データを失う前に気付こう。HDDの故障を示す3大兆候と対処法
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デスクトップ型PCのハードドライブの平均寿命は5年から10年です。
ただし、ドライブが激しい温度変化、湿気、外部からの衝撃にさらされるとそれより短くなります。
また、ラップトップのハードドライブは3年から5年で故障しやすい傾向があります。
その点はSSDも同様です。そう考えると、ちょっと不安になりますね。
ハードドライブの故障を示す3大兆候
ハードドライブがゆっくりじわじわ故障していく場合は、むしろラッキーです。
致命的な故障が発生する前に、データをコピーして新しいハードドライブと交換する時間はたっぷりあるからです。
しかし、ハードドライブが故障しているかどうか正確に判断する方法がわかれば、ずいぶん助かりますよね。
ですから、ハードドライブの故障の兆候について、見ていきたいと思います。
1.PCの速度が遅くなる、頻繁にフリーズする、「青い死の画面」が表示される
PCにこの3大兆候が表れる原因は山ほど想定されますが、ハードドライブの故障もその1つです。
新規にインストールした後やWindowsをセーフモードにしたときこうした現象が見られるようなら、ほぼ確実にハードウェアに原因があり、ハードドライブが故障している可能性があります。
ハードドライブの問題を排除するには、多数の診断ツールを実行できますが、まずは、システムのS.M.A.R.T (セルフモニタリング、分析、レポート技術)データを調べることから始めましょう。
Windowsはこの情報をバックグラウンドで自動的に収集しています。
しかし、その情報はハードドライブの障害を予測するには信頼性が低いことで有名であり、S.M.A.R.Tが警告を出す前に重大な誤動作が発生する可能性があることに注意しましょう。
ドライブのS.M.A.R.Tの状態を手動で確認するには、CrystalDiskInfoなどのサードパーティのツールが必要です。
「ディスク」で、スキャンするディスクを選択し、ディスクの健康状態をメモしましょう。

さらに診断ツールを実行して、ハードウェアの問題を除外できる場合は、オペレーティングシステムのリセットか再インストールをする必要があります。
Windows 10にはすべてのファイルをキープするオプションがありますが、念のためにバックアップを取っておきましょう。
バックアップについて詳しくは後述します。
2.破損したデータと不良セクターの蓄積
破損したデータは、さまざまな方法で表示されます。
次の症状のどれかが繰り返し発生するときは、ハードドライブが徐々に故障している可能性があります。
- ファイル名やフォルダー名がごちゃごちゃになる。
- ファイルを開く際、移動する際、保存する際に、ランダムにエラーメッセージが出る。
- ファイルが開けない。
- ファイル内のデータが破損している。
- ファイルやフォルダーが消える
データの破損は、データの作成時や保存時に発生します。ウイルスがファイルに干渉している可能性がありますが、ハードドライブに不良セクターがある可能性も。
不良セクターとは、データの整合性を維持しないハードドライブの領域のことです。
Windowsは不良セクターを自動的に隠すため、破損したデータで問題が発生しない限り、不良セクターの存在に気付くことはありません。
故障があるハードドライブでは、不良セクターが急速に蓄積することがあります。そのため、こうした問題の発生頻度が高くなるのです。
CHKDSKと呼ばれるWindowsのコマンドツールは、不良セクターからデータを回復し、将来使用するセクターから除外してくれます。
クイックスキャンの仕方は次の通りです。
- 「Windows + E」を押してファイルエクスプローラーを開く。
- 「このPC」に進み、故障しているディスクやパーティションを右クリックして、「プロパティ」を選択する。
- 「プロパティ」で、「ツール」タブに切り替えて、「チェック」をクリックする。
- Windowsが「このドライブをスキャンする必要はありません」と表示した場合は、「ドライブのスキャン」をクリックしてツールを実行する。
- 見つかったエラーの修正を選択する。

もっと徹底的にCHKDSKスキャンを行うためには長い時間がかかり、再起動する必要もあるので、終日コンピューターを使わないでいられる日を選んで行いましょう。
- 「スタート」を右クリックして「コマンドプロンプト(管理者)」を選択することにより、管理者コマンドプロンプトを開く。
- 「chkdsk /r c:(Cドライブ)」というコマンドを実行してデータを回復し、エラーを修正する。
- 質問されたら「Y」を入力する。
- コンピューターを再起動するとCHKDSKが実行される。

3.変な音がする
ハードドライブから変な音がするときは、問題が発生している印です。
カッコン病と呼ばれる繰り返し音は、ハードドライブがデータを書き込もうとして失敗し、元の位置に戻って、何度も何度も再試行していると発生します。
研削音やきしみ音は、ベアリングやスピンドルモーターなどのハードウェアの部品が故障していることを示しています。
この時点で、ハードドライブからデータを回復できればラッキーです。
ハードドライブの故障に対処する方法
ここまで読んで、自分のハードドライブがもうじき故障しそうな気がしてきましたか。
その予感は多分当たっています。その場合は、次のことをしていざというときに備えましょう。
ステップ1:データをバックアップする
常にデータのバックアップを代替えのドライブに保存しておき、いつでもハードディスクを交換できるように準備しておきましょう。
同時に2つのドライブが故障する可能性はほとんどありません。もちろん、洪水や火事などの自然災害が発生した場合は例外です。
そのような場合に備えて、最も重要なデータのコピーを物理的に別の場所に保管することをお勧めします。たとえば、職場に保管したり、家族や友人と一緒に保管しましょう。
OneDriveやGoogleドライブなどのオンラインバックアップソリューションを使用することも選択肢の1つです。
また、Microsoft Officeを使用している場合は、Microsoft 365のサブスクにアップグレードすることも検討しましょう。
最新バージョンのOfficeと1TBのOneDriveストレージが提供されますよ。
ステップ2:ハードドライブを交換する
これまで使用してきたSSDやHDDを交換する準備ができたら、こちらの過去記事(英語)が適切なドライブを選択してインストールする方法を説明しているのでチェックしてみてください。
ステップ3:古いドライブを安全に処分する
古いドライブを捨てる前に、サードパーティがデータを回復することがないようにドライブの中身を完全に消去することを忘れないでください。
故障したドライブをゴミ箱に捨てることは厳禁です。電子機器には、ゴミ処理場に捨てられない貴金属や有毒成分が含まれています。
ハードウェアを地元の電子機器リサイクルセンターに持ち込むか、電気屋に引き取ってもらいましょう。
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Image: MakeUseOf
Source: Wikipedia, CrystalDiskInfo
Original Article: 3 Signs Your Hard Drive Is Failing (And What to Do) by MakeUseOf
訳:春野ユリ
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