ユーザー別パソコンに適切なメモリ容量(RAM)を確認する方法
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RAMとは、パソコン内の重要な要素だというのはおそらくご存知でしょう。しかし、自分に本当に必要なRAMはどれくらいかはわかるでしょうか?
今回は、自分のパソコンにあるRAMはどれくらいか、ユーザー別の適切なRAMはどれくらいか、そしてもっとRAMが必要な人へのアドバイスをお教えします。
RAMとは何か?
どれくらいのRAMが必要かを見ていく前に、RAMについてよく知らない人のために、簡単にRAMとは何かを紹介しましょう。もっと詳しく知りたい人は、こちらのRAMの概要記事(英文)全文を読んでください。
RAMとは、「ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory)」の略で、パソコンの短期メモリ(ストレージ)のことです。OSが、その時開いているプログラムを処理する場所です。パソコンを終了すると、RAMの内容は消去されます。
RAMは高速アクセスが可能なので、開いているプログラム間を即座に切り替えることができます。ストレージのドライブから引っ張ってくるよりも、RAMで実行しているプログラムを切り替えた方がはるかに効率的です。
自分のRAMはどれくらいなのか?
次に、自分のパソコンにRAMがどれくらい入っているのかを見ていきましょう。そうすれば、基準と比較することができます。
Windows 10の場合は、「設定 > システム > バージョン情報」を開きます。
「デバイスの仕様」の中に「実装 RAM」があります。注意して欲しいのは、「システムの種類」が「32ビット オペレーティング システム」の場合は、どれだけRAMが積んであっても、4GBしか使うことができません。
それ以上のRAMを使うには、64ビットのオペレーティングシステム(英文)が必要です。

macOSの場合は、画面左上のAppleメニューから「このMacについて」を選びます。開いたウィンドウの「概要」タブの「メモリ」のところに、どれくらいのRAMがインストールされているか表示されます。

Linuxの場合は、ターミナルウィンドウに「free」コマンドを入力すれば、RAMの情報を表示することができます。
しかし、ここではRAMがキロバイトで表示されるので、あまり便利ではありません。代わりに「free -h」と入力すれば、ギガバイトやメガバイトなど適切な単位で表示されます。
どれくらいのRAMが必要か?
これで、自分のパソコンのRAMがどれくらいかはわかったと思います。
よくあるRAMの量と、あなたのニーズに合う適切な量を見ていきましょう。
2GB以下:足りない
2GBしかRAMが入っていないというのは、最新のパソコンではなさそうです。この量のRAMでは、基本的なWebブラウジングのような簡単なタスクを1度に1つやることしかできません。
2GBのRAMしかないシステムでは、最低限のマルチタスク以上のことをすると動作が非常に遅くなるでしょう。
今の安価なスマホでも、それ以上のRAMが入っているものがほとんどです。2GBしかRAMが入っていないパソコンを買うのはやめた方がいいですし、今のパソコンがその程度のRAMの場合は、できればアップグレートを検討しましょう。
4GB:基本使用には十分
しばらくの間、ほとんどのパソコンには基本的に4GBのRAMが入っていました。今では、その基本が8GBに移行していますが、それでもまだ4GBのメモリのノートパソコンも売っています。しかし、4GBのRAMで十分なのでしょうか?
