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「時間が足りない」という不安から心を解放する方法

author 訳:長谷 睦/ガリレオ
「時間が足りない」という不安から心を解放する方法
Image: Shutterstock

ずっと前に日は沈んでしまい、1日の終わりが近づいています。

それなのに、今日やるはずだったことが全然終わっていない。こんなときに感じるじりじりした気持ちは、誰でも身に覚えがあるはずです。

半分しか「済」になっていないToDoリストを目にして、胸が苦しくなったあなたは、こんな疑問を抱くはずです。

「たっぷりあったはずの時間は、いったいどこに行ってしまったのだろう? 」と。

やるべきことをすべて済ませるのに十分な時間がない、というこの感覚は、「時間不安(time anxiety)」と呼ばれます(これは日々の生活レベルだけでなく、より広く時間についての不安を指す言葉です)。

時間の不安は「意味」についての不安

これは、自分は与えられた時間をフル活用しているだろうか? もし活用できなかったらどうなるだろうか? もう遅すぎるのでは? もうあきらめて引きこもったほうが良いのでは? といった疑念が頭に浮かぶ状態です。

『The Undefeated Mind(負けない心)』の著者のAlex Lickerman博士は、「Psychology Today」の記事の中で、時間についての不安は、実際は「意味」についての不安なのだと指摘しています。

私はいつも、自分は無意味なものに時間を費やしているのではないか?という不安を抱えています。

あるいは、無意味と言うよりは、「十分な意味を持たない」と言い換えたほうが良いかもしれません。

時間不安は3つのタイプに分類できる

このような時間不安とうまく付き合っていくには、まずこの不安がどういうものなのか、そしてどんなタイプがあるのかを知ることが大切です。

1. 日常的な時間不安:

これは、日々の生活で、時間が不足しているように思える切迫感を指します。

やるべきことがあまりにたくさんあって、全部をこなすには時間がとても足りないと気づいた時に、重苦しい気持ちに襲われたことはありませんか? それがこのタイプの時間不安です。

2. 未来に対する時間不安:

これは、「もしこうなったらどうしよう? 」と、先のことが気になって頭から離れない状態です。

自分がとる行動がどういう結果につながるかを考え出すとしたら、その可能性はめまいがするほどたくさんあります。

「もし選択を間違ってしまったら? 」という不安で動きがとれなくなってしまう状態です。

3. 実存的時間不安:

これは、自分が生きていられる時間は限られているという思いから、時間が無為に過ぎていくことに不安を抱くものです。

「ベストなイメージ」を明らかにして、それを実現できるスケジュールを作成しよう

どんなタイプであれ時間不安は、「自分の時間をベストな形で使えていない」という感覚から生まれます。

とはいえ、時間を思い通りに使うためには、まずはその「ベストな形」のイメージをはっきりさせなければなりません。

あなたが思う、充実した1日とはどんな日ですか? あなたを「フローな状態」(ある活動に完全に没頭し集中できる心理的状態)に引き込むタスクには、どんなものがあるでしょうか?

これらの問いかけへの答えが、即座にはっきりと浮かばない場合もあるでしょう。

答えを導き出す手助けとして、Darius Foroux氏が提唱する「6本のスポーク」理論をご紹介しましょう。

この理論は、人生を6本のスポークがある車輪にたとえて、すべてのスポークのバランスが取れているのが望ましい姿だとするものです。以下に記した、それぞれの問いに当てはまる活動をイメージしてみてください。

  1. 身体:自分が健康でアクティブだと実感するために、どんなことをするのが好きですか?
  2. 心:あなたの心を、良い方向に後押ししてくれるものは何ですか?
  3. 愛情:あなたが一緒に時を過ごしたいと思う人は誰ですか?
  4. 仕事:あなたが充実感を覚える仕事やタスクはどんなものですか?
  5. お金:今、実際に自分の手元にあるお金を、どんな目的に使いたいですか?
  6. 余暇:あなたが心から楽しめる趣味やレジャーは何ですか?

