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怒っている人に「落ち着いて」は最悪のアドバイス

author 訳:的野裕子
怒っている人に「落ち着いて」は最悪のアドバイス
Images: GettyImages

腹が立ったり、激昂している人に対して、言ってはいけないのが「落ち着いて」という言葉です。誰かが激怒している状況に対処するためだとしても、最悪なアドバイスと言わざるを得ません。

「落ち着いて」とたしなめられると、ヒステリックになっているとか、過剰反応していると言われたような気分にさせられるのです。

問題を解決するには、当事者は冷静になる必要がありますが、怒っている人に「怒っても問題は解決しない」と伝えるための、もっと建設的な方法があります。

誰かに言われて怒りを鎮めるのは難しい

怒りは、理性的な考えや判断を鈍らせます。これは心理学的に立証されていることですが、怒りの感情によってアドレナリンやコルチゾール、ノルアドレナリンのようなホルモンが大量に放出されている間、それらが脳を圧倒する傾向にあるそうです。

そんなときに「落ち着いて」という言葉をかけると、思いやりのある問題解決のための手段というより、感情的な引き金となりやすいのです。

心理学者のSusan Bernstein氏は自身のブログで、「落ち着いて」という言葉がどれほど胸に火種を抱えている人の感情的な着火剤となりうるかについて書いています。

人は感情が高ぶってくると、冷静ではいられません。感情の引き金となるようなことが起こっている間、脳の中心は感情に支配されています。したがって感情の波が収まるまでは、論理的な会話をするのは実質的に不可能です。

取り乱したり、明らかに混乱している社員や同僚、クライアントに「落ち着いて」と言うのは、感情の火に油を注ぎ、恥ずかしい思いをさせるだけなのです。

まずは怒った理由を理解する

「落ち着いて」「リラックスして」「冷静になって」というような言葉は、相手の感情を認めているように見えますが、同時に否定しています。問題を解決するためには、感情を区別するという難しさも含まれているのです。

落ち着いたコミュニケーションをとるためには、怒りの感情を取り除かなければならない一方で、同時に激怒している理由も無視してはいけません。

「落ち着いて」と言うことで、相手はけしかけられているような気分になることもあるので、まずは「あなたがが怒っている理由はわかっている」と伝えたほうがいいでしょう。

その日の何気ない会話でも、今直面している葛藤でも、パートナーの気持ちを認めることは長生きや幸せに不可欠だと語る、恋愛や人間関係の専門家は少なくありません。

これは、争いの解決にも当てはまります。相手が怒っていることを認めると同時に、その怒りの妥当性も認めることが大事なのです。

「落ち着いて」とか「リラックス」というような、気持ちを逆撫でする言葉を使うのではなく、「怒る気持ちはわかるよ。深呼吸して、一緒にこの問題を解決してみない?」とか「怒りたい気持ちはもっともだけど、お互いに気持ちが落ち着いたら、このことについて話そうよ」など、もっと理解ある言い方をしましょう。

「相手の感情を認める」「平和的に解決したいと思っていると伝える」。基本的にはこの2つを踏まえて話すようにしてください。

「女性は感情的で男性は理性的」だとするステレオタイプは古臭く、間違っている

「感情的になっている女は頭がおかしい」という昔ながらの性差別的な考えに陥っている男性もいます。そんな「上から目線」に、長い間女性は耐えてきました。女性は感情的で男性は理性的だと決めつける、古臭く、典型的なステレオタイプな考えです。

実際には、「ヒステリー」の概念そのものは、18世紀の性差別的な医療行為の文化から生まれたもので、それが今日まで少なくとも何らかのかたちで残っているというのは悲しいことです。

実際に「落ち着いて」という言葉を使わずに、相手を落ち着かせる方法はたくさんあります。皮肉な言い方ですが、落ち着いた議論をしたいのなら、間違いなく「落ち着いて」という言葉は使わないほうがいいでしょう。

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Source: nicabm, DR.SUSAN BERNSTEIN, HUFFPOST, UMKC

Sam Blum - Lifehacker US[原文

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