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不眠と不安の負の連鎖。「睡眠恐怖症」の症状と対処法は?

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不眠と不安の負の連鎖。「睡眠恐怖症」の症状と対処法は?
Image: Shutterstock

さいきん、よく眠れてますか? ベッドに入ってどれだけ目を閉じても眠りにつけない?かつての心地いい眠りを切望しても、不安が払しょくされる兆しが見えない?そうですよね、わかります。こんなご時世ですから。

1日か2日、多少眠れる日があっても、次には悪い日が訪れる。そのサイクルに陥ると、昼間にも新たな不安と戦わねばならなくなります。

それは、「いつかゆっくり眠れる日が来るのだろうか」という不安。その不安が、さらに夜の寝つきを悪くするのです。

これは、「睡眠恐怖症」と呼ばれる現象です。世界がどのような状況であれ、睡眠恐怖症に悩む人はたくさんいます。

そこでこの記事では、眠ることへの不安の正体を考えるとともに、それらを乗り越えてる方法を紹介します。

睡眠恐怖症って?

何かが不安で夜も眠れないという経験は誰にでもあるでしょう。つらい状況ではありますが、多くの場合は自覚症状を伴うため、不安の根本的原因を特定できれば対策を講じることができます。

睡眠恐怖症はそれとは異なるカテゴリーに当たり、眠ろうと考えること自体に恐怖や極度の不安を抱いてしまう症状をいいます。

言い換えると、眠れないこと(場合によっては寝てしまうこと)への恐怖が不安に変わり、それが原因でさらに眠れなくなってしまうのです。

この記事では、現在の世界の状況を踏まえ、「眠れなかったらどうしよう」という不安に注目します。

ちょうど対極にある「寝てしまうこと」への不安は、鮮明な悪夢、夢中歩行、金縛りなど「寝てしまったらどうなるかわからないので怖い」という思考が背後にあり、やはり誰にでも起こりうることです。

とはいえ、それらについては別の機会に取り上げようと思います。

睡眠恐怖症の症状

眠れるかどうかの恐怖に直面すると、心と体は、全般性不安障害とは異なる反応を示します。

ワシントンDCで行動睡眠医学を専門とする心理学者、Virginia Runko医師The Helathyに語った記事によると、睡眠恐怖症は不眠症から派生するケースがあるそうです。

寝つきに問題を抱える人たちは、眠れないことが昼間の生活に影響することを知っています。

そのため、今日はちゃんと眠れるのだろうかという不安が付きまといます。過去に経験した眠れない夜が恐怖となり、またそれが訪れることに不安を抱いてしまうのです。

それによって引き起こされる問題は翌日の疲れだけではありません。「恐怖症」は日々の生活や行動を破壊するほどの影響力を持ち、心の健康に多大な負担となってのしかかるのです。

精神的症状

Healthlineによると、睡眠恐怖症には疲労や消耗といった通常の睡眠不足と同じ症状のほかに、次のような精神的症状があるそうです。

  • 睡眠のことを考えると恐怖や不安を感じる
  • 就寝時間が近づくのが苦しい
  • 布団に入ることを避ける、可能な限り夜更かしをする
  • 就寝時間になるとパニック発作が起きる
  • 睡眠に関連する心配や恐怖だけでなく、集中力が低下する
  • 短気になる、情緒不安定になる
  • 記憶力が悪くなる

身体的症状

Helathlineの記事より、身体的症状には下記のものが挙げられます。

  • 睡眠への不安が続くことによる吐き気または胃腸関連の問題
  • 睡眠のことを考えると胸が締め付けられ、心拍数が上がる
  • 睡眠のことを考えると発汗、悪寒、過呼吸、その他呼吸に関するトラブルが起こる
  • (子どもの場合)泣く、依存するなど、眠ることに対して何らかの抵抗を示す。保護者に「1人にしないでほしい」とせがむことも

