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印南敦史の「毎日書評」

短絡的思考な部下も深く考えるようになる。人を動かすシンプルマネジメント術

author 印南敦史
短絡的思考な部下も深く考えるようになる。人を動かすシンプルマネジメント術
Photo: 印南敦史

マネジメント、とくにチームマネジメントや部下育成に必要な、シンプル、パワフル、ポジティブな思考と質問を生み出すベースが、実は誰もが知っている「5W1H」に凝縮されています。(29ページより)

シンプルに人を動かす 5W1Hマネジメント』(渡邉光太郎 著、すばる舎)の著者は、こう主張しています。

重要なのは、「5W1H」という思考ツールの本質を深く知り、メンバーや場の状況に応じた有効なマネジメントの考え方と問いかけ(言葉の投げかけ)のバリエーションを持つこと。

それらを通して“マネジャー苦難”の時代を乗り越えるために必要な知恵を身につけることこそが、「5W1Hマネジメント」の狙いなのだというのです。

いうまでもなく、5W1Hの基本の問いは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、Why(なぜ)、What(なにを)、How(どうやって)。

そんな5W1Hを、そのままの疑問詞として、メンバーの行動管理やチームの活動プラン作成のために使うのではなく、それぞれの要素を

When:時間・過程軸

Where:空間・場所軸

Who:人物・関係軸

Why:目的・理由軸

What:事象・内容軸

How:主談・程度軸

のコンセプトとして捉え、場面や状況に応じた有効な考え方や問いを生み出すための“エンジン”として活用するべきだということ。

そのような考え方に基づいて書かれた本書のなかから、きょうは「When:時間・過程軸」について解説されたCHAPTER 1「When『時間的インパクト』を問う」に焦点を当ててみましょう。

短絡的思考のメンバーの視野を広げるには

「時間・過程(プロセス)」軸のコンセプトである「When」の捉え方は多種多様。

たとえば時間軸上の1点を指せば“いつ?”という「タイミング」を表し、“始め”と“終わり”の2点を指せば、“いつから”“いつまで(に)”という「期間(時期)」を意味するわけです。

また、“終わり(いつまでに)”にフォーカスすれば、「納期、期限」を表すことになります。

さらに、その2点間(ある期間)で起こる物事に着目するとどうでしょう? その場合、物事の変化の道筋は「プロセス」、物事の変化の度合いは「スピード」となるはず。

つまりはこのように「When」を多面的に捉え、整理しておくと、さまざまな応用が効くということです。(37ページより)

仕事で誰もが気にする、気になるのが「時間軸」

ビジネスにおいては、メンバーに「いつまでに」という納期をしっかり伝え、「時間軸」を意識させることは当然の話。つまり「When:時間軸」を示すことは、仕事を任せるうえで大切な要素であるわけです。

とはいえメンバーへの指導・育成の場面において、時間軸を意識させる機会はあまりないかもしれません。では、どうすればいいのか? そのための有効なアプローチとして、著者は「時間ずらしの仮定」を挙げています。

たとえば、「(考えてみてほしい、)それを行なうと、長期的にはどうなりそうか?」「(想像してみてほしい、)このまま続けると、どんなことが起こりそうか?」など、時間軸をぐっと延ばすような問いかけによって、長期的な影響(デメリット、副作用など)も同時にイメージさせ、その意味合いを考えさせるわけです。(39ページより)

つまり、メンバーに「時間の長短への感度を高める問い」を投げかけるという考え方であるようです。(37ページより)

「時間ずらしの仮定」で自然に視野が広がる

メンバーの短絡的な思考に気づきを与え、視野を広げるには、「時間ずらしの問い」が有効だそう。たとえば以下のように、いくつかの要素の掛け合わせによる問いのバリエーションを活用するのです。

ある施策について、

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『シンプルに人を動かす 5W1Hマネジメント』41ページより引用・図表化

それだけではありません。時間軸を大胆に延ばす問いによって、「長期的にはどうなりそうか?」「このままいくとどんなことが起こりそうか?」「あとになってどんな副作用やリスクが出そうか?」など、将来的なメリット面、デメリット面に目を向けてもらえるのです。

「どう変わるの?」「どんな影響がありそうか?」よりも、さらに思考が深まり、広がるということ。

その他、「過去(以前(はどうだったの?)を織り交ぜる(振り返らせる)ことによって、過去・現在・未来にわたるロングスパンでの本質的な変化(違い)を俯瞰させる問いも有効。

「いつ?(時間軸)」を自在に伸び縮みさせる「時間ずらしの仮定」を上手に活用すれば、短絡的な思考のメンバーにも、プレッシャーを与えることなく、広く深く考えさせられるようになるわけです。(41ページより)

これは一例ですが、「5W1Hマネジメント」をビジネスのさまざまな場面で活用すれば、時間を有効に使いながら大きな成果を導き出すことができそう。チームを率いるリーダーにとって、重要になりそうです。

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Source: すばる舎

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