この理論が提唱する、すべての要素のバランスを取るべきという考え方は、人生全体だけでなく、毎日の予定にも当てはまります。

私の1日を例にとりましょう。私がJotFormのオフィスで働く時間は通常、あまり長くありません。でも、その時間をできるだけ価値あるものにするように、常に努力しています。

ただ、「常に努力している」と言っても、デスクにいる間ずっと、スプレッドシートを穴のあくほど見つめているわけではありません。

私のスケジュールにはかなりの余裕があり、ミーティングやメールの送受信をする時間は十分に取れます。

でも、ジムでの運動、モーニングページ(毎朝、頭に浮かぶことをノートに書く習慣)、そして従業員とのランチも、すべて私にとっては最優先事項です。

自分にとって何が大切なのかをはっきりさせたことで、活力に満ちた、意味のある日々を送ることができるスケジュールを立てられるようになりました。

「集中の妨げになるもの」から離れる

これまでに見たTikTok動画やInstagramのページのなかで、自分を本当の意味で幸福にしてくれたものがいったいいくつあっただろう、と考えてみてください。

アメリカ国民がソーシャルメディアに費やす時間は、1日平均で2時間3分にのぼります。これに加えて、仕事と個人のメールを合わせると、メールチェックには平均で1日6時間弱をかけているということです。

これでは、気がつくと丸1日が過ぎているのも無理のない話です。

自分にとって集中の妨げになりがちな要素は何なのか、日頃から気にする習慣をつけましょう。そうすれば、早い段階で気づいて、脇道にそれるのを防止できます。

気が散っていると気づいた時には、まずは「気分を切り替えたい」という衝動が起きたことを意識しましょう。これは、NPOの「Search Inside Yourself Leadership Institute」でCEOを務めるRich Fernandez氏がすすめている方法です。

その上で、「注意を向ける先を切り替える」ようにと、Fernandez氏はアドバイスします。

自分の脳の中にある、論理的な部分に再び接続するには、まずは「呼吸のような、すぐに取り組めることや身体感覚に直結していること」に集中するのが効果的だとのことです。

いつものように、Twitterをチェックしたいという衝動に襲われたら、その衝動自体は認めつつ、すかさず意識を切り替えて呼吸に集中するわけです。

すべて1人でやろうとしない

意欲的なToDoリストを作るのはとても良いことです。でも、リストにあげたすべての項目を「済」にできないでいると、これがストレスの原因になりがちです。

それよりも、「すべてを自分がやる必要はないのだ」と認めてしまいましょう。

起業を志す人たちは、複数の仕事を同時にこなす自分に誇りを抱いています。けれども、仕事中毒の状態は、率直に言って不健康です。

うつ状態や不安に陥るリスクが2倍になるという研究もありますし、実は生産性を低下させ、仕事の成果も悪くなるという研究結果もあります。

そこで必要になるのが、「人に任せる」ことです。あなたは、すべて自分でやらなければならないと思い込んでいるかもしれませんが、それは事実に反します。

私が最初にウェブ企業を立ち上げた時、私は丸々何日もかけて、たった1人でサポートの問題に取り組みました。

でもその後、信頼できる社員を雇ってからは、これらのタスクへの対応をスタッフに任せることで、私はほかのことに集中できるようになりました。

Noと言う週間を見つけよう

最後に、「ノー」という方法を身につけてください。あらゆることに「イエス」で応じていると、ダブルブッキングや、予定の詰め込みすぎといった問題が生じかねません。

それだけでなく、いつも「イエス」という人は、「ほかの人の優先事項」を、自分が優先すべきことより重んじているわけです。

そうした状態は、ストレスの増大や、燃え尽き状態を引き起こすおそれがあります。

「自分の時間」が持つ価値を最大限引き出していけば、意味のある1日1日が積み重なって意味のある数週間になり、意味のある人生になっていくはずです。

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Source: NCBI, HBR, make it, Digital Marketing, Jot Form, Darius

Originally published by Fast Company [原文

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