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希望をたぐり寄せるシンプルな5つの法則

author 訳:春野ユリ
希望をたぐり寄せるシンプルな5つの法則
Image: Shutterstock

新型コロナウイルスのパンデミックが猛威を振るい、政治の混乱と先の見えない不安に世界は苛まれています。

2020年が始まるとすぐに、病気、死、孤独、失業を現実として受け止めなければならなくなり、お先真っ暗になりました。

アメリカでは今年の1月6日水曜日に武装勢力が議会議事堂を襲撃して、多くの人が恐怖と絶望の中でそれを目の当たりにしました。

こんなときこそ、人間の暗黒面と明るい面の両方がみごとに明らかになります。多くの人が並外れた思いやりと勇気ある行動をする一方で、暴力、利己的な行動、貪欲な行為に走る人たちもいました。

私は、困難に直面している人々のポジティブな心理に特化した研究に従事する科学者として、今こそ「希望」について語るべきときだという認識を強めています。

「希望」と「楽観主義」の違い

The Psychology of Hope』の著者であるCharles R. Snyder氏は、「希望」はできるだけ望ましい目標を見ようとする傾向で、自分や他人にはその目標を達成する能力があると信じる「行為主体性思考」、そうした目標にアプローチする傾向であると定義しています。

また、「希望」は、どのような道筋を取り目標を達成するか計画を立てることに焦点を当てる「経路思考」であるとも定義しています。

これと「楽観主義」は異なります。心理学者のCharles Carver氏は、「楽観主義」を、「将来良いことが起こると漠然と期待すること」と定義しています。

楽観主義者はポジティブな情報を探す傾向があり、時にはネガティブな情報を否定したり回避することもあります。

要するに、「楽観主義」とは良いことが起こると期待することです。一方、「希望」は、望みをかなえるためにどのように計画して行動するか考えることです。

希望を育むための5つの戦略をご紹介しましょう。

1.目標を設定して行動する

希望を抱く人は願うのではなくて、結果を想像して行動します。明確で達成可能な目標を設定し、明確な計画を立てる。

そして、自分には成果を上げる能力があると信じています。同時に、自分の行く手にはストレス、障害、失敗があることも認識しているでしょう。

Snyder氏などの心理学者によると、希望を持つ人は「これらの障壁を予測」することができて、正しい「道」を「選択」することができます。

さらに、希望を抱く人は適応力があります。希望が妨げられると、目標を達成するための行動をますます集中して行う傾向があります。

心理学者のEddie Tong氏が書いているように、「希望を抱く人々は、個人のリソースを使い果たしても、達成したい目標は達成できると考える傾向があります」。

言い換えれば、見通しがあまり良くなくても粘り強く頑張れるということです。

特筆すべきことは、目標を達成できるという信念は、目標を達成する方法を知っていることよりも、希望を抱き続けるためには重要かもしれないことを示すエビデンスがあることです。

2.不確実性をプラスにとらえる

何人かの研究者は、希望が生まれるには、個人が「成功の可能性」を認識できる必要があると主張しています。

人生の不確実性の多くは、困難な時期に人々が希望を育む助けになりうることが研究で実証されています。

たとえば、2017年の研究で、多発性硬化症と診断された子どもたちの親は、小児期の状態についてほとんど知られていないという事実を利用することで、希望に燃料を与え、希望を保ち続けていることがわかりました。

小児期の多発性硬化症を正確に診断することは非常に困難であり、予後も非常に多様なので、我が子は誤診されていて、いずれは回復して普通の生活をすることができるかもしれないと考えたのです。

要するに、未来が不確実なら、未来には多くの可能性があるということになります。つまり、不確実性は立ちすくむ言い訳でなく、希望を抱く理由になります。

3.情報を適切に取捨選択する

希望を抱く人と楽観主義の人は、現在世界で起こっている感情を刺激する諸々のことを受け止める際に、類似点と相違点があります。

たとえば、心理学者のLucas Kelberer氏と彼のチームは、楽観主義者は「幸せな人のイメージ」のようなポジティブなイメージを探し、落ち込んでいるように見える人のイメージを避ける傾向があることを発見しました。

希望を抱く人は、必ずしも感情的にポジティブな情報を探しませんでしたが、高い希望を抱く人は、感情的に悲しい情報や恐れを感じる情報に注意を向ける時間が少ない傾向がありました。

読むもの、見るもの、聞くものの選択肢が多すぎる世界では、希望を持ち続けるためにポジティブな情報を追いかける必要はないにしても、ネガティブなイメージやメッセージを避ける必要はあるでしょう。

4.孤立を避けコミュニティに参加する

孤独の中で希望を抱き続けることは困難です。

社会に変化をもたらすために活動している人々、特に貧困対策の活動家にとって、人間関係とコミュニティは希望を抱く理由を提供し、戦い続けるという信念に火をつけていることが研究調査で実証されています。

他者とのつながりにより活動家は説明責任を感じることができて、自分の仕事が重要であり、自分以上に大きな何かに属していることを認識することができました。

人間関係は重要ですが、健康調査では、希望の維持は、ときとして、自分が所属する特定の集団に依存することが示唆されています。

たとえば、慢性疾患の子どもを持つ親は、ポジティブな結果を求める努力を妨害するネガティブな人々との交流を断ったり、避けたりすることで、希望を持ち続けることがよくありました。

説明責任を持たせてくれて、奮闘努力する理由を思い出させてくれる他者とつながれば、希望を持ち続けることができます。

5.エビデンスを活用する

希望を抱き続けるには信頼も必要です。希望を抱く人は、特に歴史のエビデンスにおいて、データを信頼しています。

たとえば、貧困撲滅の活動家は、歴史的に、人々が団結して抵抗したとき変化を生み出すことができた事実を知ることから希望を引き出していました。

したがって、希望を育んで維持するには、自分自身の生活、歴史、そして世界全体からエビデンスを集め、そのエビデンスを使用して計画、経路、行動を導く必要があります。

また、希望を持ち続けるためには、このデータを使用して、どれほど小さな進歩であろうと進捗状況を効果的に調整することを学ぶ必要もあります。

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Image: Shutterstock

Source: The Washington Post, Springer Link, Google, Oxford, Rutgers, Aps, Science Direct(1, 2), Jstor, Wiley Online Library, ippa, Taylor, Sage Journals

Originally published by Fast Company [原文

Copyright © [2021] Mansueto Ventures LLC.

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