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組織変革を実現させるために必要なのは「適切な焦点・環境・チーム」

組織変革を実現させるために必要なのは「適切な焦点・環境・チーム」
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組織改革を進めようとするとその7割が失敗に終わるという事実は、渋々ながら受け入れられるようになりました。戦略的計画、買収、テクノロジーの実装、その他のイニシアチブのいずれであっても、ガッカリするほど残念な結果に終わることが多いのです。

大々的に発表し、さまざまな活動をしたにも関わらず、ほとんどの企業が変革の実行に苦労しているのが現状でしょう。戦略・実行支援コンサルタントのMichael Canic氏によると、一貫して実行支援するためにリーダーがしなければならないことは以下の3点なのだそうです。

●正しい焦点(取り組むべきこと)を発展させること

●適切な環境をつくること

●適切なチームを構築すること

それぞれについて見ていきましょう。

正しい焦点を発展させる

正しい焦点と、そうでない焦点の違いとは何でしょう。Canic氏が著書『Ruthless Consistency:How Committed Leaders Execute Strategy、Implement Change、and Build Organizations That Win』で述べているように、正しい焦点は維持されなければなりません。

今日はあったのに翌日にはなくなってしまっているのなら、しっかり焦点を確立できたとは言えません。Canicさんは、一貫した焦点をつくるために次の3つを実践することを推奨しています。

1.戦略的マネジメント(戦略的計画ではなく)

先日、Canic氏がLove in Actionポッドキャストで話したように、多くの組織は戦略をプロセスではなく「イベント」として扱っています。戦略的計画を作成したら、日々要求されることに焦点が戻ってしまうのです。

Canic氏は、リーダーが「戦略的マネジメント」に取り組むことをすすめています。それは継続的なプロセスであり、計画は日程と関連づけたマイルストーンと行動に変換され、行動は明確な責務と説明責任によって追跡、測定、管理されなければなりません。

2.失敗したときの苦痛を考える

成功について具体的なビジョンを持つだけでなく、ビジョンが実現できなかったときの痛み(損失)を明文化することも同様に重要なことです。

市場シェアを失うのか、廃業の危機に陥るのか、それとも単に大きなチャンスを逃したのか? 成功と失敗の結果を対比することで、より力強く永続的な焦点を生み出すことができます。

3.行動を減らす

野心的なリーダーは過度に多くのイニシアチブを取る傾向があります。すると、リソースが希薄になり、社員は仕事を抱えすぎて手が回らなくなってしまいます。そして、すべてが優先されるのではなく、何も優先されなくなるのです。

まずは仕事量を減らしましょう。そしていくつかの重要なイニシアチブに焦点を絞り、確実に実行するためにリソースをそこに集中させるのです。

適切な環境をつくる

「適切な環境下では、組織のすべてのタッチポイントは一貫してあなたの焦点と一致します。それはエンゲージメントとパフォーマンス、この両方を伸ばすことにつながります」とCanic氏。リーダーが適切な環境をつくるためにできることは、以下の5点です。

1.点をつなぐ

部下のエンゲージメントのためには、部下に目的意識を植え付ける必要があります。しかし、目的だけでは十分ではありません。

その目的を「会社の目標」と「個人の期待」に変換することも重要です。それによって、目的が現実的で、実行可能なものとなります。

2.成功のためのツールを与える

必要なリソースがないと人は不満を感じ、必要なスキルがなければ無力だと感じます。十分な権限が与えられないと、自分は信頼されていないと感じるのです。

リーダーは、全員の成功のためにそれぞれに必要なものを与えなければなりません。少なくとも、十分な知識、スキルやリソース、そして権限を提供すべきということです。

3.マネジメントだけでなくコーチングをする

コーチとは「各チームメンバーが最高のパフォーマンスを発揮するために自分は何をすべきなのか?」を問う人です。

コーチはパフォーマンスに関するフィードバックとガイドを定期的に提供します。正しい行動と結果を促し、結果が期待以下だったときにはチームメンバーに建設的な責任を負わせます。

4.実行できる組織を設計する

良い仕事をしたいと思っているとき、面倒なプロセスや制約の多いポリシー、または不十分な設備などがその妨げとなっていることほど、邪魔なものはありません。一貫して実行する組織というのは、実行できるように設計された組織のことなのです。

5. 心でつながれば進歩は後からついてくる

リーダーがチームメンバーを尊重し、信頼し、ひとりひとりを個人として気にかけていることを示せば、メンバーの自由意志による尽力が得られます。メンバーが期待以上にイニシアチブに取り組むことで組織の実行能力が高まります。

適切なチームを構築する

適切なチームを構築しない限り、焦点と環境が適切であっても意味はありません。 Canic氏は、組織が適切なチームを構築することを妨げる、見落としがちな重要な要素が1つだけあると言います。

経験を見れば、求人への応募者が何をしたかがわかります。スキルを見れば、何ができるかがわかります。でも、特性は、応募者がどんな行動をとる可能性が最も高いかを教えてくれるのです。

つまり、リーダーは、競争力や誠実さ、好奇心などといった応募者の「特性」を、経験やスキルと同様に厳密に評価する必要があるということなのです。

このように、組織変革を実行するのに必要なのは、適切な焦点、適切な環境、そして適切なチームです。そしてそれらを推し進めるのは、実現するための適切なコミットメントを持っているリーダーなのです。

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Source: Making Strategy Happen, Amazon, Leadership From the Core

Originally published by Inc. [原文

Copyright © 2020 Mansueto Ventures LLC.

訳:ぬえよしこ

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