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ジェフ・ベゾスが最も価値を置く「何もしない時間」。その驚きの効果

author 訳:春野ユリ
ジェフ・ベゾスが最も価値を置く「何もしない時間」。その驚きの効果
Image: successo images/Shutterstock.com

世界最大のオンライン販売会社AmazonのCEOを務めるJeff Bezos氏なら(地球上で一番のお金持であることはこの際、横に置くことにして)、さぞたくさんのことをこなしているはずだと容易に想像できます。

実際にそうだと思います。会議や電話や公開イベントなど、山ほどやることがあり忙殺されているはずです。

ところが、Bezos氏が言うには、毎日の最も価値の高い時間は、何もしないで過ごす時間だそうです。少なくとも、何も予定が入っていない時間です。

何もしない時間が生産性を高める?

Bezos氏は、『Invent&Wander:The Collected Writings of Jeff Bezos』という最近の著書に、次のように書いています。

私は、朝はゆったりと過ごしたいと思っています。早寝早起きをして、コーヒーを飲みながら新聞を読み、学校に行く前の子どもたちと朝食をとりたいのです。

ですから、私にとってのんびり過ごす時間はとても大切です。そのため、午前10時より前に会議は入れないようにしています。

彼のこの発言について少し考えてみましょう。

世界最大の企業の1つであるAmazonのCEOは、「のんびり過ごす時間」、要するに、「何もしない時間」を大切にしたいという理由で、午前10時まで会議はしません。

少しでも多くのことを達成することを目指して生産性を高めるコツが出回っているこの世界で、これは実にパワフルな教訓です。生産性を高めるための最善の方法は、時には何もしないで過ごす時間を作ることかもしれません

さらに、これは感情的知性(EI)を高める素晴らしい例だと思います。

Bezos氏は、生活の中に予定を入れていない時間を設けることの価値を認めており、それが生活の他のすべての領域にどのように影響するか理解しています。その結果、彼はそうした時間を日々のルーティンに組み込んでいます。

私がBezos氏のこの考え方は素晴らしいと思う理由は3つあります。

1. 仕事と私生活の境界線ができる

多くの人が在宅勤務をしている今、仕事の時間とそれ以外の時間をはっきりした境界線で分けるのは難しいかもしれません。すべてが物理的に同じ空間で行なわれるとなると、特に難しくなります。

何もしないで過ごす時間を意識的に維持するようにして、午前10時までに会議をスケジュールに入れないようにすることで、Bezos氏は子どもたちと朝食を取るといった大事なことをする時間的余裕ができます。

さらに重要なことは、それをルーティンに組み込むことで、その時間を守り、情報とコミュニケーションの洪水に巻き込まれないようにしていることです。

2. 生活に余白が増える

生活の余白とは、自分のフルキャパシティから果たさなければならない仕事の分を引いて残ったところです。

問題は、たいていの人が生活の中でほとんど余白のない生活をしていることです。それどころか、手放すことができて、多分手放した方が良いことに自分のキャパシティをすべて使っていることが多いのです。

生活に余白を増やす唯一の方法は、今していることを減らすことです。

秘訣は、必ず優先度の高いことをすること。価値の低いことはやめて、その分だけ本当に重要なことに集中することです。

予定を入れない時間を作ることを優先すると、心身に休憩を与えることにもなります。そうしないとさまざまなことに常に注意を払い、考えたり処理し続けることになります。

3. より良い意思決定ができるようになる

最後は一番重要なことです。

人間の脳は、さまざまなデータ情報をかけあわせる能力が並外れて高いのですが、すべての時間を会議や会話に費やすと、脳がそうしたかけあわせをする時間が持てません。

その結果、せっかくの情報を脳内で他のあらゆる経験やデータとかけあわせることで得られる利点を得られずに、意思決定をしなければならなくなります。

Bezos氏は次のように語っています。

私は、日に3つ正しい決定ができたら、それで十分だと思います。

ただし、自分にできる最高のクオリティの決定でなければなりません

朝の散歩中であっても、考える時間があれば助けになります。

おまけ:十分な睡眠は生産性を向上させる

Bezos氏は、睡眠について次のような考えも共有しています。

時差のある場所を旅しているとき以外、私は睡眠を優先します。

8時間睡眠がとれないこともありますが、私は睡眠に意識をとても集中していて、8時間は必要です。

8時間眠ると、頭が良く回るようになり、エネルギー量が増え、気分も良くなります。

生産性を高めるには、仕事に使う時間が長ければ長いほど良いという間違った考え方も存在します。

しかし、多くの人にとって、それは仕事の時間を増やし、その分睡眠を犠牲にすることを意味します。

Bezos氏が自著の中で強調している通り、することが増えると、特に心身が消耗しているときは、何をやってもうまくできません。

ですから、身体が睡眠を必要としていることに気づきましょう。

睡眠不足は名誉の勲章ではありません。むしろ、生産性を低下させる可能性がある上に、不機嫌と疲労の原因になります。

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Image: successo images/Shutterstock.com

Source: Amazon.co.jp

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