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年末恒例ビル・ゲイツおすすめの2020年冬に読みたい5冊

年末恒例ビル・ゲイツおすすめの2020年冬に読みたい5冊
Screenshot: ライフハッカー[日本版]編集部 via YouTube

12月初旬、恒例のビル・ゲイツの「今年の5冊」が、ブログで発表されました。

タイトルは「5 good books for a lousy year(散々な1年におすすめの素晴らしい5冊)」です。

瞑想本や小説もランク入りしていたこの数年と異なるのは、今年の5冊がすべてノンフィクションで、科学・歴史系の本がメインになっている点です。

まず、日本語訳がある2冊から紹介します。

『RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる』デイヴィッド・エプスタイン著

アメリカでは2019年5月刊行、日本語訳は2020年3月に日経BPより刊行されました。

この興味深い本においてエプスタイン氏は、たとえばキャリア面など、社会ではいっそうの特化が必要だとされているように思えるけれども、実は「幅広くスタートして、成長しながら多様な経験を積んでいく」人たちが、もっと必要なのだと述べています。

(中略)スペシャリストの同僚の陰で自分は注目されていないと感じているゼネラリストの人、ぜひこの本を読んでください。

(「Gates Notes」より翻訳引用)

確かに、仕事面では1つの分野に特化した専門家が重宝される傾向はあると思います。そんな社会で、ゼネラリストがどのようにどんな場面で活躍できるのか、著者の意見に興味が湧きます。

先日には、イーロン・マスクの「エキスパート・ゼネラリスト」の記事もありました。

マスク氏がいうところの「セマンティクツリー」の幹や枝の作り方、そして枝葉の広げ方もこの本で学べるかもしれません。

イーロン・マスクに学ぶ、「エキスパート・ゼネラリスト」になるための4ステップ


それに、自分だけではなく、子どもの教育にも応用できそうなところが良いですね。今回のリストの中では一番気軽に読めそうな本です。

『KGBの男-冷戦史上最大の二重スパイ』ベン・マッキンタイアー著

アメリカでは2019年8月刊行。日本語版が、2020年6月に中央公論新社から発売されています。

スパイ小説と同じぐらいおもしろいとゲイツは述べていますが、小説ではありません。

ソ連の情報高官でMI6に協力していたというオレーク・ゴルジエフスキーのスパイ人生をインタビューや関係者の証言から構築したノンフィクションです。

先日、スパイ小説の大家、ジョン・ル・カレさんが亡くなったというニュースにもう彼の新作は読めないんだとがっかりしていたスパイ小説ファンには、こんなノンフィクションを手に取ってみるチャンスかもしれません。

『The Splendid and the Vile』エリック・ラーソン著

2020年2月にアメリカで刊行された歴史のノンフィクション。第二次世界対戦の初期、対ドイツ戦略の指揮を執るチャーチル首相のリーダーシップに焦点を当てたものだそうです。

ビルが言うには、以下の通り。

卓越したリーダーシップ、困難な状況をありのままに評価すること、人々を統率して困難を乗り越えさせる特性とは何かを描いており、インスピレーションがもらえます。

YouTubeより翻訳訳引用)

闘う相手は異なれど、国のリーダーシップのあり方がいかに重要かを国民が痛感した今年。

今の困難を乗り越えるために、歴史にはインスピレーションがたくさんあるようです。勇気がもらえそうな1冊です。

『The New Jim Crow』ミシェル・アレキサンダー著

珍しくかなり前に出版された本がランク入り。今年10周年記念版が刊行されました。

題にあるJim Crowというのは、アメリカにおける有色人種の差別を許容する法律をまとめて指します。今ではそのような法律はないはずなのですが、実際に人種格差はまだまだ存在します。

それは、今年、アメリカでアフリカ系アメリカ人に対する警察などによる暴力行為が浮き彫りになり、そこからBLM(Black Lives Matter)のムーブメントもあったことからもうかがえます。

特に、低所得層のアフリカ系アメリカ人が社会から取り残されている現状、そして社会システムの変革が必要なことを忘れてはならないというビルの警鐘がこの選択に垣間見られます。

『Breath From Salt』 ビジャル・P・トリヴェディ著

アメリカで2020年9月刊行の、5冊の中での最新刊です。嚢胞性繊維症の治療に関するイノベーションについての医学系ノンフィクション。

難病の治療法を探求する科学者の姿は、2020年に新型コロナウイルスの治療法やワクチンの開発に空前絶後のスピードで取り組む科学者と重なりそうです。

嚢胞性繊維症の新薬の利益を受けている家族を知っているというビルは、この本を「気持ちがアップし、励まされる1冊」と評しています。

年末年始は知識の幅を広げるチャンス

今回はどちらかというと読むのに覚悟が必要なセレクションだと感じました。

でも、歴史を振り返り、危機を乗り越えてきた先人の不撓不屈な姿や、科学の進歩について知ることは、まだまだ先行き不透明な現状を乗り越える力を与えてくれそうです。

実は、わたしが毎夏と年末の2回の発表で楽しみにしているのは本そのものだけではありません。動画のプレゼンテーションも楽しみなのです。

今回は、デバイスをスワイプするアニメーションで5冊が紹介され、自主隔離中に読書をしていた雰囲気が表現されていました。

時代や国、自分を取り巻く環境を超えて、別世界へいざなってくれる読書。いつも新しい発見がありますが、2020年のような年には、人に寄り添ってくれる本の価値をいっそう感じます。

この冬、『RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる』やイーロン・マスク氏の示唆に倣って、あえて新しいジャンルの本を選んで、読書の幅を、そして自分のレンジを広げてみるのもいいですね。

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Screenshot: ライフハッカー[日本版]編集部 via YouTube

Source: Gates Notes, YouTube, Instagram(1, 2, 3, 4), Amazon.co.jp

ぬえよしこ

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