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製造業に変革を。古い慣習から脱却し、長年の課題を解決する仕組みとは

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製造業に変革を。古い慣習から脱却し、長年の課題を解決する仕組みとは
Image: Mugendai(無限大)

高い技術を持ちながら、後継者不足や新興国の台頭により30年間で半減したといわれる、日本の町工場。ただ失われていくのを見るのは、何だか辛い気持ちになります。

IBMのWebメディアMugendai(無限大)に、そんな町工場の復活に挑戦する方が登場。古い慣習から脱却し、関係者全員がWin-Winになる仕組みとは。

“相見積もり”の徒労から脱却。収益アップもコストダウンも実現

インタビューに登場していたのは、部品加工の受発注プラットフォーム「CADDi」を開発するキャディ株式会社の加藤勇志郎さん

CADDiをひとことで言うなら、発注元の大手メーカーと全国の町工場のマッチングサービスです。

材料単価、技術力、加工時間など多くのデータがあらかじめ入力されており、メーカーがつくりたいものの希望を出せば、独自のアルゴリズムで最適の工場を選出最速7秒の速さで見積もりも作成されます。

製造業に変革を。長年の課題を解決する「オープン化」と「リモート化」
CADDiの受発注システムのプラットフォーム
Image: Mugendai(無限大)

同社がこの仕組みを構築したのは、「町工場の社長は、仕事の半分が見積もり作成」と言われる現状を変えるため。

機械やハイテク装置などは、1つの製品に膨大な部品が必要です。依頼する側の大手メーカーとしても、すべての発注先を細分化するのは大変なため、まとめて複数の工場に相見積もりを依頼するのが主流。

さらには、選ばれた町工場に対し値下げ交渉をするのが一般的だそうで、大手に売上げを依存している町工場としては、多くの場合で要求を飲まざるを得ない現状があります。

加藤さんたちは「高い技術を持った町工場は、環境に左右されずに本来の強みを発揮して欲しい」との思いでCADDiを開発。

結果的に、見積もり作成の負担は軽減し、収益は安定、メーカー側も10~20%のコストダウンと、まさにいいことづくしとなりました。

不足事態に備えるカギとなる「オープン化」と「リモート化」

約180兆円といわれる日本のモノづくり市場。それを支えるサプライチェーンのどこかで新型コロナウィルス感染が起きたり、生産が止まったりすれば、製造業全体に影響が出ることは必至です。

実際、加藤さんたちの試算では、サプライチェーンの40%程度がコロナの影響で断絶する可能性があるといいます。

これに備えて進めている施策の1つが「オープン化」。町工場をオープンにするとはイメージが湧きませんが、その真意を以下のように語っています。

これに備えるには、まずメーカーにとっては調達先の、また町工場にとっては販売先の分散化が必要になります。サプライチェーンの中の1社が倒れたらおしまい、では困るのです。

しかし、分散化すると当然取引コストは上がってしまうので、同時にそれを下げるための集約化が必要になります。

すなわち分散と集約の両立、つまり集散両立化がオープン化におけるもっとも大事な考え方です。

同社の調査では、コロナ禍により航空機系で90~95%減、自動車製造系では一時50%減の打撃を受けた町工場でしたが、人工呼吸器部品の需要が急増した際は、受注が減っていたそれら工場の力で乗り切るなど、オープン化は見事に機能しました。

もう1つの施策である「リモート化」では、これまで紙や職人の頭の中にあった暗黙知をデータ化してネットワーク上に置き、自由にアクセスできる環境をつくること、無人化できる仕事を増やすことなどを提案しています。

製造業に変革を。長年の課題を解決する「オープン化」と「リモート化」
キャディが提案するウィズコロナ時代の2つの経営戦略
Image: Mugendai(無限大)

東京大学卒業後、コンサルティング会社のマッキンゼーを経て起業した加藤さんと、米スタンフォード大学大学院を卒業し、Appleなどでの勤務経験があるCTOの小橋昭文さんは、2人揃って「アジアを代表する30歳未満の30人」に選ばれるほど注目されています。

そんな2人が取り組む同社の具体的な施策や、世界展開を視野に入れた未来については、Mugendai(無限大)より続きをお楽しみください。


Image: Mugendai(無限大)

Source: Mugendai(無限大)

渡邊徹則

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