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男が「男らしい」ビューティ用品を選ぶ時代は終わった

author 訳:堀込泰三
男が「男らしい」ビューティ用品を選ぶ時代は終わった
Image: Getty Images

マーケティングの世界には、性別に関する暗黙の了解があります。それは、女性は女性向け商品を買い、男性は男性向け商品を買うというもの。

その結果、世間に受け入れられる美容用品という概念はサイロ化してしまっています。でもそれって、バカバカしいと思いませんか?

いえ、もう少し丁寧に言いましょう。ジェンダーに対する考えの進歩に伴い、古くから続くマーケティングの策略ともいえるこの勘違いについて、私たちはもっと議論すべきだと思うんです。

スキンクリーム、石鹸、クレンジングなど、男女の生物学的特徴を対象とする商品は別として、私たちはずっと、美容やセルフケアは男女で分ける必要があるという誤った価値観を押し付けられてきたのです。

そんな押し付けの顧客像に自分が該当しなくても、欲しいものは臆せず買えばいいと思いませんか?

中身はそんなに変わらない

一部の商品、特にスキンケアの領域では、男女向けの商品で多少成分が異なります。

その理由は、男性はテストステロンと日々のひげそりの影響で、女性より肌が強く、毛深い傾向があるからです。

でも、ちょっとした組成の違いなど取るに足らないと思えるほどに、男女向けの商品はこれでもかと見た目が異なります。

たとえば、私が使っているカミソリは、メタリックに輝いています。グリップは黒く、大工道具のような雰囲気を醸し出しています。

一方で妻のカミソリは空色で、白で縁取られています。どちらも刃数は同じで、機能も変わりません。唯一、見た目だけが正反対なのです。

デオドラントはどうでしょう。男性向けと女性向けの違いは、香りとパッケージのみ。おそらくどちらも、市場調査を経てそこに落ち着いたのでしょう。

BBCのScience Focusでも書かれているように、男性向け制汗剤と女性向け制汗剤は、同じ化学物質で構成されています。

違うのは香りとパッケージだけ。大事な役割を果たす化学物質は、一般的に同じです。

具体的には、デオドラントは抗菌剤と発汗抑制済でできており、前者は細菌を殺します。後者はアルミニウムまたはジルコニウム由来の化学物質であり、発汗を抑えます。

マーケティングの策略は、デオドラントだけが対象ではありません。

New York Dermatology Groupの創設者であり代表を務めるDavid Colbert医師は、2015年のBustleによるインタビューにこう答えています。

男女向け商品の差異は、そのほとんどが売り方だけの違いです。注目を集めるために、ボトルの色や形を変えています。

それからもちろん香料も。男性はレザーとムスク、女性は花と果実というのが鉄板です。多少の例外を除き、成分はほとんど同じです。

筆者は汗かきなので、Colbert医師の言葉が正しいことを身をもって知っています。

なぜなら、私は自分のOld Spiceが切れると妻のSecretを使いますが、効果に差がないからです。唯一の違いといえば、風が吹くと自分から妻のような匂いがすることだけです。

男女の規範は崩壊しつつある

ジェンダーの考えが社会の構成要素として受け入れられるにつれて、美容用品がいつまでも男女別ではないことを知る機会が増えるでしょう。

McKinseyが2018年に実施した調査では、Z世代(ミレニアルの次の世代)の48%が、性別によるマーケティングをしていないブランドを支持していることがわかりました。

このようなジェンダー規範の崩壊は、ビューティ市場にも現れ始めています。マーケターが業界の枠を越えて、変化の波に乗り遅れないように動き始めているのです。

たとえば、男性向け身だしなみサイト「Very Good Light」のファウンダーDavid Yi氏は、昨年3月に行われたWashington Postのインタビューにおいて、男らしさと女らしさの関係を再定義する取り組みの狙いを語っています。

Z世代の多くは、米国文化や西洋文化が絶対ではないと気付いています。そこで私たちのサイトでは、男らしさや男性の美のスタンダードの再定義を目指しています。

ある調査によると、Z世代は圧倒的に従来のジェンダー価値観を破壊したがっています。

つまり今後、古い概念にとらわれない、人を2つに分けて考えない、柔軟なジェンダーの解釈を持つ、あるいは男か女かなんて気にしない人に向けた商品の登場が期待されるでしょう。

最後に、どんなにマーケティングが人をグループ分けしようと策略しても、あなたにとって最適な美容のルーティーンが変わることはありません。

男性向け商品も女性向け商品も、ほとんど同じ機能を持っています。

だから、誰向けの商品かなんて気にせずに、自分にとってのお気に入りを見つければいいのです。

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Image: Getty Images

Source: McKinsey, HBR, Washington Post, Quartz, Bustle, Science Focus

Sam Blum - Lifehacker US[原文

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