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食品から宇宙開発まで。応用自在の新素材「PCP」とは?

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食品から宇宙開発まで。応用自在の新素材「PCP」とは?
Image: Mugendai(無限大)

歴史上それまでの常識をひっくり返すイノベーションは何度か起こりましたが、これがその1つになるかもしれません。

IBMのWebメディアMugendai(無限大)に、世界中のベンチャーが実用化を競う新素材が紹介されていました。その秘密は、たくさんの(あな)だそうです。

あらゆる分野での活用が期待できる新素材「PCP」

紹介されていたのは、「多孔性配位高分子(PCP)」と呼ばれる新しい物質。京都大学の北川進教授が1997年に開発したもので、金属イオンと有機分子(配位子)を合成し、さまざまな形にできるそう。

その特徴は「とにかくたくさん孔がある」ことで、1立方ミリメートルに100京個と途方もない数となっています。

食品や医薬品、半導体、電池、それに宇宙開発に至るまで、PCPの活用によってあらゆる分野でのイノベーションが期待できるそうなのですが、インタビューに登場していた株式会社Atomisが手掛けているのがガス事業

PCPが持つ膨大な孔にはガスの貯蔵が可能で、種類や用途に応じてサイズも自由自在。家庭などでおなじみの大きな高圧ガスボンベも、1辺わずか29cm、重さ10kgのキューブ型容器になってしまうほどです。

食品から宇宙開発まで。応用自在の新素材「PCP」とは?
Image: Mugendai(無限大)

CubiTanと名付けられたこの製品は、ガスを運ぶだけでは終わりません。

GPS、センサー、SIMを内蔵し、IoT化に成功。残りのガス量などをモニターし、配送の効率化や安全性の向上などを実現しました。

エネルギーは持ち運ぶ時代。「分散独立型グリッド」の概念とは

再生可能エネルギーとして、近年注目される太陽光や風力発電。しかし、主に地方で生産・消費されるため、余剰エネルギーをいかに都市部にシェアするかが課題になっています。

浅利さんいわく、「エネルギーの運搬」を可能にしたCubiTanによってその問題が解決できるそうで、具体的に以下のように語っています。

余剰エネルギーをメタンガスや水素ガスにしてCubiTanに詰め、宅配便のトラックで普通の荷物のように運んだら面白いと思います。

メタンガスや水素を家庭にあるエネファームのような装置につなげば、電気を起こせるし、ガス燃料にもなります。

(中略)

政府は「2040年には家庭に水素を持って行きたい」という方針ですので、私たちは2030年ごろにはCubiTanを水素市場に投入して改良を重ねたいと思っています。

コンビニでCubiTanに詰めた水素を買う時代が来るかもしれません。

これまで、電気は発電所で一括発電し、送電線で各地へ送る中央集権型が常識でした。

PCP、そしてCubiTanの活用により、こうした固定施設に頼らずともエネルギー・シェアが可能になり、どんな場所にいてもエネルギーの恩恵を受けられる「分散独立型グリッド」が実現するといいます。

食品から宇宙開発まで。応用自在の新素材「PCP」とは?
Image: Mugendai(無限大)

「100年間イノベーションが起きてない業界に新風を」と抱負を語る、浅利さん。

砂漠で水蒸気を回収する装置や、環境中からリチウムイオンを取り出すなど、ワクワクするようなPCPの未来は、Mugendai(無限大)から続きをお楽しみください。


Image: Mugendai(無限大)

Source: Mugendai(無限大)

渡邊徹則

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