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印南敦史の「毎日書評」

一瞬でその場の空気を気持ちよく変える人が持つ「2つの特徴」

author 印南敦史
一瞬でその場の空気を気持ちよく変える人が持つ「2つの特徴」
Photo: 印南敦史

入ってきただけで部屋がパッと明るくなるような人もいれば、逆にシラけたムードになってしまう人もいます。その違いは、果たしてどこにあるのでしょうか?

誰にとっても興味の尽きないこの問いに対し、『人の心は一瞬でつかめる』(ジョン・ネフィンジャー、マシュー・コフート 著、熊谷 小百合 訳、あさ出版)の著者は次のように答えています。

結論を言いましょう。 人が第三者に評価されるときは常に二つの観点――「強さ」と「温かさ」からはかられています。

「強さ」と「温かさ」は、そのどちらかだけを備えていても、魅力に欠けてしまいます。両者のバランスが、人を惹きつけるポイントなのです。

しかし、「強さ」と「温かさ」をよいバランスで、同時に発揮できる人物はめったにいません。だからこそ、私たちはそれを実現させている人に惹きつけられるのです。(「はじめにーーあなたは人からどう見られているか?」より)

だとすれば、「強さ」と「温かさ」をバランスよく表現する方法を知りたいところ。

そこで本書では、最新の社会科学の研究結果と、ふたりの著者のスピーチコーチとしての指導体験を活用し、その点について解説しているのです。

しかし、そもそも「強さ」と「温かさ」とはなんなのでしょうか? その点を確認するために、Part 1「人は『強さ』と『温かさ』で評価されている」に注目してみることにしましょう。

「強さ」は2つの要素から成り立っている

「強さ」とリーダーシップは切っても切れない関係にあります。人は常に強いリーダーを求めています。強い人間は集団を脅威から守ってくれるからです。

潜水艦の乗組員チームであれ、学校の友人グループであれ、「強さ」はリーダーシップに欠かせません。

「強さ」は二つの基本要素――世界を動かす「能力」と「意志の力」――から成り立っています。(37ページより)

まずは「能力」。この場合の「能力」には、世界を動かすために必要なあらゆる資質(体力、専門スキル、社交術、ノウハウなど)が含まれているそうです。

業種がなんであれ、高度な知識や訓練を要する仕事をこなしている人々は、周囲から注目を浴び、尊敬されるものだということ。

そして、能力が物事を成し遂げるための「ツール」だとすれば、意思はツールを動かすための「動力」

「意思」とは、障害や抵抗を乗り越えて、行動を貫き通そうとする熱意。そうした脂質は「決断力」「気骨」「意欲」「野心」「根気」「粘り腰」などと呼ばれ、あらゆる分野において重要視されるといいます。

意志の力は、筋肉と同様に鍛えることができる反面、酷使すると消耗してしまうものだとか。最近の研究によると、ハードな1日の終わりには意志の力がすり減り、誘惑に打ち勝つのが難しくなるそうなのです。しかし、あらかじめ鍛えておけば、誘惑をものともしない意志の力を手に入れることも可能だということ。

ところで人々は往々にして、「強さ」のシグナルを発している人を高く評価し、敬意を抱くものです。とはいえ自信満々であればいいというわけではなく、多くの人が好むのは、よりバランスが取れていて、マイナス要素をも正直に認めることのできる人物

「強さ」をアピールし、周りの人からの尊敬、あるいは畏怖の念を引き出すことは確かに可能です。しかし、それだけではある程度の成果しかあげられません。

単なる「敬意」を「称賛」にまで引き上げるためには、人々の好感を得なければなりません。(41ページより)

そのために必要なのは、「温かい人」というイメージを同時に打ち出すことだそう。では、「温かさ」とはなんなのでしょうか?(36ページより)

「温かさ」とはなにか?

相手が自分と同じような関心や不安を抱いていることがわかったとき、私たちがその人に「温かさ」を感じるもの。なぜなら、親近感を覚えるから。そして著者によれば、人に暖かさを感じさせる感情は、おもに「共感」「親」「愛」の3つ。

1. 共感

「共感を示す」とは、その人の身になって考えること。

もちろん楽しいことばかりではなく、怒りや悲しみ、失望、嫌悪感にとらわれている人を前にして、いつの間にか同じような気持ちになってしまうのも一緒の共感ではあるでしょう。しかし多くの場合、共感は心の安らぎをもたらし、「自分は決してひとりぼっちではない」と感じさせてくれるものでもあるといいます。

2. 親しみ

見慣れないものや人と違い、なじみ深い物事は私たちをリラックスさせてくれます。

たとえば人は自分と似た人物に出会ったとき、親近感を覚え、おのずと引きつけられることが心理学で立証されているそうです。理由は、似ている=見慣れていると錯覚するから。つまり「似ていること」は、本質的に人と人とを結びつける働きを持っているということです。

3. 愛

誰かに温かい感情を抱いたとき、私たちはそれを「愛」と呼ぶでしょう。

「愛」ということばがつくもののなかには、「温かさ」以外の要素を含んだものもありますが、著者のいう「温かさ」の概念にふさわしいのは、家族や親友などに対する「愛着」

いずれにしても、究極の強さは恐怖を呼び起こし、究極の温かさは愛を呼び起こすのだといいます。(41ページより)

本書を活用すれば、自分自身の個性を生かしながら、周囲の人々から敬意と好感を勝ち取ることができると著者は断言しています。人の心をつかみたいと感じている方は、手にとってみてはいかがでしょうか?

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Source: あさ出版

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