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印南敦史の「毎日書評」

「低気圧不調」から身を守る、湿気と湿度コントロール術

author 印南敦史
「低気圧不調」から身を守る、湿気と湿度コントロール術
Photo: 印南敦史

ビジネスパーソンのための 低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』(佐藤 純 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は「天気痛ドクター」。2005年に愛知医科大学病院で日本初の天気痛・気象病外来を開設し、1万人以上の患者を診察してきたという人物です。

「天気痛」とは聞き慣れないことばですが、これには由来があるよう。

寒い時期に脳出血が起こりやすかったり、季節の変わり目に気管支ぜんそくが起こりやすいなど、天候に影響を受けた不調があるものです。それらは「気象病」と呼ばれますが、なかでも頭痛や関節痛など、特に痛みにまつわる症状を著者は「天気痛」と名づけたわけです。

ちなみに「天気痛」は「病気」ではなく「病態」であり、その原因は「気圧」の変化。著者が行ってきた基礎実験や臨床研究の結果、天気の崩れるときや、崩れが回復するとき、つまり「気圧による変化」で症状が出やすくなることがわかったのだといいます。

これまで、「頭が痛くなる」「憂うつになる」「耳鳴りがする」「めまいがする」など、さまざまな痛みの症状や不調で悩みながらも、病院で検査をしても原因がわからず、職場でも「気のせいだろう」「サボりじゃないか」と周囲の理解を得られなかった方もたくさんいると思います。

しかし、その痛みや不調は、もしかしたら「天気痛」なのかもしれません。(「はじめに」より)

こうした考え方に基づいて、本書では低気圧が不調を起こす原因、そして低気圧不調の対処法が明かされているのです。

きょうはPart2「低気圧不調に打ち勝つ12の習慣」内の6「湿度や温度のストレスを減らす着るものの工夫」に注目してみたいと思います。

湿度と温度を、服でコントロールする

私たちの体は、天気が変化することによって自律神経にさまざまな影響を受けるもの。

もちろん自律神経が正常に働いていれば、「気圧」「湿度」「温度」の3つの変化にうまく体を適応させられるはず。しかし自律神経が乱れていると、うまく対応できなくなります。

そこで重要なのが服選び。湿気と湿度を、服でコントロールしようという発想です。

とはいえ、気圧の変化を防ぐような服はありません。そこで対策として、「湿度」と「温度」をキーワードにし、自律神経に悪影響を及ぼさない服を選ぶことを著者は勧めています。

夏や梅雨時は湿気の多い時期なので、湿気を逃す通気性のよい素材の洋服を着るようにすることがポイント。

気温が高くなると、体は汗をかいて体を冷やそうとします。その汗は水蒸気になって蒸発するわけですが、通気性の悪い服を着ると、その熱や汗が服のなかにこもってしまうのです。

昔から、通気性や吸水性、速乾性に優れた素材として知られているのは、麻(リネン)です。麻には熱と湿気を取り除く性質があり、触るとひんやりします。化学繊維でも、通気性や吸水性に優れた素材も多く開発されていますから、そういった素材の機能性インナーもおすすめです。(145ページより)

また、水分は下のほうに溜まっていく性質があるため、シャツの裾を外に出すだけでも通気性がよくなるのだとか。他にも、首元が開いた服、袖などがゆったりとしたデザインの服を選ぶといいそうです。(144ページより)

外気にさらされる「3首」で調整する

冷えが気になって、服を重ね着したり、靴下を何重にも履いたりする方もいらっしゃるかと思います。

ところが自律神経の乱れを改善するという観点では、それらは逆効果だと著者。

温度調節を服に頼ってしまうことで、体が自己調節機能をサボってしまうというのです。おすすめなのは、ポイントをしぼって温めること。

大切なのは、3つの首(首、手首、足首)を冷やさないことです。 これらには、いずれも太い血管が走っており、さらに外気にさらされやすい場所です。そこで、ここを温めることで、冷気が体の中に入っていくのを防ぐことができます。

逆に、夏や梅雨時期に湿気を逃したいときは、この3つの首の通気性をよくすればいいのです。(146〜147ページより)

具体的には、マフラーやスカーフ、ネックウォーマーなどを使って首元を温めていれば、他のところが多少薄着だったとしても保温がしやすくなるといいます。

家の中でも冷えを感じている方は、常に首に巻物をするのでもOK。寝るときの服装は、夏でも半ズボンにせず、長袖長ズボンにするほうがいいようです。速乾性があり、熱がこもりにくい生地のパジャマを着るようにすることも効果的。

また、下半身に水が溜まりやすい人や、むくみが生じやすい人は、下半身を冷やさないことも大切。

「水が溜まる」とは、足に血液が溜まったり、血液から染み出した水分が足の筋肉や皮膚の間に溜まったりすること。そんな状態では、血液が滞ってしまって当然です。

心臓からの温かい血液がなかなか流れないのですから、血液がどんどん冷たくなり、冷えの原因になるわけです。オフィスでも場所によっては温度が2〜3度違う場合もあるため、足元が冷える場合は膝掛けを利用するといいといいます。(146ページより)

室温と外気の差による不調に注意

夏は、外に出ると暑いのに、室内は冷房で近々に冷えていることがあります。

また冬は逆に、外気は寒いのに、電車のなかや職場は暖房で蒸し暑かったりします。しかし当然のことながら、こういった極端な気温差は、体調不良の原因となってしまいます。

そこで、できるだけ気温差のないように、エアコンや服で体温調節をしてから外に出るようにするべき。

たとえば急に外の暑い場所に出る場合、自宅なら1回冷房を切って室温を上げ、5〜10分ほど体を暑さに慣らしてから外に出るわけです。職場であれば、カーディガンや膝掛けなどで、少し体を温めてから出るようにすればいいようです。(149ページより)

著者の研究によれば、国民の4人に1人は天気痛の可能性があるそうです。

ただし天気痛は決して珍しい症状ではなく、適切な予防と対処法によってずいぶん軽減されることもわかってきたのだといいます。本書を参考にしながら、低気圧不調に打ち勝つ習慣を実践してみてはいかがでしょうか?

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Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

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