Slackに社外の人ともDMができる新機能ができた。ただし注意点も
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Slackに、社外の人とDM(ダイレクトメッセージ)ができる新機能が追加されました。ただし、いくつか注意点があります。

まず、このサービスはオプトインであり、やりとりを始める前に、相手から送られた招待メールを承認しなければなりません。そのほかにも、この新機能「Slack コネクト」について、知っておくべき特徴がいくつかあります。
当たり前のことではありますが、この新機能を使えるかどうかは、その組織のSlack管理者の完全なコントロール下に置かれています。たとえば、私の米LifehackerのSlackアカウントではこのDMは使えませんが、私がアクセス権を持つほかの企業のSlackでは使えるところもあります。
もし、自分のSlackでこの機能が使える状態になっていないなら、Slack管理者が設定を有効にしていないか、意図的にあなたには使えないようにしている可能性があります。
(そのときは、今までどおりの方法に戻るだけです。決して悪いことではありません。そのほうが話したくない相手と話さなくてすみますから)
次に、Slackの管理者(すなわち会社)が、社内のSlackで共有されているコンテンツに関して絶大な権限を持っていることを覚えておいてください。
もしかすると、この新しいDMを、自分と相手のどちらの会社からも自由な場所で行われる、プライベートなやりとりだと思っている人がいるかもしれません。しかし、そうではありません。Slack コネクトでのやりとりも、それぞれの会社のポリシーに縛られることになります。
David Pierce氏はProtocolで次のように説明しています。
各企業の管理者が、それぞれで自社のメッセージを管理しています。つまり、共有チャンネルといっても、実際には、別々に管理されているスペースが、SlackのUI上でひとつにまとめられているにすぎません。
一方の企業の管理者は、他方の企業が管理しているメッセージに影響を与えることなく、自社側のメッセージをすべて削除することができます。
またSlackは、コネクトを利用しているほとんどの組織を検証しており、Slackでやり取りしているtim@apple.com氏 が本物であることを確かめられるようになっています。
Slack管理者は、従業員が退職したり、解雇されたりしなくても、メッセージを削除できることを覚えておいてください。
あなたの会社(あるいはならず者の管理者)が、今のところはDMの使用を許可していても、将来的に不許可にして、メッセージがすべて削除されてしまうかもしれません。
ですので、重要な内容をやりとりしている場合は、定期的にスクリーンショットを撮るか、コピー&ペーストして別の場所に保存しておくようにしましょう。メッセージをメールに転送しておくのもいいかもしれません。今うまくいっていることが、今後もずっと続くと考えてはいけません。
企業社会では何が起きるかわかりませんので。もちろん、会社がメッセージの保存に関する設定を変更すれば、あなたが送受信したDMにも影響が及びます。
People are going to use it as a tool for harassment and abuse, while Slack clients will use it as a surveillance tool (there will absolutely be naive leakers who end up getting fired or even arrested over this) https://t.co/DGZrbb5GvW
— Tim Marchman (@timmarchman) March 24, 2021
Tim Marchman @timmarchman
この機能はハラスメントや悪事に使われるでしょうし、Slackのクライアント企業は監視ツールとして使うようになるでしょう(間違いなく、情報漏洩で解雇されたり逮捕されたりする愚か者が出ると思われる)。
David Pierce @pierce
本日から、Slack上の誰にでもDMを送ることができるようになりました。
これでSlackはあらゆる仕事に対応する本格的なメッセージングアプリになりました。これからどのような使われ方をするのか楽しみです。 https://protocol.com/slack-messaging-connect
※原文公開時にTwitterの投稿を引用していましたが現在該当ツイートは削除されています。原文にのっとり引用翻訳コメントとして掲出しています。
最後に、最も重要なことですが、Slack コネクトで送信した内容は必ずしもプライベートなものではないことに注意してください。
Slackの管理者は、いくつかの大掛かりな手順を踏まなければならないとはいえ、その気になれば自社のSlackの会話に(パブリックチャンネルであれ、プライベートチャンネルであれ、内部DMであれ、Slack コネクトであれ)アクセスすることができます。
Slack コネクトは、会社の「スペース」の外にあるように感じるかもしれませんが、そうではありません。ですので、会社のポリシーに反するような情報はシェアしてはいけません。また、当然ですが、仕事と無関係なことは投稿すべきではありません。将来、誰に読まれるかわからないのですから…。
PSA for Slack users, and the privacy lawyers who love them. Also, in-house law: if you think your tech colleagues aren't using Slack because it hasn't been approved for use in your enterprise .... ask. https://t.co/aMw2GAFTbs
— Carol Brani (@CarolOnAdvLaw) March 24, 2021
Carol Brani @CarolOnAdvLaw
大切なお知らせ:Slackユーザーと、Slackユーザーを大切に思う弁護士、それから企業内弁護士にも。自分の会社で技術職の同僚たちがSlackを使っていないのは、会社から使用許可が下りていないからだと思っているなら…彼らに聞いてみて。
Kevin Collier @kevincollier
この話を聞いて不安になった人は、Slackはメッセージを暗号化しないこと、本人がアクセスしなくても無期限にメッセージを保存できること、そして多くの場合、雇用主はDMも含めて従業員が投稿したすべての内容を読んだり検索したりできることも頭に入れておきましょう。
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Source: Protocol,Slackヘルプ(1,2)
David Murphy - Lifehacker US[原文]
訳:伊藤貴之