「Jビューティー」を牽引するカラーコスメの第一人者トキワの、新たな2つの試み
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「Explore! The New Well-being(これからのウェルビーイング)」をテーマに開催されたMASHING UP カンファレンスvol.4。
さまざまなセッションが繰り広げられるなかで、2日目の2020年11月27日(金)には、他のカンファレンスとは少し趣きの異なる「国内OEM発の『ビューティー・アクセラレーターアワード』開催 by Glossy Japan」と題したアワードセレモニーが開催され、話題をさらった。
国内シェアNo.1の経験と実績で「縁の下の力持ち」に

ライフスタイルやワークスタイルが多様化を見せるなか、さまざまな価値観のもとで新しい製品やサービスが次々と生まれているのは美容業界も同じ。
しかし、カテゴリーの多さとシーズンごとに変わるトレンドに応じたカラーバリエーションに対応しなければいけないなどの理由から、新規参入が難しい市場だとされているのがカラーコスメの分野。
そこへ一石を投じたのが「株式会社トキワ」。カラーコスメ分野で他社ブランドの製品を企画・販売し、受託製造(OEM/ODM)では国内シェアNo.1を誇る企業だ。
トキワが打ち出した「TOKIWA Lab ビューティーアクセラレータープログラム」なる試みは、「人にやさしく、地球にもやさしい化粧品づくり」につながる斬新なアイデアや新しい技術を公募し、選抜された企業やチームには、製品やサービスの開発・製造をバックアップするというもの。
薬事法(薬機法)のサポートや研究開発のアドバイス、諸条件をクリアすれば最大1万個の初回生産が無償になるといった厚いサポートが用意されている。
2020年5月にプログラムが決定し、6月にエントリー受付という駆け足の実施だったにもかかわらず46組が応募。
高い志はあれど資金や実績のないスタートアップをはじめとする企業やチームのなかから上位3位に残った3組のピッチと最終選考がおこなわれ、この日アワードセレモニーが開催されるという運びとなった。
トキワを伴走者に、受賞した3組が描く「美容業界の明日」

アメリカで展開するウェブメディア「Glossy」初の海外版「Glossy Japan」編集長・山岸祐加子のあいさつのあと、「TOKIWA Lab ビューティーアクセラレータープログラム」の紹介、そして選ばれた3組によるピッチがおこなわれた。
足りない技術を補ってくれる協業先を探していた

1組目は、光学・電気技術を用いた医療機器及び検査測定機器等の製造及び販売をおこなう「シンクランド株式会社」。
2014年に設立したベンチャー企業で、痛みを伴わずに目もとや頭皮にアクセスできる世界初「ホロー製マイクロニードル」とその容器までは開発できたものの、化粧品として商品化・販路確保を担うグローバルな協業先を探していた。
そんなとき、出会ったのがこのプログラムだったという。
「このプログラムへの参加を通じ、我々も明確な指針を見出すことができました。トキワ様に伴走していただけるということは、弊社の成長という点で非常に大きなポイントになるであろうことは間違いありません。次のチャレンジャーの方々には、我々からのエールとして、このプログラムの素晴らしさをお伝えしたいと思います」(シンクランド・宮地さん)
地球が抱えている課題をも好転させる製品を

次に登壇したのは「株式会社インフォバーン」のクリエイティブチーム「THE STUDIO.」。
企業やブランド、自治体に向けて、人や社会をよくするための活動支援やブランディングをおこなっている。
コロナ禍で議論を繰り返し、醸成したのは「化粧品という手段を用いて生き方や考え方を肯定し、さらに地球環境が抱えている課題をも好転できるビジョナリーブランドを形にしたい」という思い。
「7(nana)」という日本発のクリーンビューティーブランドを掲げてプログラムに応募した。
「ブランド名には、個性あふれる7色の世界の創出と、ひと、社会、地球が抱える7つの課題解決への思いを込めました。カラーや質感も自由にアソートで選べる設計で、ジェンダーを問わずにみんなが気持ち良く使えて、エコリフィルなどを採用した地球にもやさしいコスメ……。
アイデアはあふれるのに、製品をつくるノウハウを持たない私たちにとって、トキワ様とのディスカッションは気づきと学びの多いものでした。弊社が持つメディアなどのアセットも活用し、育てていけたらと思っています」(THE STUDIO.・中村さん)
私には手が届かない夢とあきらめてはいけない

