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WORK FAST, LIVE SLOW. 「好き」だけ残して、シンプルに生きる

「好きなことを仕事にする」が成功への最短ルート

author 取材・文: ライフハッカー[日本版]編集部 田中裕康 Photo: 前手秀紀 ヘア&メイク: 晋一朗
「好きなことを仕事にする」が成功への最短ルート

新しく始まった特集『「好き」だけ残して、シンプルに生きる』は、ライフハッカー[日本版]の新コンセプト「WORK FAST, LIVE SLOW.」を体現するようなキーパーソンのインタビュー集です。

第3回は、元格闘家で日本人初のK-1世界王者になった魔裟斗さんのインタビュー。今回は前編『魔裟斗の信念「何かを得るためには、何かを捨てる必要がある」』に続いての後編です。


魔裟斗

1979年生まれ。22歳でK-1に参戦し、2003年、日本人初のK-1世界王者となる。2008年にも世界王者に返り咲き、2009年に現役を引退。その後は解説者やタレントとして活躍。一男二女の父でもあり、妻は女優の矢沢心。妻との共著に『夫婦で歩んだ不妊治療』(日経BP)がある。

この特集は「好き」がテーマになっていますが、僕も「好きなこと、得意なこと」を仕事にすることが成功への一番の近道だと思います。

僕自身、好きで得意なことだった格闘技を仕事にしました。前編でも語ったように、実際は苦しいことや大変なことだらけだったけれど、好きだったから成功できたと思っています。

今も好きなことを仕事にしているのは変わりません。「趣味はトレーニング」と公言しているんですが、それを仕事につなげたのがオリジナルのトレーニングウェア販売やYouTubeです。

どうせトレーニングするなら目標があったほうが楽しいと思って、「フルマラソンで3時間50分を切ること」を目標に設定しました。

この3時間50分というのは、僕が29歳のときに東京マラソンに出場したときの記録です。このタイムを42歳の自分が超えられるか、という挑戦です。

このチャレンジの過程をYouTubeで伝えることで、ただの趣味が仕事になり、周りからも応援されて、自分もモチベーションを上げて頑張れる。結果としてチャンネルの数字が伸びれば、それは収入として自分に返ってきます。

「好きなことを仕事にする」と、こういう好循環が生まれます。今年はフルマラソン以外にも「スパルタンレース」という世界最高峰の障害物レースに出場しようと思っていて、その完走に向けてもトレーニングを開始しています。

目標があると、やっぱり日常に張り合いが出ます。ただ「毎日走る」とか「勉強する」といったことを始めようとしても、目標がはっきりしないといまいちモチベーションが上がらない。

でも自分で決めた目標があると、そこに向かって努力する。積み重ねていくことで、少しずつ達成が見えてくる。これはシンプルに楽しいことだし、日々が充実します。

これも一つの幸せの形だと思いますね。

成果が返ってくるから仕事は面白い

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僕の場合、「仕事じゃないと打ち込めない」という側面もあります。仕事をして、その成果が目に見えて、収入として返ってくる。それがわかりやすいから仕事が好きなのかもしれません。

死ぬまでとは言わないけれど、おじいちゃんになっても仕事をしていたいと思っています。

僕の父は自衛官だったんですが、70歳を過ぎても現役で働いていました。若いときは「なんでそこまでして働くんだろうな」と思っていましたが、今は父の気持ちが分かります。仕事が好きだから、仕事をし続けていたいんです。

とはいえ、僕にサラリーマンはできないと思います。毎日会社に行って、ときにはやりたくないことをやらされたり、嫌な上司とお酒を飲まないといけないときもあるかもしれない。

それは続けられないですね。そもそも、僕は眠くなったらまわりに誰がいようと寝ますから(笑)。

昔から「これは俺がやることじゃない」と思ったらすぐやめてしまうんです。若いころ、アルバイトに行って半日で辞めたこともありました。「違う」と思ったら即行動です。

これは学校も同じで、 ある日高校で数学の先生がテストの点数を一人ひとり読み上げ始めました。僕の番になって、「小林(魔裟斗さんの本名)はダンゴだ」って言うんです。

「ダンゴって何だ?」と思ったら、0点のことだったんですね。その瞬間、「あ、高校辞めよう」と思って、本当に辞めました(笑)。

学校を辞めてしまった以上、違うことで身を立てるしかない。それが僕にとっては格闘技だった。

このときはある意味がけっぷちでしたね。チャンピオンになれなかったら、今頃どうしていたことか。でも、だからこそ覚悟が決まったし、逆境をバネにできたという面もあったと思います。

得意でないことも、続けていけば当たり前になる

ただ好きなことを仕事にするといっても、やりたいことしかしないのか、と言われるとそれもまた違う。例えば、実は根っからの恥ずかしがりなので、こうして取材を受けることや、講演で話すことは、本当は得意なことではありません。

やりたいことではないんだけれど、仕事だからやる。いや、仕事だと思うとやれるようになってくるという感じでしょうか。

いただいた仕事を受けているうちに、だんだん慣れてきて、そこまで嫌でもなくなってくるから不思議です。得意ではないことでも、とにかく続けていれば、それが当たり前になって、苦でもなくなってくる

トレーニングもそうでした。最初はあんなに嫌だったのに、今では生活の一部ですから。だから、自分の信条を曲げてまでやる必要はないけれど、やってみてもいいと思えることならとにかくやってみる。

人間は変わろうと思えば変われる生き物です。コロナだってそうでしょう。1年もたてば、ある程度気を付けながら日常生活を送れるようになったし、仕事だって皆さんリモートで当たり前に仕事するようになったじゃないですか。

好きなことを自分の軸にしっかりと持ちながら、ときには積極的にやりたいとまでは思えないこともやってみる、続けてみる。そのうちに気持ちも変わってきて、いつの間にか好きなことになっているかもしれない。

いろいろなことをそんな風に変えていけたら、より幸せに生きていけるんじゃないかな。

今はバランスのいい幸せを味わいたい

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僕が人生で常に心掛けていることは、適度な「バランス」です。

家族といるのは楽しいけれど、そればっかりだと刺激に欠ける部分もある。仕事は面白いけど、そればかりだと家族との時間が取れない。家族の時間も適切に取りつつ、仕事も頑張って、自分の趣味に使うお金や友人と付き合う時間もある程度は欲しい。

若いときは格闘技だけにすべてを注ぎ込んでいたけれど、今はそれなりの幸せや楽しみをバランスよく味わいたい。それが心地いいと思えるようになりました。

年に何十億円も稼ぐ生活は刺激的かもしれませんが、きっと家族との時間や距離感がおかしくなってしまう。そこそこの大きさの円を目指すイメージというか、今はそういう形の幸せを求めていますね。

あとは、今に集中するということですかね。今このときが大事。それを積み重ねた先にまた変わった自分がいるかもしれないし、変わらない自分がいるかもしれない。

それはどちらでもいいけれど、好きなことをやっていることだけは変わらないでしょうね。それが僕ですから。

My Favorite

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魔裟斗さんが愛用しているのはBoseのウェアラブルネックスピーカー「SoundWear Companion speaker」。

「首に下げていると、すごく臨場感のある音を聞ける」一方で、ヘッドホンのように外の音を拾わなくなるわけではないので、家の中でお子さんが話しかけてきてもちゃんと返せるそうです。

「犬の散歩中に近所の人が話しかけてきても、普通に返事できます。音質のよさと、他者とのコミュニケーションを阻害しないところがすごく気に入っています」

▼前編はこちら

魔裟斗の信念「何かを得るためには、何かを捨てる必要がある」

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