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がんばらないで結果を出す。生産的な行動だけを習慣化しよう

がんばらないで結果を出す。生産的な行動だけを習慣化しよう
Photo: 印南敦史

世界TOP6%の超絶売れる習慣』(早川 勝 著、秀和システム)というタイトルを目にすると、“TOP6%”という曖昧なパーセンテージが気になってしまうかもしれません。

ところがこれは、生命保険業界の関係者であればすぐにピンとくる数字なのだといいます。

そう、6%とは、MDRT(Million Dollar Round Table)の会員比率である。

厳しい基準(年収に換算すると約2000万円以上)を設けているため、世界中の6%の成績優秀者しか入会できないと言われている『MDRT』という称号は、生保営業に携わるものなら誰もが憧れる、ステータスシンボルなのである。(「まえがき」より)

著者は外資系生命保険会社においてトップクラスの成果を上げ続け、数々のタイトルを獲得したという実績の持ち主。

支社長に就任後はどん底支社を再生させ、数100名のMDRT会員を擁する組織を構築したのだそうです。

生命保険営業という最難関の営業組織で30年以上にわたり、「売れる習慣」を極めてきたわけで、「6%」どころか「35%」のMDRT会員なのだとか。

つまり本書は、そうした経験をまとめたものです。

第1章「超絶メソッド 売れる営業マンが持つブレない自信を得よう」のなかから、印象的なメッセージを抜き出してみたいと思います。

「がんばります」では結果が出ない

ビジネスシーンにおいて、「がんばってね」と仲間たちへエールを送る機会は決して少なくないのではないでしょうか? それは、私たち日本人が好んでよく行う“日常の儀式”なのかもしれません。

しかし、そんな他人からのある種の“努力の強要”に対して「がんばります!」と根拠のないリアクションを返し、その場の体裁を取り繕っている人もいるのではないか? 著者はそう指摘しています。

ただ、どうしても、これだけは“がんばり屋さん”へ伝えておきたい。 そう、「がんばらないほうがいい」という真実を、である。

「がんばっている」という自己陶酔は、常習性が高く、悪習慣へと導かれていくから要注意だ。

そのユートピアには、昔ながらの悪習慣に縛られた数多くの“エセ努力家”が暮らしている。

あなたが、ユートピアの中でがんばっているポーズを習慣にし、目的や結果にこだわらない行動を続けている限り、どこまで行っても実力は磨かれない。(28ページより)

「身をもって体験した自分が言うのだから信じてほしい」と訴えかける著者は、かつて支社長として新天地へ赴任したとき、ずっと「がんばっている」にもかかわらず最下位レベルだったどん底支社を全国ナンバーワンに改革することに成功したことがあるのだそうです。

なぜ、そのようなことができたのか?

意外なことに、曖昧な「がんばります」をデッド・ワードにする方針に転換しただけだというのです。

その結果、伸び悩んでいた支社メンバーはがんばらなくなり、その途端に営業成績がV字回復したというのです。

業績不振に苦しんでいた“がんばり屋さん”たちは、お互いにマインドコントロールし合っていた。そう、「がんばる教」に啓蒙されていたのだ。

「がんばる、がんばる、がんばる」に洗脳されてしまうと、じわじわと生きる目的を失う。

ようやく気づいたときには、迷路から抜け出せなくなり、目の死んだ廃人同然のビジネスパーソンに堕ちていくのである。(29ページより)

そういう人たちの姿を見てきたからこそ、著者はがんばらなくていいと断言するわけです。

「もうそれ以上がんばらなくていいから、シンプルに目の前の問題と正対することである」と。

いますぐに、自分を苦しめている本当の問題を直視し、改善策と向き合うことが重要。そして、具体的な行動を起こすべきだという考え方です。

様々な問題が勝手に収束してくれたり、目標がオートマチックに達成してくれるほど、人生は甘くない。

先送りにした問題は、やがてあなたにもっと大きく、厳しい現実を突きつける。

それは過去の問題を放置してきたツケであると思ったほうがいいだろう。(30ページより)

大切なのは、まっすぐに問題解決や目標達成へと向かい、「効果的にがんばっているかどうか」

いいかえれば、がんばっていること自体にたいした意味はないわけです。

だからこそ、“がんばり屋さん”の自分にのぼせあがるくらいなら、はじめからがんばらないほうが、よほどいいというわけです。(26ページより)

結果にフォーカスした習慣を心得よう

私はときにメンバーに問う。

問題解決や目標達成に対し、「できるか、できないか」と。

すると彼らは、「できます」と答えず、苦笑いを浮かべ「がんばります」と答えるケースが実に多い。

よくよくその意味をかみ砕いてみると、「できる自信はないので、できますとは言い切れないけど、できるだけ努力はしてみます」という、ごまかしのニュアンスが含まれているようだ。

そんな決意なき言い逃れによって、やがて「がんばったんだから、それでいいじゃないか」という反結果主義の甘え根性が増殖されていくのである。

はたして、あなたの行動は生産的だろうか。

常に何かしら「結果」を生み出し、少しでも社会・経済・組織に貢献していると言えるだろうか。

ただ単に時間を浪費して、ストレスを溜め込み、コストを垂れ流しているだけではないのか……。(30〜31ページより)

こう問いかける著者は、本当に自分自身のがんばりが生産性の高い努力なのかどうか、胸に手を当てて分析してほしいと読者に向けてメッセージを送っています。

そして、これからは「がんばる」を完全にデッド・ワードとしたほうがいいとも加えています。

それだけでなく、同僚や部下に対しての「がんばって」という声がけや、自分から発する「がんばります」という自己宣言も封印すべきだとも。

そんな宣言はどうでもよく、いつ、どんな時でも「結果にフォーカスした言霊を発し、生産的な行動を習慣化することにこそ意味がある」ということです。(28ページより)

多少アクが強くもありますが、だからこそストレートなメッセージは読者に訴えかけるはず。

そのため本書は著者自身がいうように、営業職でない人にも響き、人生のスランプを脱出したい人にとっても格好の指南書となるかもしれません。

ワンランク上を目指したい方は、手にとってみてはいかがでしょうか。

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Photo: 印南敦史

印南敦史

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