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印南敦史の「毎日書評」

時間管理が苦手なら、締切だけでなく「いつはじめるか」を決めて実行せよ

author 印南敦史
時間管理が苦手なら、締切だけでなく「いつはじめるか」を決めて実行せよ
Photo: 印南敦史

テレワークの浸透、ビデオ会議に代表される非対面のビジネススタイルなど、コロナ後のビジネスは大きく変わることになりました。

また、そのような状況下においては企業も、業界再編を伴う事業のスクラップアンドビルド、経営のスリム化など、生きる術を模索しています。

当然のことながら企業は人員をスリム化する過程で、「必要な人材」と「そうでない人材」とを選別することになります。したがって私たちに必要なのは、「必要な人材」「企業から求められる人材」でい続けること。

そう主張するのは、『「ニューノーマル」最強仕事術』(濱田秀彦 著、講談社ビーシー)の著者。マネジメント、コミュニケーション研修講師として、階層別教育、プレゼンテーション、話し方などの分野で年間150回以上の講演を行っているという人物です。

本書では、コロナショック以降(以下「コロナ後」と表記)のビジネスフィールドで、経営層・上司層・部下層それぞれの悩みを受け止める中で明らかになった“新しい評価基準”を、ポイントとなる4つのテーマ「目標管理」「報連相」「時間管理」「チームワーク」という大枠で提示します。

そして、それに応えていくための具体的な方法を示します。(「はじめに」より)。

そこで、きょうは「時間管理」に焦点を当てた第3章「成果をあげ自分を磨く『時間管理』の新基準」のなかから、時間の使い方に関する基本的な考え方を抜き出してみたいと思います。

もっとも重要な仕事とは?

コロナによる働き方の変化で多くのビジネスパーソンが、「時間の使い方の自由度が増えた」と感じているはず。もちろん、それ自体は歓迎すべきことです。

しかしそれは、「戦略的な時間の使い方をする人」と、そうでない人との差が広がることを意味していると著者はいいます。

戦略的な時間の使い方とは、「成果につながることに、より多くの時間を投入し、最大限に活用する」こと。

“見える成果”につながっていかないことに多くの時間を費やしていたのでは、結果が報われないものとなってしまう可能性は十分にあります。そこで、成果につながることに、より多くの時間を投入すべきだという考え方なのです。

そして重要なポイントは、「投入した時間は最大限に活用する」こと。

今後は、労働時間型の働き方ではなく、より短い時間で、大きな成果を生み出す時間の使い方を自分で考えることが求められるというのです。

また労働時間管理が難しい状況になっている企業側にも、「時間管理(自己管理)」がきちんとできる人」を求める傾向が強まっているといいます。ならば、時間管理が評価軸としてクローズアップされるのは当然の話。

そうなると「ベストな時間の使い方」を知りたいところですが、そのための最初のステップは「時間管理の全体像の把握」だそう。それは、極論すれば次のようになるといいます。

「いつはじめ」「いつ終えるか」という2つのことについて、決定し、その通りに進めるようコントロールすること。(116ページより)

ところで仕事は、大きく「自分ひとりでするもの」と「他者と一緒にするもの」に分けられます。しかし時間管理を念頭に置いた場合、はたしてどちらが大切なのでしょうか?

この問いに対しては多くの方が、「他者と一緒にするもののほうが大切」と答えるかもしれません。ところが著者によれば、本当に大切なのは「自分ひとりでするもの」のほうなのだそうです。(115ページより)

先延ばしの悪循環から抜け出す方法

「他者と一緒にする仕事」の代表的なものとしてすぐに思い浮かぶのは、会議、打ち合わせ、商談でしょう。

相手があるものであるだけに、これらについては手帳やスケジューラーにもしっかりと書かれているのではないかと思われます。

ところが「自分ひとりでできる仕事」については、納期(いつ終えるか)しか書いていないかもしれません。つまり、時間管理におけるもうひとつの要素である「いつはじめるか」が書かれていない、もしくは意識できていないのです。

著者によれば、これこそが大きな問題。なぜなら、他者と連携する仕事を優先しているうちに着手が遅れてしまうから。そのため「自分ひとりでする仕事」は、気がつけば納期が直前に迫っていたりするわけです。

だから、自分一人でする仕事を「いつはじめるか」スケジュールに入れ、守らなければ永遠にこのループから抜けられません。(117ページより)

とくに優先順位の高い仕事については、「いつからはじめるか」をしっかりとスケジューリングすることが必要不可欠。

たとえば月間スケジュールであれば、「○月○日からはじめる」、デイリーのスケジュールなら「○時からはじめる」というように、手帳やスケジューラーに“具体的に”明記しておくことが大切だということです。

当たり前なことのように思えるかもしれませんが、現実的に、その「当たり前のこと」をできていない人が少なくないことも事実ではないでしょうか?

だからこそ、どうでもいいように思えるような、そんな“基本”を大切にすべきだということなのでしょう。

それこそが、「自分自身の小さな時間管理改革」なのだと著者は主張しています。(117ページより)

たとえばこのように、本書では新たな時代をしなやかに生き抜くためのメソッドがわかりやすく解説されています。

コロナ後の環境変化に適応していくことは、たしかに大切。しかしもっと重要なのは、変化をさらなるレベルアップのためのチャンスにしていくこと。そういう意味でも、本書を有効に活用していきたいところです。

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Source: 講談社ビーシー

Photo: 印南敦史

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