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印南敦史の「毎日書評」

3分メモでアイデアを生み出す「ロジカルメモ」実践術

author 印南敦史
3分メモでアイデアを生み出す「ロジカルメモ」実践術
Photo: 印南敦史

ビジネスを進めるうえで、「考えること」が必要となる場面は少なくないもの。

しかし「考える時間がない」という現実があるのも事実であり、それ以前に「考えることが苦手」だという人もいるはずです。

そこで、「考える」ことに関する悩みへの、ひとつの解決法を記しているのが『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』(村本篤信 著、アスコム)。

その活用法とは、多くの人が日常的に書いているであろう「メモ」を効果的に活用すること。

意外なくらいシンプルですが、そこには「どれほど忙しくても、やるべきことがパッと整理され、スパッと実行に移せる」というメリットがあるのだとか。そんなメモ術を、著者は「ロジカルメモ」と呼んでいます。

これまで多くの人に会い、話を聞いてきたという著者が、年齢や性別、国籍に関係なく「この人はできる」「この人は頼りになる」と感じたのは、「思考や決断のスピードが速い人」だったそう。

また、普段からよく物事を考えている人は、成長のスピードも違うといいます。情報収集や取捨選択、意思決定、計画立案、実行を無駄なく素早く的確にできるため、どんどん先へ進んでしまうというのです。

では、そんな「考える力」はどうしたら手に入れられるのでしょうか? そのことに関して著者は、以下のことに気づいたそうです。

●メモには、無限の可能性がある。

●できる人は、メモをうまく活用している。

(「まえがき」より)

そこで本書では、メモを活用することで思いつきをアイデアに昇華させるための方法などを紹介しているわけです。

第2章「メモでアイデアをつくる 知的生産 意思決定 問題解決力」のなかから、2つのトピックスをピックアップしてみることにしましょう。

ロジカルメモを「第二の脳」として活用しよう

著者によれば、アイデアは「自分ごと」から生まれるもの。どれだけの物事を自分ごとにできるかで、アイデアの質や量が変わってくるというのです。

ところで多くの人は、アイデアが豊富な人を見ると「どうせ自分には無理だ」と思いがちなのではないでしょうか。しかし、そういう人はアイデアを生むコツを手に入れたにすぎないのだそうです。

そしてロジカルメモによって他人ごとを自分ごとにすれば、それは自分が進むべき道を照らし出してくれる“思考のコンパス”を手に入れられるのだといいます。したがって、無理なくアイデアマンになれるわけです。

他人ごとをどんどん自分ごとにし、手が止まらないくらいの勢いで、メモを書き続けましょう。

自分が理解でき、納得でき、楽しくなるまで、メモを書き続けるのです。

それを繰り返していくうちに、メモ帳はあなたの「第二の脳」となって、働いてくれるようになります。(77ページより)

このメモ術のメリットは、「自分が忘れてしまっても、メモが考えるべきことを覚えてくれていること」にあると著者はいいます。

第二の脳であるメモが、しっかり仕事を整理し、覚えていてくれるので、友人と遊んだり、息抜きで旅行に行ったとしてもまったく問題はないということ。

たしかに、「考えるべきことをすべて自分で覚えていなければならない」と思ってしまったとしたら、「大切なことを忘れてしまうかもしれない」というプレッシャーが生じることになります。

しかしそれではプライベートを楽しむこともできなくなるため、いいアイデアも浮かびにくくなるということです。

またロジカルメモは、仕事のTo Doや「考えるべきこと」だけでなく、アイデアの源泉である「伝えたい思い」を形にし、残してくれる便利なツールでもあるそうです。

自分がなにを世の中に伝えていきたいのか、なにを知ってほしいのかを整理し、アイデアという形にすることができるわけです。(76ページより)

「3分メモ」を繰り返してアイデアをつくる

アイデアをつくるにあたっての最大の敵は、「あとでゆっくり考えよう」という感情。

しかし、そう主張する著者自身も以前は、アイデアを出さなければいけないとき、なんらかの答えを出さなければならないときなどに、よく「あとでゆっくり考える」ということばを使っていたのだといいます。

「ちゃんと考える余裕も時間もない状態で考えても、いいアイデアが出るはずがない。だから、一段落ついたところでゆっくり考えよう」と考えていたわけです。

ところが時間の経過とともに、「あとでゆっくり考えよう」と思っても、本当にちゃんと考えられたこと、いいアイデアが出たことはほとんどないと気づいたのだそう。

「あとでゆっくり考える」とは、いいかえれば「いまは考えない」ということ。

しかし、「考えるにはたくさんの時間が必要だから、後回しにしよう」と考えると、次に行き着くのは「直近でいちばん長く時間がとれそうなところで“アイデアを考える時間”を確保しよう」という発想。

しかし結局は日々の仕事や用事をこなすことに時間の大半を使ってしまうため、その時間をとれなくなるという“負のループ”にハマってしまうわけです。

そこで編み出したのが、3分メモです。

たとえばトイレに入っているときの3分、喫茶店でお茶が出てくるまでの3分、電車が来るまでの3分、仕事でちょっと手が空いたときの3分など、「今、この3分の間に考える」を何度も繰り返すほうが、「後で考える」よりもアイデアの種が生まれやすいということを学んだのです。(100ページより)

「あとで考える」という考えに逃げていると、 “考える種”や“アイデアの種”はいつまでたっても生まれないもの。

そのため、日常のなかからアイデアを生み出すことができなくなってしまうわけです。そこで、「3分だけ」で考えてメモに書きとめ、アイデアの種を増やしていこうという考え方。

だからこそ、アイデアを出すことに難しさや大変さ、苦痛を感じている人は、ぜひ3分メモを繰り返してほしいと著者は記しています。

それは「効率的に結果を出すために、3分間だけがんばろう」という発想。習慣化できれば、3分メモは日常のなかの多くのことをアイデアに変えてくれるというわけです。(98ページより)

メモの可能性に気づき、メモの力を十分に活かせば、「なにから考えればいいかわからない」という悩みや、「考えることがたまっていく」というプレッシャーからも解放されるといいます。

考える時間や無駄な作業が減るため、仕事を片づけるスピードが飛躍的にアップするということ。ビジネスをよりスムースに進めたいのであれば、参考にしてみる価値があるかもしれません。

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Photo: 印南敦史

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