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印南敦史の「毎日書評」

なかなか動けない人に。先が見えない不安への3つの対処法

author 印南敦史
なかなか動けない人に。先が見えない不安への3つの対処法
Photo: 印南敦史

「いつかいつかと思いつつ、ほとんど動けていない」

「行動できる自分になりたい」

「あのとき、すぐに行動できていたらよかったのに…」

なかなかスムーズに行動できず、こんなふうに悩んでいる方も少なくはないはず。メンタルコーチである『先が見えなくても、やる気が出なくても 「すぐ動ける人」の週1ノート術』(大平信孝 著、PHP研究所)の著者も、多くの人からこうした相談を受けてきたそうです。

そんなとき、「行動を高める秘訣」として相談者に伝えていることは、「仮決め・仮行動し、週に1回ノートを使った軌道修正タイムを設ける」ということなのだそう。そこで本書では、そのための、誰にでもできる実践法を明かしているわけです。

今、私たちに必要なのは、日常の小さな事柄に対する行動力です。

例えば、朝起きてから仕事を始めるまでの行動、先延ばししていたことに着手するまでの行動、気になっていることに取りかかるまでの行動。

いずれも些細なことかもしれませんが、そういった小さな行動の集積で、1日、1週間、1ヶ月、1年、そして人生は構成されています。

したがって、こうした一つひとつの場面で「すぐ動ける」ようになることで、人生全体を豊かなものに変えていけるのです。(「はじめに」より)

とはいえ現実的には、「不安だからこそ行動できない」というケースも少なくないはず。

まずはそこをクリアしない限り、先へは進めそうにありません。そこできょうは第1章「不安があっても行動できるーーその正体と対処法」のなかから、「不安への対処法」を確認してみたいと思います。

不安への対処法1:不安はなくならないことを知る

著者は、不安に押しつぶされそうな人にまず知っておいてほしいことがあると記しています。それは、「不安はゼロにはならない。不安はなくならない」ということ。

不安を敵視して完全になくそうとするのではなく、不安の正体や対処法を知り、実践するほうが効果的だという考え方です。

なお、ここで意識しておくべきことがあるようです。簡単に分類すれば、不安には「持ち越し苦労」と「取り越し苦労」の2種類しかないということ。

「持ち越し苦労」とは、「どうしてあんな失敗をしてしまったんだろう」というように、過ぎてしまった出来事について悔やんだり不安になったりすること。

意識が「過去」に向きすぎているから、過去の失敗に足もとをすくわれてしまっているわけです。そんな持ち越し苦労は、記憶力のいい方や真面目な方が持ちやすいものだそうです。

そして「取り越し苦労」とは、「こうなったらどうしよう」と、まだ起きていないことや未来のことを考えて、不安になったり心配したりすること。

こちらは意識が「未来」に向きすぎているため、未来への不安から動けなくなったり、暴走してしまうということ。取り越し苦労は、未来を先読みする力がある方や、考えるのが得意な方が持ちやすいのだといいます。

どちらにしても、不安はもともと私たちが持っている脳の防衛本能の一種。生命維持のための脳の仕組みなので、不安がなくなるということはありえないわけです。たしかに、そこに気づけば気持ちは多少なりとも楽になるのではないでしょうか?(27ページより)

不安への対処法2:いまの時代特有の不安の正体を知る

誰もが共通して抱えている現代特有の不安は、大きく分けると2つあると著者はいいます。

まずひとつは、「先が見えないのに、自己責任で決めていかなければならない不安」。

「いい成績をとって、いい学校を卒業し、いい会社に入れば安泰」という時代は去り、いまや仕事にしても住む場所にしても自分で判断し、決めていく必要があるということです。

正解が見えず、状況が目まぐるしく変化するなか、自己責任の範囲が広がっているということ。この先どうなるか分からないのに、自分の決断と行動に責任を取らなければならず、しかも誰も助けてくれないのですから、息苦しさを感じても無理はありません。

そして、2つ目にして最大の不安は、「生活していかなければならない不安」。

生きていくには稼ぐ必要があるため、「この先、自分はちゃんと生活費を稼いでいけるのか?」という不安から離れることはできないのです。しかも投資に頼ることは危うく、貯金もままならない状態。そのため、いつの間にか節約や貯蓄で終わってしまい、なかなか根本的な解決に行き着かないということ。

とはいえ、生活していくのに不安になったときは、生き方、働き方、時間の使い方、自分自身のこと、人とのつきあいかたなどについて考えなおすのに最適なときでもあります。

“いまの時代特有の不安”の正体を突き詰めれば、不安とのつきあい方がわかり、「そこからどうするべきか」が見えてくるのかもしれないのです。(31ページより)

不安への対処法3:不安は否定しないで認める

いま、不安に押しつぶされそうになっている方に対し、著者は「大丈夫です。その状態は続きません」と断言しています。

先行き不安なときに、この先の生活や仕事、人生を考えると不安な思いばかりが出てきてしまい、落ち込んでしまうのは、先述したように脳の防衛本能ですから自然なことです。

脳は非常時には、命を守るために希望や期待よりも不安を強く感じるようにできています。ですから、まず否定しないで受け入れてください。誰でも、一時的に不安になることはいたしかたない自然なことです。

むしろ、「焦っている・不安・心配・怖い」といった危険信号が点滅しているのに無視しているとしたら、そのほうが危険です。(34〜35ページより)

どれだけ絶望的な状況に追い込まれても、生きている限り、そこから抜け出すことは可能。冷静に考えることができれば、抜け出す方法はいくらでもあることがわかるはず。

だからこそ、無理をしてポジティブを装わないでほしいと著者は主張しているのです。自分が感じている不安や焦り、恐怖、ショックなどを否定せず、受け入れるべきだと。

そして、不安を認めたあとに知っておいてほしいのは、「不安の度合いはコントロールできる」ということ。つまり「不安をなくそう」と努力するよりも、「不安の度合いをコントロールする」思考に切り替えるべきだという発想です。

そして不安は、変わる時期にきているというサインでもあるといいます。新しいことを始める時期にきているということであり、そういう意味ではチャンスが到来していると考えることもできるわけです。(34ページより)

こうして不安への対処法を示したのち、本書は「仮決め仮行動」「軌道修正」の仕方を経て「ウィークリーノート」の活用法へと進んでいきます。

紹介されているメソッドは、著者が主宰する行動イノベーションシッププログラムに参加しているメンバーの研究の成果でもあるそう。

つまり実例に基づいているだけに、順番どおりに実践すれば誰でも不安を行動力に変えることができるわけです。なかなか動けないという方は、活用してみるべきかもしれません。

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Source: PHP研究所

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