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印南敦史の「毎日書評」

不安を1枚の紙に書き出すだけ。仕事ができる人のメンタルコントロール術

author 印南敦史
不安を1枚の紙に書き出すだけ。仕事ができる人のメンタルコントロール術
Photo: 印南敦史

「仕事のできる人」と「仕事のできない人」の違いは、その人の持つメンタルにある。

1枚で動け どんなときも結果が出せる人のシンプルな習慣』(伊藤達馬 著、すばる舎)の著者は、そう主張しています。新卒で入社した野村證券において、トップセールスとしての実績を打ち立てた人物です。

「仕事のできる人」はメンタルコントロールが上手で、不測の事態が起きても、適切な行動を取り続けられる強いメンタルを持っています。

一方、「仕事のできない人」はメンタルコントロールが苦手で、不測の事態が起きると、適切な行動が取れなくなってしまうのです。(27ページより)

つまり「仕事のできる人」になるためには、メンタルを強く保ち、問題と向き合える自分なりの工夫が必要になってくるわけです。

そこで著者が勧めているのは、自分の不安と向き合うこと。具体的には、A4の用紙に「いまある不安」を片っ端から書き出していくべきだというのです。

「紙1枚ワーク」には、下記のような3つの力があるそう。

  1. 「行動が早くなる」
  2. 「主体性が身につく」
  3. 「成長ができる」

また、著者のような営業職に限らず、どんな仕事でも活用できるのだとか。

たった1枚の紙と一人静かに向き合うだけで、不安が消え、行動力が高まり、どんなときでも成果が出せる一生モノの習慣が身につくということです。

「準備編 PART 2『3つのステップでどんどん動く!』」内の「1枚で動くSTEP1 不安の正体をはっきりさせる」に焦点を当て、要点を抜き出してみることにしましょう。

紙に書き出して可視化してみよう

メンタルを強く保ち、パフォーマンスを上げるためにまず必要なのは、自分自身を悩ませている不安の正体をはっきりさせることだと著者は強調しています。

不安は目に見えないため、頭のなかだけで考えていると無限ループのように何度も浮かび上がってくるもの。すると不安感は、どんどん膨れ上がっていってしまうわけです。

それを避けるためにも、不安を可視化し、正体をはっきりさせることが重要だという考え方。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という孫氏の格言があります。

「自分の状況と、敵の状況を正確に把握していれば、必ず勝てる」という意味ですが、この格言はメンタルを強くすることにも応用できます。

不安の正体をはっきりさせることは、自分を困らせている不安(敵)を知り、己を知ることにも繋がり、不安を克服する一歩になるからです。(47ページより)

つまり、客観的に状況を判断することが重要だということ。不安なときこそ自分のことをなかなか客観的に見られなくなるものなので、この教えが大きな意味を持つわけです。(46ページより)

つらいことストレスに感じること、とにかく全部書く

そこで、頭のなかで悶々と悩み続けるような状態を回避するために、「不安を紙に書いてしまう」という方法を試してほしいと著者はいうのです。簡単なのに効果は絶大なので、非常にお勧めだと。

しかも書き出す際のルールは、「なんでも、躊躇なく書いてしまう」ということだけ。たとえば、次のようなイメージで書き出せばいいのだそうです。

・○○課長が怖い

・今月は売上を達成できるだろうか

・明日までにプレゼンの資料を準備しないとまずい

・新しい課のメンバーと仲良くできるだろうか

・同僚の○○がムカつく

(48ページより)

ポイントは、仕事に関することだろうが、プライベートに関することだろうが関係なく、思いつくままにひたすら書いてしまうこと。

不安なことだけでなく、つらいこと、ストレスに感じていることもすべて書き出すべきだというのです。頭に浮かんだネガティブな感情を、すべて書き切ってしまうわけです。

そうすれば、頭を悩ませていたネガティブな感情がすべて目に見える形となるため、ごちゃごちゃしていた頭のなかがきれいに整理されるはず。

また、やってみるとわかることですが、この“書き出すワーク”はたいてい2〜3分程度で終わらせてしまえるもの。不安の大きさに大小はあるものの、数にしてみればたいしたことはないということです。

そして書き出すことで、「意外と簡単に解決できるかも」と気づかされることもあるもの。そんな客観性を持つことが大切なのでしょう。(48ページより)

本当に悩む価値あり?書いたら仕分ける

不安をすべて書き出したら、次にするべきは“不安のグループ分け”。

「消せるストレス」と「消せないストレス」に分けるということです。上記の例でいえば、

・明日までにプレゼンの資料を準備しないとまずい

だけが「消せるストレス」。

なぜなら、自分の努力だけで解決できるからです。そして残りの4つ、

・○○課長が怖い

・今月は売上を達成できるだろうか

・新しい課のメンバーと仲良くできるだろうか

・同僚の○○がムカつく

はすべて「消せないストレス」。

これらの結果は、相手や状況次第だからです。

なのにここで「どんなに努力しても解決しない」と悩み始めてしまうと、思考も行動も悪循環に陥っていくでしょう。しかし、できる限りのことをしたら、あとはそれでよしとする潔さも必要なのです。

いずれにしても、このようにグループ分けを行うことで自分を客観的に見つめられるようになるわけです。(50ページより)

新型コロナの影響でワークスタイルが大きく変わるなか、必要とされているのは“主体的に学ぶ力”ではないでしょうか。

だからこそ、著者が提唱するワークを通じて自分と向き合う習慣には大きな意味があるということです。

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Source: すばる舎

Photo: 印南敦史

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