最後に紹介されたのは、東京理科大学薬学部の現役大学生が代表を務める「UBLOME(ユーブローム)」。
人それぞれで異なる皮膚常在菌叢を検査して、パーソナライズドスキンケアを提供したいという志を掲げ、事業化に向けて、同大学内組織である起業推進センター・URAと連携して研究を続けている。
肌にどんな常在菌がいるかを検査するだけではなく、その人にあった化粧品を提供できなければ意味がない。
しかし大学では化粧品の開発は難しいと行き詰まっていたときに知ったのが、このプログラムの存在だ。
「審査を通じて議論をするなかで、製品やサービス発展のアイデアをいただきました。また、データをプログラム化して研究や医療へ貢献するといった大学ならではの役割についても再認識できる機会となりました。
このプログラムへは、若い方や学生さんにぜひ応募してほしい。『コスメを作ってみたいけど、私には手が届かない』とあきらめてはいけないことを、身をもって経験しました」(UBLOME・柴田さん)
そして、審査員のなかから3名が講評とともに、授賞者三者とそしてこのプログラムを実施したトキワへ、エールと称賛を贈った。

「メーカーとして感じるのは、お客様が求めるものを作っていくには自社だけでは限界があり、オープンイノベーションは不可欠であるということ。
応募された皆さまの素晴らしいアイデアにふれ、審査員をさせていただけて本当によかったと感じています」(野上さん)

「私自身、起業するときにこのようなプログラムがあったらよかったなぁとうらやましく思いました。
長きにわたって物を作り続け、国内シェアNo.1というトキワさんだからこそ成し得たプログラムだと思います。応募された方の熱量が素晴らしく、刺激をもらいました」(渡部さん)

「スタートアップである私は、審査員より、むしろこのプログラムに応募したかったです(笑)。
応募しては落選して……を繰り返してきた私にとって、初めて見る審査の裏側は興味深く、実現性や技術までアドバイスするトキワさんの情熱には大変感動しました」(酒井さん)
サスティナブルなビューティービジネスへの試み「COSMAKE」

そして、トキワからもうひとつ、画期的な試みが発表された。それはライブラリーシステム「COSMAKE(コスメイク)」。
新規事業者・スタートアップ向けのカラーコスメ受託製造の新たなビジネスソリューションで、7つのステップを経るだけで自分のコスメブランドができあがるというもの。
2020年12月22日(火)からベータ版がローンチされる。
新規参入が難しいとされるカラーコスメの分野。
製品化や薬機法といった法規などの課題に、資金と時間、エネルギーを割いてしまい、ビジネスを軌道にのせる前に息切れしてしまうケースは少なくない。
そこでトキワが製品化をサポートし、資金と時間、エネルギーをビジネスのブースターとなるマーケティングや販売施策に費やしてほしいというのが、このCOSMAKEの意図するところ。
「私どもは50年以上、国内外の名だたるブランドに製品を供給してきました。そのノウハウを生かして、実際の製品化までをバックアップします。
通常、一からコスメを開発しようとすると、半年〜1年という時間がかかり、小ロットに対応してくれる業者も少なく、そもそもどこに依頼をしていいかわからない。
そこで息切れしないように、ビジネスを応援したい。そしてCOSMAKEも一緒に成長していけたらと願っています」(トキワ・尾中さん)

「TOKIWA Lab ビューティーアクセラレータープログラム」は2021年も実施が決定。そしてこの12月から始まる「COSMAKE」。
この2つのプログラムへの思いが金井博之さん(株式会社トキワ副社長・TOKIWA Lab代表)より語られた。
「ビューティーは人を幸せにする素晴らしい分野です。サスティナブルなビジネスを叶えるには、思いや製品とマネタイズとを両立させなければいけません。
そこで、トキワが長い時間をかけて培った礎を生かして“縁の下の力持ち”として、2つの試みでサポートできればと考えました。人、仲間とのつながりをつくり、思いを共有して助け合い、息切れしたときにはエネルギーを再注入し、実現に向けてプランを強化していく……。
そのためにもEnvisioning(ビジョンを描く、共有する)、Engagement(深い関係性)、Enabling(可能にする)、Enhancement(強化する)、Energize(活力を吹き込む)といった多くの「E」を大切に、トキワがパ―トナーとなり、結果として両者が成長できる、そんなビジネスを実現できたらと考えています」(トキワ・金井さん)
このアワードセレモニーを通じて感じた「ビューティー」の未来と可能性。
私たちが情報を得たり製品を手にしたりするとき、「多くの人をより美しく、より幸せに」と情熱をもって議論しあう人たちの存在に思いを馳せたいと感じる有意義な時間となった。
Photo: 中山実華
Source: 株式会社トキワ, TOKIWA Lab, THINK LANDS, COSMAKE
Sponsored by 株式会社トキワ
MASHING UPより転載(2020.12.16公開記事)
取材・文/大森りえ
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