連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

印南敦史の「毎日書評」

話し上手になるために「正しく考える習慣」を身につける方法

author 印南敦史
話し上手になるために「正しく考える習慣」を身につける方法
Photo: 印南敦史

たとえば、上司から鋭い指摘を受けたとき、あるいは会議で発言を迫られたときなど、頭が真っ白になってしまうことは誰にでもあるはず。しかも焦れば焦るほど思考停止状態になってしまい、どんどん話せなくなったりもするものです。

しかしその一方に、どんな状況であってもことばを詰まらせることなく話せる人がいるのも事実。そういう人と、話せなくなる人との違いはどこにあるのでしょうか?

瞬時に切り返す会話術』(赤羽雄二 著、MdN新書)の著者は、そのことについて以下のように指摘しています。

「話し方が上手いな」と思える人をよく観察してみると、話し方が上手というよりは、話の内容がしっかりしていて、自信を持って発言しているのに気づきます。

要は、普段の考え方や心の持ちようが違っているので、頭が整理されていて混乱することがないのです。(「はじめに」より)

そこで本書において著者は、日常的なコミュニケーションに必要な「普段の考え方」「心の持ちよう」について解説しているのです。

いずれにしても、対応力をつけるためには普段の習慣がものをいうはず。そこできょうは第1章「普段から考える癖をつける」に注目し、2つのポイントを抜き出してみたいと思います。

なんにでも好奇心を持つ

頭が真っ白にならず、瞬時に切り返す話し方を習得するために大切なのは、事前の準備としての「考え方」。しかし大げさなことではなく、そのトレーニング方法はいたって簡単だと著者はいいます。それは、自分の好きなこと、関心のあることについて考えてみること。

自分が好きなことや関心のあることは、誰でもつい考えてしまうもの。しかもその結果として知識も豊富になっていくものでもあります。したがって、「考える」ということを実感できるわけです。

好奇心の強い人は、なんでもすぐ調べたり、本を読んだり、人に聞いたりします。そうしたなかでますます好奇心がわいてワクワクし、楽しく毎日を過ごすことができます。 こういう癖を普段からつけておくと、考えることが億劫ではなくなります。億劫どころか毎日あっという間に時間がたち、いろいろなことを考え、調べ、話し、楽しい毎日になります。(28〜29ページより)

「考えること自体が億劫だ」という方は、どんなことでもいいので、自分が好きなこと、関心のあることを見つけてみることが大切。そして、それらについて調べたり、行動してみたりすることが重要。

数ヵ月でもそういう時間の使い方をしていると、「好奇心を持つ」ということ、「好奇心に沿って動く」とはどういうことなのかについての見え方、感じ方が少しずつ変わってくるといいます。

たとえば子どもは、自分のまわりを観察しながら自分なりの考えを発展させていくもの。そして、そのもとになっているのは「質問」です。質問をすることによって、好奇心がさらに刺激されるのです。そういう意味で子どもから学べることは多いわけですが、質問をするときには以下の3つを意識するとよいそうです。

1. どうして?

2. もし○○が○○だったら?

3. どうすれば○○を○○できるか?

(30ページより)

こうした質問を通じてアイデアを出していくことで、さらに好奇心が増していくということ。(28ページより)

好きなことをひとつ、とことん追求する

考える訓練の第一歩として、好きなことを少なくともひとつ、とことん追求することが大切だと著者は考えているそうです。

「好きなことは仕事とは関係がなさそうで、力がつくわけでもない」と思われがちかもしれませんが、そうではないというのです。なぜなら、「あることをとことん追求する」という行動がどういうことかが頭でわかり、体が慣れていくから。

「とことん追求する」というのは、ただ単に好き、楽しい、というだけではなく、それに関して自分でできる限りのことをするということです。

WEBで徹底的に調べ、あるだけの本を読み、ブログなども書き、できることは体験するといったことも全部やっていくという意味です。(31ページより)

そうやって好きなことを少なくともひとつ、とことん追求すれば専門性が身についていくことになります。その結果、他の愛好者から相談されることもあるでしょうし、情報も集まり、尊敬されることも。つまりは、専門家になれるということ。

そこまでたどり着ければ、情報の集め方、発信の仕方、行動のしかた、グループ内でのコミュニケーションの仕方など、仕事にも役立つ身のこなしが自然にできるようになっていくはず。自分への自信も生まれ、心にも余裕が出てくるわけです。

あるいはさらに突き詰めていくと、それ自身で収入を上げることが可能になり、仕事にしてしまうこともできるかもしれません。

例えば、サッカー少年がJリーグの好きなチームを応援するうちに、サッカーのゲームプランの比較研究に熱中するようになります。

そして、いずれワールドカップには必ず数週間の休みを取って行くようになり、それをブログに書くことで、アルファブロガーとして著名になり、本を出したりテレビのスポーツコメンテーターになる、というようなことも起こりうるのです。(32ページより)

つまり好きなことをとことん突き詰めれば、自然と考えることが楽しくなり、知的好奇心に沿って行動するという基本が身につくということです。(31ページより)

誰もが無理なく体得できるようにと、自然に身につくプロセスについて多くのページが割かれています。そのため実践してみれば、すぐに役立つスキルが身につくはず。ことばに詰まってしまって困ったことがあるなら、参考にしてみる価値はありそうです。

あわせて読みたい

聞く人をぐっと引き付ける「話し上手」になるための5つのルール

話し方のプロが教える「説明上手」になるための4つのルール

Source: MdN新書

swiper-button-prev
swiper-button-next