Webのブラウジングや、簡単な文章や表計算の処理、メールのような基本作業にしかパソコンを使わないのであれば、4GBのRAMで十分です。
しかし、最近の多くのゲームでは足りないでしょうし、一度にChromeでタブをたくさん開いたり、いくつものプログラムを同時に実行したりする場合は厳しいです。
8GB:標準的
最近は、中程度のパソコンにはほとんど8GBのRAMが入っています。特に、AppleのMacBookはすべてのモデルに最低でも8GBのメモリが入っています。
今の標準的なRAMは8GBです。一度にいくつかのタスクを実行しても遅くならず、ゲームをするのにも十分です。
4K動画の編集や、Twitchなどでハイエンドなゲームのストリーミングをしたり、リソースを大量に使うプログラムを常にいくつも立ち上げているというような場合は、もっとRAMが欲しいと思うかもしれません。
しかし、そこまでパソコンを使わないユーザーは、8GBのRAMで十分なはずです。
16GB:パソコン上級者向け
16GBのRAMは、パソコンで重い作業をするような場合にピッタリな量です。ソフトウェアのデザイン、動画の編集、最近のハイエンドゲームは、16GBのRAMがあれば余裕で対応できます。
しかし、このような作業をしない場合は多すぎです。ブラウザのタブをいくつか開いたり、普通のゲームをしたり、大きなメディアファイルで作業をするだけの人は、もっと少ないRAMでも大丈夫です。
32GB以上:パソコン愛好家のみ
32GBやそれ以上のRAMは、パソコン愛好家にしか必要ありません。
定期的に4K(もしくはそれ以上)の動画を編集したり、パソコンでファイルをレンダリングしながら他の作業をしたりする場合は、大量のメモリが必要になります。
しかし、ほとんどの人にとって、32GB以上のメモリは無駄ですし、そのお金をパソコンの他のアップグレードに使ってもいいのではないでしょうか。
ほとんどのゲームに32GBのRAMはまだ必要ありません。具体的なアドバイスが必要な場合は、ゲームのためのRAMに関する記事(英文)を見てみてください。
VRAMは別の話
上記は一般的なシステムのRAMに関してですが、パソコンに専用のグラフィックカードが入っている場合は、そこにもメモリがあることを知っておいた方がいいでしょう。これが「VRAM」や「ビデオメモリ」と呼ばれるものです。
VRAMはゲームの表示に必要な視覚情報を持ち、それを効率よくモニターに受け渡します。たとえ、通常のRAMがたくさんあったとしても、VRAMが十分でなければ、ゲーム(もしくはハイエンドなデザインソフト)のパフォーマンスは落ちる可能性があります。
詳しく知りたい人は、VRAMのガイド記事(英文)全文を読んでみてください。
RAMを向上させる方法
RAMを向上させる方法は、RAMを買ってパソコンにもっと増設するしかありません。RAMが足りていない状態で作業をしてきた場合は、比較的お金をかけなくても、大きな効果があります。
しかし、当面メモリをアップグレードすることができない場合は、いくつかのテクを使って、今あるWindowsのRAMを解放する(英文)ことができます。
一番大事なのは、使っていないプログラムを終了することです。そうすれば、無駄にRAMを使うことがありません。
パソコンの他のアップグレードもお忘れなく
今のパソコンを買い直す、もしくは新しいパソコンを構築する場合は、お金をかけるべきパーツはRAMだけでないと覚えておいてください。ほとんどの場合、使われていないRAMは無駄です。
これまで4GBのRAMしか使ったことがないのに、32GBのメモリを買うのは的外れです。余分なRAMは稼働しないからです。
RAMを買う前に、パソコンに関してパフォーマンスに一番大きな影響を与えるアップグレードがどれか(英文)を知りましょう。
ハードディスクドライブの問題のせいで、メモリに負荷をかけたくはないはずです。バランスをよくすることで、かなり快適になります。
あなたに本当に必要なメモリはどれくらい?
自分のパソコンのRAMがどれくらいかをチェックする方法、様々なタスクに対して必要なRAMはどれくらいか、今のところ現在のメモリを最大限に活用する方法を見てきました。
まとめると、8GBが基本で、ヘビーユーザーなら16GBです。
ありがたいことに、パソコンにRAMを増設するのは大抵簡単です。互換性のあるRAMをきちんと買えば、パソコンを開けて、挿し込むだけです。
詳しく知りたい人は、MacのRAMの増設方法のガイド記事(英文)もどうぞ。Mac以外のパソコンを持っている人でも、比較的参考になると思います。
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Image: MakeUseOf
Screenshot: ライフハッカー[日本版]
Original Article: How Much RAM Do You Really Need? by MakeUseOf
訳:的野裕子