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印南敦史の「毎日書評」

「ウイスキー」をもっと愉しむための5つの作法

author 印南敦史
「ウイスキー」をもっと愉しむための5つの作法
Photo: 印南敦史

今は世界でもウイスキーブームといわれ、世界中で新たなウイスキー蒸留所が建設、再稼働されています。

「世界5大ウイスキー」と呼ばれるウイスキー生産の中心だった5カ国だけではなく、台湾やフランス、オーストラリアなどの新しい国でも、ウイスキー造りが盛んに行われています。

(中略)

また、技術の進歩や情報革命によって世界中からリアルタイムで情報を得ることができるようになったことで、伝統的な造り方とはまったく異なる革新的な方法を用いたウイスキー造りが行われています。ウイスキー造りの現場でも新しい波が起きているのです。

このように今や社会現象ともなっているウイスキーについて知っておくことは、時代を読み解くことにもつながり、ビジネスの場でも大いに役立つでしょう。(「はじめに」より)。

ビジネスエリートが身につける教養 ウイスキーの愉しみ方』(橋口孝司 著、あさ出版)の著者は、本書の冒頭にこう記しています。

ホテルのバーテンダーをスタートラインに、料飲支配人、新規ホテル開業、運営などを手がけ、26年間ホテルに勤務してきた人物。現在は株式会社ホスピタリティバンク代表取締役として、幅広く活躍されています。

本書ではそうした実績を軸に、ウイスキーに関するあれこれをまとめているわけです。

とはいえ、「ウイスキーに興味はあるけど、なんとなく奥が深そうだし、どう楽しんだらいいのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、きょうはCHAPTER 5「ビジネスエリートのための『ウイスキーの嗜み方』」のなかから、「ウイスキーを愉しむための作法」をご紹介したいと思います。

1. 自分の味の嗜好性を知る

ウイスキーを愉しむにあたり、まず大切なのは自分の「味の嗜好性」を知ること。つまり、甘いタイプのものが好きなのか、スモーキーなものが好きなのか、などの好みを知るということです。

そのため、味の好みをもとにいくつかを試してみて、「おいしい」と感じる1杯に出会うことから始めましょうと著者は提案しています。そこを出発点として、楽しみ方を広げていけばいいのです。

私がバーテンダーだったとき「おまかせで」という注文をされる方が多くいらっしゃいました。

常連のお客様は問題ないのですが、はじめて来店されたお客様の場合は何をお出ししたらよいか迷ってしまいます。

そんなときに、ご自身の好みを伝えてくださる方はとても助かりました。(157ページより)

知識がなくとも、「こういう感じ」とイメージを伝えるだけでもいいのではないでしょうか? そうして出てきたウイスキーにピンときたら、好奇心もさらに高まっていくはず。(157ページより)

2. シーンを見極めて選ぶ

「昼なのか夜なのか」「どんな場所なのか」「どんな相手と愉しむのか」、というようなシチュエーションによっても、適するウイスキーは異なるのだといいます。

たとえ同じウイスキーでも、飲む順序はもちろんのこと、飲む場所の環境、1人で飲むのか複数で飲むのかによっても、味わいは異なるのです。

そのため、「あのときおいしかった」という自分の記憶ばかりに頼ると、失敗してしまうこともあります。(158ページより)

ちなみにウイスキーの商品紹介に、「香味」についての記載がありますが、その香りや味わいをすべての人が感じるわけではないというので注意が必要。

商品に書かれている説明は、“一定の方向性”という程度に捉えておくのがいいそうです。そして、それを踏まえたうえで、「飲んだとき自分がどう感じたのか」を記録しておくと、後日参考になるはず。(158ページより)。

3. 順序を決めて飲む

複数のウイスキーを愉しみたい場合は、香味の薄いものから濃いもの、熟成年数が短いものから長いもの、アルコール度数の低いものから高いものという順序を意識することです。(158〜159ページより)

著者もお客様に、「本日は何杯くらい楽しまれますか?」と質問することがあるといいます。いうまでもなく、その杯数によって出すべきウイスキーをコース仕立てのように考え、順序を考えるため。

体調や状況に合わせてウイスキーを選べるようになると、愉しみ方のバリエーションも増えていくわけです。(158〜159ページより)

4. 味覚と嗅覚をリセットする

ウイスキーを飲む順序によっては、感じなくなってしまう(慣れてしまう)煽りや味があるのだそう。

自分自身が感じた味やおいしさは、その日そのときだけのもの。別の日に別の場所で別の順序で飲んだときには、まったく違う感じ方をするということです。

そこで、さまざまなウイスキーの香りや味を愉しみたい場合は、1杯ごとに味覚と嗅覚をリセットすることが大切。いちばん簡単な方法は、「水を飲む」ことだそうです。

また、「パンを食べる」という方法も、お酒のテイスティングの際にはよく使われるのだそうです。(159ページより)

5. ウイスキーの状態を把握する

ワインのように神経質になる必要はないとはいえ、ウイスキーも状態によっては香りや味わいが異なることがあるといいます。そこで「発売年代」をチェックしたり、「抜栓時期」をメモしておくことも有効。

とくに長期熟成ウイスキーなどは、大切にするあまり、残り少なくなってもそのままにしている場合が少なくないもの。しかし一度封を開けたらボトルのなかに空気が入るため、ウイスキーも変わっていくことになります。

しかも、大抵は悪くなっていくため、なるべく早目に飲むことが大切。保管する場合も、ウイスキーに触れる空気の量はなるべく少なくなるようにすべき。(160ページより)

「ウイスキーのことはあまりよく知らない」という方でも、無理なく読み進めることができるはず。

本書を参考にしながらウイスキーをチョイスし、その味と香りを愉しみつつ、ゆったりとした週末を過ごしてみてはいかがでしょうか?

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Source: あさ出版

Photo: 印南敦史

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