死への恐怖睡眠への恐怖と密接に関連していますが、逆もまたしかりです。

たとえば、睡眠に不安を感じる原因が睡眠不足で死んでしまうことだとしたら、それで睡眠恐怖症が悪化する場合があります。

テレビや音楽をかけたまま、あるいはポッドキャストを流したままでないと眠れない人は、自覚があってもなくても、それが自分なりの睡眠恐怖症対策なのかもしれません。

睡眠恐怖症に対処する方法

他の恐怖症と同様、これさえやっておけば大丈夫という万能な治療法はありません。だからといって、安らかな眠りをあきらめないでください。望みがないわけではないのです。

眠れるかどうか、不安すぎて眠れない。そんなレベルに達している人なら、おそらく一般的な対策はほとんど試していることでしょう。

寝る前に日記を書くとか、寝る前のルーチンを決めるとか、メラトニンを飲む(別記事で書いたように、これはスリープハックではありませんが)とか。

たとえ悪意がなくとも、友人や家族(場合によっては医療従事者)からこれらの対処法を勧められると、睡眠恐怖症に苦しむ人にとっては上から目線に感じてしまうことがあります。

ずっと前から眠れなくて苦しんでいるのに、今さら「カモミールティーを飲んでみたら?」と言われてもねぇ……。

不眠症と同じで、睡眠恐怖症は、短期間のうちにあなたの睡眠をむしばみます。慢性的になると、日常生活に支障が出てくるでしょう。

その段階になってしまったら、迷わず医師に相談してください。睡眠不足は、しゃれにならないほどの悪影響を脳にもたらすのですから。

睡眠恐怖症になりたての人や、時々しか発生しないという人は、とりあえず何がトリガーになっているのかを具体的に把握する必要があります。

コネチカット州グリニッチで不安症を専門にする臨床心理医のMartin Seif氏がThe Healthyに語った記事によると、トリガーさえわかれば、対策を考えられるのです。

以下に、睡眠恐怖症のトリガーとして考えられるものをいくつか紹介します。

全般性不安障害

振り出しに戻ったようですが、微妙にニュアンスが異なります。今の米国や世界の状況では、大半の人が何かしらの不安を抱えていてもおかしくありません。

でも、過去の記事でも取り上げたように、不安の感情を抱くことと、不安障害とはまったく別物です。全般性不安障害は、長期的に生活を破壊していくばかりか、不安の原因が特定の状況や恐怖に限定されません。

つまり、不安の主要因と思われるものに対処しても、それほど気持ちは改善しないかもしれません。脳はすぐに代わりを見つけようと、新たな心配ごとを探し続けるでしょう。

このような不安は、その実際の影響力とは釣り合わないことが多いものですが、考えうるすべての最悪のシナリオをいちいち考えなければならないのはつらい状況です。

それが続くと、やがて睡眠恐怖症が訪れます。

全般性不安障害のあなたの脳は、眠れなかった場合にどうなってしまうのかにフォーカスし、それを大惨事のようにとらえるようになるでしょう。

もし今そのような症状があって、まだ専門家に診てもらったことがないのであれば、今すぐ相談してください。

状況不安

一方で、特定の状況や出来事に対して不安を感じる人は、多少のアドバンテージがあります。

とはいえ、極度のストレスがのしかかる今の状況では、不安要因があまり明確ではないかもしれません。

Seif氏によれば、たとえば、いま起きているパンデミックによって漠然とした不安を抱えているとしても、実際の睡眠恐怖症の原因は、明日うまく仕事ができるだろうかという予期不安によるものかもしれません。

このように範囲を狭められれば、理由のない不安で麻痺してしまうよりも、不安の原因および考えうる対策について、合理的に考えられるようになるはずです。

不眠症

Runko氏が述べているように、睡眠恐怖症は不眠症から派生することがあります。

その場合、睡眠不安を別の病気(つまり不眠症)の症状として捉えてください。

そして、不眠症の治療を目指して、医師と一緒に取り組めばいいのです(その治療法はひとりひとり大きく異なるのですが)。

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Image: Shutterstock

Source: Healthline, The Healthy, MAYO Clinic(1, 2

Elizabeth Yuko - Lifehacker US[原文

訳:堀込泰三

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