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印南敦史の「毎日書評」

コミュ障のための社会サバイバル術|休めないときこそ情報遮断する「オフライン休日」を

author 印南敦史
コミュ障のための社会サバイバル術|休めないときこそ情報遮断する「オフライン休日」を
Photo: 印南敦史

タイトルからもわかるように、『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』(末岐碧衣 著、アルファポリス)の著者は「コミュ障で友だち0人」のシステムエンジニア。

新卒でITコンサルティング企業に入社するも、コミュ障が原因で人間関係が崩壊。そののち休職し、コミュ障の自覚を持って単独でできる仕事のスキルを高めたうえで、フリーランスとして独立したという経歴の持ち主です。

本書はそうしたバックグラウンドに基づいて書かれているわけですが、とはいえ「稼げるようになる方法」や「効率のよい働き方」「成果を上げるテクニック」などが書かれているわけではありません。

書いてあるのは、「空気が読めない」「何を考えているかわからない」「いつもオドオドしている」と言われがちなコミュ障のための、社会でのサバイバル術です。

とりわけ、人付き合いの仕方、働き方、お金の使い方、自分の心との向き合い方について扱っています。(「はじめに」より)

つまり根底にあるのは、コミュ障といわれ(自覚も持ち)苦しんでいる人たちが、少しでも生きやすくなるようにとの思い。チームプレイに頼ることなく、ひとりで生きていくためのノウハウが明かされているわけです。

きょうはメンタルケアについて言及した第4章「病まない技術 ぼっち社会人の『メンタル』の原則 マジでヤバい時の対処法」のなかから、「『オフライン休日』で不安から逃げよう」に焦点を当ててみたいと思います。

真面目な人ほど休むのが苦手

「休むことに罪悪感を覚えてしまう」「もっと仕事で評価されたい」「お客さんのためにベストを尽くしたい」など理由はさまざまですが、とかく真面目な人ほど自分を追い込んでしまいがち。

たしかにがんばれば、そのぶん評価されるかもしれません。とはいえ、無理は蓄積されてしまうものでもあります。仕事を忘れてゆっくり休めない体になってしまい、気づいたときには自分ではコントロールできない状態になっていたりするわけです。それが、ワーカホリックの怖いところ。

著者も同じだったようで、ずっと「オン」モードが続いた結果、少しずつ息切れしてきたと当時を振り返っています。具体的には、「仕事はやれるのに、元気がなくなっていった」というのです。

平日の業務時間中はいつも疲れていて集中できず、ダラダラと夜遅くまで仕事してしまう。ところがミスやムダが多くなかなか終わらないため、休日出勤して遅れを取り戻すことに。

そんな働き方を続けていたら、「なんのために仕事してるんだっけ?」「なにが楽しくて生きてるんだっけ?」と考えるようになり、精神的に追い込まれたという悪循環に陥ったということ。(194ページより)

情報を遮断したら元気になった

そこで運動してみたり、仕事量を減らしてみたり、自然に触れるようにしてみるなど、いろいろなことを試してみることに。そんななかでいちばん効果があったのは、スマホを持たずにネットもできない状態にして、オフラインにするというものだったといいます。

それ以前はニュースを見たりSNSをチェックしているときに不安が強まり、仕事のことを考えるループに入り込むことが多かったのだとか。同じような状態にいる方も多いのではないでしょうか? しかし、それは健全な状態ではないはず。そこで、著者も決心したわけです。

あるとき、何もかもが嫌になって、そうした外からの情報を遮断したところーーたったそれだけで、私の頭のなかの声(不安をあおったり焦らせたりする声)は静かになりました。

その状態で、黙々と掃除をしたり、瞑想をしたり、好きな本を読んだり、料理をしたりして過ごすと精神的に落ち着き、すごく安らぐのです。(199ページより)

そうやってオフラインを取り入れた結果、いまでは当時の1/5くらいの時間で、同じ量の仕事を集中してこなせるようになったそうです。

ワーカホリックになる前よりも仕事への集中力が増し、オン/オフの切り替えも自分でできている感覚があり、それが人生の幸福度を高めている感じがするといいます。(197ページより)

オフライン休日のつくりかた

ただし、オフライン休日を実現するには準備が大切。仕事や友人からひんぱんに連絡があるような場合、それを無視するのはなかなか難しいから。そこで、対処法が必要になってくるということ。

たとえば私は、「この日のこの時間帯は所用のため連絡が取れませんので、あらかじめご了承ください」と周知しておくようにしています。

もう1つ、忙しかったり暇だったりの波が激しいので、あえてオフライン休日は固定していません。

たとえば、メインの仕事は月・水・金という契約になっているので、それ以外の曜日で適当に作るようにしています。 つまり、あらかじめ「オフライン休日をとる!」ということだけ決めておき、ある程度自由度をもたせて、周囲に迷惑をかけないようにしておくのです。(200〜201ページより)

届く連絡への対処ができたとしても、スマホを見るのが習慣になっていると、オフライン休日そのものに抵抗を感じるかもしれません。とはいえ、情報のシャワーをつねに浴びて過ごすのは、脳にストレスを与え続けているようなもの。

脳は情報を好むため、自然とそうしてしまいがちですが、実は休んでも疲れがとれないことの根本的な原因はここにあるのではないか? 経験を踏まえたうえで、著者はそう感じているそうです。

だからこそ、強引にでも情報を遮断する必要があると考えているわけです。

事実、著者はオフライン休日を意識的につくることで、情報ジャンキー的な悪癖も減り、無意味に焦ることもなくなったといいます。仕事のことで不安になる時間も減り、仕事中は仕事に集中し、休みは気持ちを切り替えて楽しめるようになったというのです。

「なにをやっても楽しくない、なにをやってもうまくいかない」と感じたときは、いったん立ち止まって「疲れていないか」「本当に休めているか」と自分に尋ねてみるべき。

そして情報を遮断したオフライン休日を過ごしてみれば、著者のように心地よい状態になれるかもしれません。(200ページより)

著者は会社員時代、職場のトラブルが原因でうつになったことがあるそうです。しかし自分に合う環境づくりを試行錯誤してきた結果、現在はフリーランスとして“理想に近い”毎日を送っているそう。そんな経験が軸になっている本書は、コミュ障に悩んでいる方にはきっと役立つはずです。

家で過ごす時間が増えそうな緊急事態宣言下の大型連休を利用し、わかりやすい数々のメソッドを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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Source: アルファポリス

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