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印南敦史の「毎日書評」

考え方をブラッシュアップせよ。問題解決できる人の2つのルール

author 印南敦史
考え方をブラッシュアップせよ。問題解決できる人の2つのルール
Photo: 印南敦史

できる人の考え方のルール』(リチャード・テンプラー 著、桜田直美 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、これまで50言語に翻訳されてきた世界的ベストセラーとして知られる「Ruleシリーズ」の最新刊。

同シリーズは過去にも取り上げたことがあるので、ご存知の方もいらっしゃるはず。

著者は旅行代理店、スーパーマーケットチェーン、レストラン、カジノ、大学自治会などのさまざまな分野で30年以上のマネジャー経験を持ち、そののちWhite Ladder Pressという出版社を創設した人物です。

今回のテーマは、タイトルからもわかるとおり「考え方」。ただし、ここで伝えようとしているのは思考のコツや戦略を伝えることではないようです。

本書はテクニックの本ではない。思考に対する考え方や心構えの本だ。

自分の思考を理解し、自分の思考を向上させる方法を皆さんに伝授したいと思っている。 昔のことわざはこう言っている。

「ひとつの思考を与えれば、その人の脳を一生養うことができる。考え方を教えれば、その人の脳を一生養うことができる」。

私はこれまでの経験や観察から、本当に役に立つ思考法を見つけることができた。この思考法を身につければ、一流の頭脳と精神を手に入れることができる。これぞまさにルールを実践する人の思考法だ。(「はじめに」より)

こうした考え方に基づく本書のなかから、きょうは第6章「問題解決のための11のルール」に焦点を当て、2つを抜き出してみたいと思います。

ネガティブな感情を排除する

問題解決をするうえで難しいのは、「問題がある」というストレスのために頭のなかがクリアにならないこと。つまりはそれが、正しい思考の妨げになってしまうわけです。では、どうしたらいいのでしょうか?

この問いに対する第一の答えとして、著者は「環境を整える」ことを挙げています。走る、静かな部屋で瞑想する、アップテンポの音楽を聴くなど、自分に合った気分転換を行い、思考に適した環境を整えるべきだという考え方。

どれもできる状況ではないのであれば、最低でもスマホの通知をオフにする、部屋のドアを閉めるべき。あるいは、車のなかでひとりになることも無駄にはならないでしょう。つまり、ひとりになれる空間を確保するのです。

ちなみに、すぐ頭をクリアにする方法として紹介されているのは、音楽を聴いたり、クロスワードや数独を解くこと、そして瞑想など。とにかく、なにか気晴らしになることをして、思考の邪魔になる感情を排除すればいいわけです。

また、「時間を稼ぐ余裕が少しでもあるのなら、なんとしてでも稼ぐことが重要だ」と著者はいいます。時間に追われるのは大きなプレッシャーであり、不安やストレスを増大させるからです。

しかし、ある程度の問題や感情は、ある程度までなら時間が解決してくれることもあるもの。もし待つことで事態が悪化するわけではないのであれば、待つのもひとつの方法だそう。

とはいえ、「いまは感情的になりすぎていて、まともに考えられない」という場合だってあるかもしれません。そんなときには、最低でも当座を凌げる方法は考えておいたほうがいいそうです。とりあえずの策があれば、プレッシャーをかなり減らすことができるから。

そして最後に著者が強調しているのは、「解決策はある」と信じること。いつかは助けがやってくると思っているほうが、心ははるかに落ち着き幸せになれるからだというのがその理由です。(128ページより)

新しいアイデアや変化を歓迎する

ブレインストーミング(ブレスト)のコツは、あらゆるアイデアを歓迎すること。

ところが職場でブレストを行う際には往々にして、どんなアイデアにもうまくいくわけがない」「それはもうやったじゃないか」などネガティブな反応を繰り返す人がいたりするものでもあります。

しかもそういう人は、自分でいいアイデアを出すわけでもなく、自分が経験したことのある解決策以外の発想ができないので困りもの。

本気で一流の思考を身につけたいなら、彼の真似をしてはいけない。

こだわりや固定観念を捨て、新しいアイデアや変化を歓迎しよう。

もちろん、ブレストで出されたすべてのアイデアが有効というわけではないが、だからといって最初から拒絶するのは間違っている。可能性に対してオープンでいなければならない。(134ページより)

著者はこのことに関連し、「もし過去にやったことがあることしか行わないのであれば、あなたはどこへも行けない。過去にとらわれたまま停滞するだけだ」と断言しています。

すべてが順調なときであれば、過去の繰り返しだけでも十分かもしれません。しかし、それではチャンスを逃していることにもなってしまいます。

そればかりか事態が悪化したときは、硬直した思考のせいで問題から抜け出せなくなってしまうわけです。

世界は変化している。

昨日の解決策は、今日のベストの選択肢にはならない。

五〇年前であれば、誰かに急いでメッセージを届けたいときは電報を打つしかなかった。もちろんこの方法は現代では通用しない。誰かが起こしてくれたイノベーションのおかげで、テキストメッセージを送るという方法が生まれたからだ。(135ページより)

当然のことながら、これは極端な例。電報からテキストメッセージへと一瞬で変化したわけではないからです。いずれにしても、こうした新たな流れに最後まで変化に抵抗した人は結果的に、だんだん時代に取り残されることになったに違いありません。そして最終的には、「いよいよ変化するしかなくない」という状況にまで追い込まれてしまうのです。

誰しも、そうはなりたくないものです。だからこそ今後は、「それがいつものやり方だ」ということばを使うことは禁止にするべきだと著者は主張しているのです。(134ページより)

シリーズの特徴でもある「基本的でシンプルなアプローチ」はもちろん今回も健在。

100種のルールが「1項目=1ページ」で紹介されているので、気になったところから気軽に読むことができるはず。考え方をブラッシュアップするために、手にとってみてはいかがでしょうか?

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Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

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