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自分のストレス負荷を知り、うまく付き合っていくには?

自分のストレス負荷を知り、うまく付き合っていくには?
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自分にどれくらいのストレスがかかっているか、あなたは把握していますか?

「多くの人は把握していません」と指摘するのは、プロフェッショナルコーチの資格をもつ心理学博士のMichele D'Amico氏です。

ほとんどの人は第一段階までしか認識していない

D'Amico氏によれば、ストレスには3つの段階がありますが、ほとんどの人は、自分自身についても、自分の下で働く従業員についても、第1の段階しか認識していないそうです。

ストレスの警告反応期は、誰もが知っています。

これは闘争・逃走の段階であり、(ストレスホルモンと言われる)コルチゾールとエピネフリン(アドレナリンとも呼ばれる)が分泌され始めます。

この警告反応期は通常、長くは続かないとD'Amico氏は説明しています。

しかしその後、ストレスにさらされている人の多くが、次の段階である抵抗期に移行します。

抵抗期には多くの場合、フラストレーションと怒りっぽさという特徴が見られます。

警告段階では意識がきわめて集中していたのに対し、集中力が低くなります。

抵抗期にはさらに、頭痛や消化機能の問題を経験することもあるとD'Amico氏は述べています。

この段階こそ、ストレスに対抗するための行動を起こし、何かをしなければなりません。

行動を起こさないまま、コルチゾールがあまり分泌されないこの段階が長くなりすぎると、疲弊してしまいます。

ストレスの最終段階

疲弊期は、ストレスの第3の段階です。

この段階になると、エネルギーが枯渇したように感じられるとD'Amico氏は説明しています。

「疲弊期に入ると、本格的にまずい状態になります」

疲弊期には、高血圧、糖尿病、脳卒中、心臓疾患などの、ストレスに関連する病気を患うようになるとD'Amico氏は話しています。

ですから、この段階は絶対に避けなければいけません。

ストレスの状態を計測する

けれども、抵抗期と疲弊期が見逃されがちだとすれば、いったいどうやって、自分が受けているストレスの程度を把握すればいいのでしょうか?

さいわい、この疑問に答える単純な方法があります。それが「知覚されたストレス尺度(Perceived Stress Scale:PSS)」と呼ばれるものです。

カーネギーメロン大学の心理学教授シェルドン・コーエン(Sheldon Cohen)氏が開発したPSSは、禁煙の難しさ、糖尿病患者における血糖値コントロールの難しさ、ストレスの大きなライフイベントがうつ症状を引き起こす可能性、さらには風邪のひきやすさなどを予測できることが、多くの研究で示されています。

PSSは、わずか10項目の質問で構成されているので、すべてに回答して判定が出るまでに数分しかかりません。

こちらから、オンラインでセルフチェックすることもできますし、こちらにはPDF版もあります。

日本語版はこちらの4ページ目にあります(質問は14項目)。

D'Amico氏はこのPSSを、自分のストレスの程度がよくわかっていないと思われるクライアントにすすめています。

また、自分がいまストレスのどの段階にいるのかを知りたいのなら、このテストを受けてみることをぜひともおすすめします。

PSSは知覚されたストレスのテスト

ここでは、このテストの全体的な雰囲気を知ってもらうために、PSSから引用したいくつかの質問を例として紹介します。

・この1カ月間、思いがけないことが起きて気が動転したことがどのくらいありましたか。

・この1カ月間、しなければならないことの全部はうまく取り組めていないということがどのくらいありましたか。

・この1カ月間、自分の個人的な問題を扱う能力に自信を感じたことがどのくらいありましたか。

重要なポイントは、PSSが「知覚された」ストレスのテストである点です。

つまり、実際に起きていることではなく、あなたが自分の人生で起きていることをどう感じているかを測定しているのです。これは、意図的にそうなっています。

というのも、ストレスの領域では、知覚と現実が等しく重要となるからです。

あなたが何かからストレスを受けていると考えているのなら、あなたは実際にその何かからストレスを受けているのです。

PSSを受けた結果、中程度のストレス、さらには深刻なストレスを受けていると判定された場合には、どうすればいいのでしょうか?

1. 瞑想、ヨガ、運動をしてみる

この3つは、ストレスに対抗するために広く用いられている方法で、3つとも効果があるとD'Amico氏は話しています。

それどころか、必要になる前から実践する習慣を身につけておくことをD'Amico氏はすすめています。

「ストレスの3つの段階に実際に陥る前に、そうしたストレスに対処する効果的なスキルを身につけておくといいでしょう」とD'Amico氏は話しています。

2. ボックス呼吸法を実践する

「ボックス呼吸法」は、元海軍特殊部隊員のマーク・ディヴァイン(Mark Divine)氏が開発した、驚くほど簡単な呼吸テクニックです。

4カウントで息を吸い、4カウントのあいだ息を止め、4カウントで息を吐ききり、肺をからっぽにした状態で4カウントのあいだ息を止めます(こちらに、ボックス呼吸法の詳しい説明があります)。

ボックス呼吸法は特に効果が高いと、D'Amico氏は話しています。闘争・逃走反応が起きる警告反応期を含め、ストレスのすべての段階で役に立つからです。

これを実践するときには、4分か5分のあいだ続けるのが理想ですが、「3回しかできなくても、血圧が下がることが実証されています」とD'Amico氏は述べています。

わたしのクライアントには、ミーティングに向かう前や、子どもたちが起き出す前の朝のお茶の時間に実践するようにすすめています。

3. ストレスから離れる

「簡単なことです」とD'Amicoは言います。

ストレスから離れることを自分に許して、それを気に病まないようにしましょう。外へ出て散歩に行くだけでもいいかもしれません。

いずれにしても、これまで紹介したような、

進行中のストレスに対処するスキルを身につけておけば、ストレスのどの段階でも役に立つはずです。

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Source: Vetta,

Originally published by Inc. [原文

Copyright [2020] Mansueto Ventures LLC.

訳:梅田智世/ガリレオ

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