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「100点のほめ方」で人間関係・コミュニケーションを円滑にする

「100点のほめ方」で人間関係・コミュニケーションを円滑にする
Photo: 印南敦史

ほめられれば、誰だってうれしいもの。

しかし『100点のほめ方』(原 邦雄 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、単に「見た目」や「結果」を褒めるだけではなく、「その人のあり方」や「がんばったこと・過程」を意識してほめることが大切だと主張しています。

つまり、生き方すべてを肯定し、ほめるべきだということ。

でも、それはどのようなほめ方なのでしょうか? 具体例を見てみましょう。

[20点のほめ方]

「いい契約が結べたな」

[60点のほめ方]

「相手のニーズをここまで引き出すとは、思っていなかったよ。影で努力していた姿を見ていたし、いつか結果は出ると思っていた。何度も企画を出して、あきらめない姿を見ていると頼もしかったよ」

← 具体的にどこがほめポイントだったかを表現している

[80点のほめ方]

「いままで多くの営業マンが跳ね返されてきたクライアントだったが、本当によくやった。これからも期待しているよ。わたしも勇気をもらった、ありがとう」

← 一対一の関係性を意識した感情を伝えている

[100点のほめ方]

「その“誠実さ”は、持って生まれたように感じていたし、 ご両親の育て方が良かったんだと思う。そして学生時代のクラブで良い恩師や仲間に恵まれたんだろうな。粘り強くやり切った、本当によくやった」

← 生き方すべてを肯定し、ほめている

(7〜8ページより)

現在の状況をほめるだけでは、相手の一部(点)をほめているにすぎません。

そうではなく、大切なのは、現在、過去、生きてきた環境、未来など、相手の存在をつくりあげてきた多くの「点」を「線」で結ぶようなほめ言葉をかけること。

そうすることができたら、すなわちそれが「100点のほめ方」だということです。

「ほめ言葉」にはさまざまな種類がある

「ほめ言葉」と聞いて思い出すのは、「すごいね」「さすが」「上手」といった、相手を称賛する言葉ではないでしょうか?

しかし著者は、「感謝」「好意」を示す言葉もまたほめ言葉だと考えているそうです。なぜなら「感謝」「称賛」「好意」は自尊心の3大欲求を満たすから。

●感謝を示すほめ言葉

「ありがとう」「感謝しています」

●称賛を示すほめ言葉

「すごいね」「成長したね」

●好意を示すほめ言葉

「好きだよ」「好感が持てる」

(31ページより)

つまり「ほめる」とは、相手の考え方や行動に対して感謝や称賛、行為を示し、相手のことを「もっと理解したい」「尊重したい」という想いを伝えることだという考え方なのです。(30ページより)

「ほめる」ことは人の才能を最大限に引き出す

著者はここで、人には自尊心を満たすための3大欲求があると記しています。

① 「ありがとう」欲求

……自分を大切な存在として認めてほしい

② 「すごいね」欲求(自己有能感)

……自分を有能な人として認めてほしい

③ 「好きだよ」欲求(自己好感)

……ほかの誰かに好かれたい

(32〜33ページより)

人は、これらの言葉をかけられると自尊心の3大欲求が満たされるもの。

そのため、ほめられれば自分に自信を持ち、いきいきと行動し、最大限の能力を発揮することができるわけです。(32ページより)

「100点のほめ方」は人生を豊かにしてくれる

だからこそ、ほめることには相応の意味があるわけです。

相手の人生をすべて肯定すれば、相手の記憶に刻まれる存在になるということ。そんな関係が続々と構築できていけるのなら、よい結果が生まれるのは当然。

なお、相手に合わせた「ほめ言葉」を暗記するように覚え、ぎこちなくほめるのではなく、本心でほめることが大切だそうです。

しかもそれは、“簡単に”できるようになることでもあります。

「すごいですね」というシンプルなほめ言葉であっても、生き方すべてを肯定する気持ちで伝えれば、相手の記憶にはっきりと残る“ほめ言葉”になるのです。

ほめられた側は、そんな経験は初めての人が多く、良い意味で脳にエラーが起き、一生忘れられない出来事になるのです。

そして、関係がこじれてしまった人に対しても、少しずつ距離を縮め、修復し、心地の良い関係を再構築できます。

ほめ言葉は、誰にでも使える魔法の言葉なのです。

(41ページより)

人はひとりでは生きていけないもの。仕事の場においても、それは同じです。

会社に属していたとしても、個人事業主として働いているのであっても、さまざまな人と関わり、目標に向かって仕事を進めていかなければなりません。

したがって、どんな仕事にもコミュニケーション能力が求められることになります。

しかし、それはなかなか円滑にいかないものでもあるはず。ときにはギクシャクすることも、摩擦が生じることもあるでしょう。

そんなとき、「ほめる」ことが潤滑油のような役割を果たしてくれるということです。(40ページより)

このような「ほめ方」の効力を最大限に発揮できるように、以後の章では「ほめ方」のテクニックが具体的に紹介されていきます。

それらを身につければ、相手との関係性を良好にすることができるかもしれません。職場でのコミュニケーションをより良好にするために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

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Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

Photo: 印南敦史

印南敦史

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