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印南敦史の「毎日書評」

より相手に伝わる「文章リテラシー」を上げるコツ

author 印南敦史
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より相手に伝わる「文章リテラシー」を上げるコツ
Photo: 印南敦史

新型コロナの影響で、ワークスタイルは大きく変わりました。改めていうまでもなく、最大の変化はリモートワーク(テレワーク)の浸透です。

通勤の必要がなくなったことは働き方を根本的に変え、少なからずメリットをもたらすことにもなったと考えることもできるわけです。

しかし、その一方で顕著になっているのは、面と向かって話す機会が減ったこと。

その結果、「コミュニケーションレス」になりやすく、信頼関係を構築しづらくなり、「チームメンバーの状況がわからない」などの課題が生まれているのです。

テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』(池田朋弘 著、マイナビ出版)の著者も、コミュニケーションの機会が失われる「レス時代」の弊害を指摘しています。

レス時代においては、チームメンバー同士の信頼関係がなにより重要です。

信頼関係があればこそ、実際に会わずとも、お互いに安心感をもって仕事に取り組めます。

そして信頼関係をつくる礎はコミュニケーションです。

オフィスレス・通勤レスであっても、実際に会わずとも、お互いに安心感をもって仕事に取り組めます。(「はじめに」より)

そこで本書では、「テレワークでどのように良質なコミュニケーションをとれる環境をつくるか」に焦点を当て、そのための策を提案しているのです。

きょうは、5「業務をスムーズに進めるための11のコツ」のなかから、「文章リテラシーを上げる」をピックアップしてみたいと思います。

テレワークにやりにくさを感じる大きな理由のひとつが、文章コミュニケーション力不足によるものだというのです。

文章リテラシーは、円滑にコミュニケーションを行う能力

文章リテラシーとは、チャットやメールなどで文章を用い、円滑にコミュニケーションを行うための能力。

リテラシー(literacy)はもともと「読み書きの能力」という意味であり、ITリテラシーなど「○○リテラシー」ということばにすることで、「○○をする能力」という意味で使われます。

そして著者によれば、テレワークにおいて重要な文章リテラシーは以下のとおり。

●自分の伝えたいことを文章で伝えられる

●伝えたいことをできるだけ短い文章にできる

●相手の文章の意味を齟齬なく理解できる

●相手の文章の不足点を的確に質問できる

●文章で伝えるべきものと、文章以外で伝えるべきものを判別でき、画像・映像・オンライン会議など、最適な表現手段を選択できる (110ページより)

コミュニケーションの多くが口頭から文章に

続いて紹介されているのは、テレワークで文章リテラシーが重要になる理由です。

●メインのコミュニケーション方法が口頭から文字になる

●非同期コミュニケーションが増える

●多人数への情報伝達には後頭より文章が効率的

テレワークにおいて文章リテラシーが低いということは、コミュニケーション力が低いということ。

とくにチャットでは短時間で文章のキャッチボールを行う必要があるため、高い文章力が必要となるわけです。

非同期コミュニケーションとは、電話やオンライン会議などとは違って、情報の発信タイミングと受信タイミングが異なるコミュニケーションのこと。

その主たる手段は、当然ながら文書です。文章であれば相手の都合に関係なくいつでも情報を発信できますし、受信側も自分の都合に合わせて確認することが可能。

そして文章力を上げることは、自分やチームメンバーが集中できる環境をつくることにもつながるのです。

またチームでは、規模が大きくなるほどコミュニケーション量が増えます。

必然的に手間がかかることになりますが、文章であれば、全員に一括送信したり、コピー&ペーストで一部をカスタマイズしたりして簡単に共有することができるのです。(110ページより)

パターンを習得し、文章化に慣れる

著者はここで、チームおよび個々人として文章リテラシーを上げていくためのポイントを挙げています。

●すべての情報を文字化する

●文章化前に、伝えるべき内容を整理する

●長文でなく、箇条書きを活用する

●わかりやすい文章を真似る

●記号を使い、文章構造を明確にする

●文字構造のパターンを知る

●テンションを高めにする

●意図も併記する

文章リテラシーを上げるには、とにかく練習あるのみ。

ちなみに文章がうまく書けない理由のひとつとして、著者は「伝えたい内容が整理されていない」ことを指摘しています。

つまり文章がうまく書けない場合は、「そもそもなにを伝えたいのか」を考えてみることが重要だということ。

伝えるべき内容を整理する2つの方法

また伝えるべき内容を整理する方法として、ここでは2つの方法が紹介されています。

まずひとつは、独り言として喋ってみること。

ことばに出すと、伝えたい内容が自然と整理されるわけです。

そしてもうひとつは、紙に書くこと。

きれいな文章ではなく、キーワードや図など、雑なものでOK。伝えたいことを単語や絵で紙に書くことでも、考えがまとまっていくということです。(112ページより)

著者は、2社の会社経営を行っていた実績の持ち主。

本書は、2016年から5年間にわたり、ほぼ全員がテレワークでの会社経営・チームマネジメントを実践するなかで得られた知見・経験をまとめたものだそうです。

つまりその内容は実経験に根ざしたものであり、すぐに活用できる実践的なものであるわけです。

そのため、テレワークにおけるチームコミュニケーションで頭を悩ませている方にとっては、大きく役立つ一冊となることでしょう。

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Source: マイナビ出版

Photo: 印南敦史

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