための3つのレッスン

author 印南敦史
人との距離感がうまくなる「自分軸」を確立するための3つのレッスン
Photo: 印南敦史

皆さんは、相手の気持ちを考えて自分の気持ちを抑え込んだり、「私さえ我慢すれば」とその場の空気に自分を合わせたり、良かれと思って相手が望むことを優先してあげたりすること、ありませんか?

特にそうした問題を抱えやすい人には、感受性の強い人、心がとても優しい平和主義な人が多いものです。

相手の気持ちがわかりすぎるがゆえに、つい自分よりも相手のことを優先しがちです。本書ではそうした生き方を「他人軸で生きている」と表現しています。

自分を軸にするのではなく、他人を軸に行動してしまうからです。(「まえがき 人間関係の悩みを解決して自分らしく生きよう!」より)

心理カウンセラーである『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』(根本裕幸 著、フォレスト2545新書)の著者は、本書の冒頭にこう記しています。

思い出すのは、最近話題になることが多いHSP(Higher Sensitive Person)と呼ばれる概念。およそ5人に1人が生まれ持っているといわれる「敏感で繊細な気質」のことで、そういった人は「敏感すぎる人」「繊細さん」などと呼ばれてもいます。

つまりそういう人が、自分よりも相手を優先する「他人軸」で行動し、人間関係に悩みを抱きがちだということ。そこで本書では、人との距離を上手にはかり、自分が心地よく振る舞えるようになるための方法を紹介しているわけです。

きょうは「どうしたら他人軸を手放し、『自分軸』で生きられるのかについて考察している第3章「他人に振り回されないための自分軸のつくり方」のなかから「自分軸確立へのレッスン」に焦点を当ててみましょう。

他人軸から自分軸に移ると、「人に合わせる」と「自分の意見を通す」をケースバイケースで選択できるようになるもの。そこで自分軸に立つための3つのレッスンが解説されているのです。

自分軸確立へのレッスン1:アイ・メッセージで自分を取り戻す

まず最初に紹介されているのは、「アイ・メッセージ」。すなわち「私は」「私が」と意識的に「主語」をつけて会話することです。

自分軸に立っていない人は、「あの人はどう思うかなあ」というように主語を自分ではなく、相手にしてしまいがち。主従関係でいえば「従」に位置するため、簡単に相手に振り回されてしまうわけです。

日本語は主語が省略されることが多いので、無意識的に他人軸に向かってしまうことがあります。

日本語は文脈をたどれば守護がなくても会話は成立しますが、責任の所在が不明確になりやすい、というデメリットもあります。

したがって、普段から「私は」「僕は」と主語をつけることを意識することが大切です。(86ページより)

たとえば先輩から「きょう飲みにいくか?」と誘われたとき、「すみません、きょうは行くのをやめときます」と断るところを「すみません。僕は、きょう行くのをやめときます」というようにしてみるなど。

「主語」という意識をはっきり持つことによって、喪失していた自分を取り戻せるようになり、相手との間に境界線が引きやすくなるというのです。

そして自分を喪失している人は、そもそも自分がなにをしたいのかわかっていない場合があるため、アイ・メッセージの「自分は」「私は」「僕は」という主義を意識し、「私はきょう、なにをしたいのか」と自分の気持ちを常に確認する癖をつけるべきだといいます。(85ページより)

自分軸確立へのレッスン2:指差し確認で意思を明確に

著者が「指差し確認」と呼んでいる方法もおすすめだそうです。その名のとおり、自分がなにか行動を起こすとき車掌さんのように指をさして自分の意思を確認するというもの。

コンビニに入って飲み物のコーナーに来たら「紅茶を飲みたいぞ!」と紅茶をあえて指差しして確認してからレジに持っていきます。

社食があるなら「よし、今日はA定食!」と指差し確認してから食券を買いましょう。

ネットを見るとき、テレビを見るとき、これも意識的に「今から○○さんの出てる番組を見る」と意識してからチャンネルを合わせましょう」(90ページより)

個人的には、コンビニで「紅茶を飲みたいぞ!」と声を出すなんて絶対にしたくありませんが、恥ずかしければ心のなかでやってみてもOKだとのこと。

やってみると、自分が普段どれくらい自分の意図、意思を意識せずに惰性でなんとなく行動しているかを思い知らされるそうです。(90ページより)

自分軸確立へのレッスン3:いまを意識することで時間に流されない

「まわりに流されやすい」とか「自分がない」人は、「時間」にも流されているもの。

たとえば夜、寝る前になって「あれ? きょうは忙しかったような気がするけれど、なにしたんだっけ?」というようなことになってしまうというのです。

自分のために時間を使い、心が満たされたのであれば充実感は残るはず。しかし他人のために使った時間はしょせん他人のものだということ。とはいえ、それだけで1日を終えてしまうのは、ちょっと残念なことでもあります。

ですから、「今」を意識してください。過去は過ぎ去っていてどうにもならないし、未来はまだ起きていないので何が起こるかわかりません。

「今」にしか私たちは生きられないのです。 したがって、次のように「自分との対話」をすることを意識してみてください。

「私は、今、どうしたいのだ?」 (92〜93ページより)

自分と対話できるというのは、客観視できる自分がいるということ。つまり、自分をしっかり持つことができるというわけです。

「自分」をしっかり持てるようになると、そこでようやく人との積極的な関わりが可能になってくるのだといいます。つまり、自分にできることとできないことの区別ができるようになるということ。

その結果、「自分ができることは自分がするけれど、できないことは誰かに頼む」という相互依存的な考え方が生まれてくるのです。(92ページより)

自分軸を確立することができれば、人間関係にも好影響が現れるはず。

だからこそ「他人の目が気になりすぎて疲れる」という悩みをお持ちの方は、本書を参考にしてみるべきかもしれません。

Source: フォレスト出版

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