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人間関係のトラブルを防ぐ「ゲーム理論」&「人生脚本」の法則とは?

人間関係のトラブルを防ぐ「ゲーム理論」&「人生脚本」の法則とは?
Photo: 印南敦史

人間関係には、どうやってもトラブルがついてまわるもの。できることなら避けて通りたいところですが、現実問題としてそれは不可能。

でも、だからといって気持ちを押し殺し、不快な人間関係を我慢して耐え続けるのだとしたら、やがて身も心も疲弊してしまうかもしれません。

したがって、そうなってしまわないために、自分を守る対策と方法を知っておく必要があるわけです。そこできょうは、『イヤな人間関係から抜け出す本』(高品孝之 著、あさ出版)という書籍をご紹介したいと思います。

著者は約30年間にわたって教育現場に身を置き、生徒、親、その他さまざまな人々の人間関係にまつわるトラブルに接し、その解決に取り組んできたという人物。

さらには看護師の養成にも10年以上携わり、そのなかで患者と医療関係者の人間関係の悩み、トラブルの対応も行ってきたのだといいます。

人と人との関係に関するプロフェッショナルだと言えそうですが、とかく人を悩ませる人間関係について、興味深いことを明かしています。

実は、不快な人間関係、コミュニケーションにはパターンがあります。これを、心理学の1つの理論である交流分析では、「ゲーム(ゲーム理論)」といいます。

ゲームというと、テレビゲームや、野球やサッカーなどのスポーツの試合を思い浮かべると思います。テレビゲームも試合も、それぞれにルールがあり、そのルールに基づいて行われますよね。

また、相手に勝つために、相手を研究し、対策を練ると思います。

これと同じで、人間関係もルールに基づいて構築されています。

そこに「ゲーム」が生じてしまうことで、敵対関係が生まれ、不快な関係性になってしまうのです。 (「はじめに」より)

つまり重要なのは、「不快な人間関係を生むゲーム」がどのようなものかを知り、対策を練ること。

それができたとすれば、どこにでも、誰の近くにもいる「嫌な人」「相性が合わない人」とのコミュニケーションにも、無理なく対応することが可能だということです。

ちなみに少しばかり意外ではありますが、大切なポイントは、「人間関係はRPG(ロールプレイングゲーム)である」という視点なのだそうです。

有名な「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のように、適切な役柄を演じ、与えられる試練、難題の解決などをしながら目的達成を目指すべきだという考え方。

そこで本書では、人間関係のトラブルに陥ったとき、どのような役割を演じればよいか、どう考え、どう行動を起こせばよいかなどの対応法を紹介しているわけです。

緻密に考え尽くされたそのメソッドのすべてを明かすことは不可能なので、ここではもっとも基本的な考え方をご紹介したいと思います。

人間関係のトラブルには、決まったルールや法則があるというのです。

人間関係のトラブルからは絶対に逃げられない

「職場の先輩とうまくいかない」「ご近所で浮いてしまっている気がする」「周囲との関係がギスギスしている」「いじめにあいやすい」などケースはさまざまでしょうが、どうあれ人間関係のトラブルで悩んでいる方は少なくないはず。

著者も、このことについて多くの相談を受けてきたそうです。

もしも人間関係のトラブルがなくなったとしたら、人生はぐっと楽になるはず。しかし残念ながら、それは無理というものです。

なぜなら人は生まれた場所、育ってきた環境、性格も感性も好みも、それぞれ異なるから。いわば、噛み合わなくて当然なのです。

そのため、同じ場所で同じ時を過ごすなかで、すれ違いや行き違い、誤解が生じ、トラブルが起こってしまうことはどうしても避けられません。

しかし、このことについて重要なポイントがあると著者は指摘しています。

大事なのは、人間関係のトラブルは起こりうるものと受け入れてしまうこと。そして、起きてしまったトラブルをいかに小さく穏やかに抑えるか、対応策を知っておくことです。(15ページより)

こじれさえしなければ、人間関係のトラブルは、よりよい関係を構築するきっかけにもなるといいます。(14ページより)

不快な人間関係の核になるもの

人間関係のトラブルにうまく対応できるようになるには、起こりうるトラブルについて、あらかじめ知っておくことが必要。

どんな人間関係にも必ずあるルールを知り、自分の置かれている状況を正しく分析すれば、「人間関係の苦しみ」という敵に打ち勝つことができるということです。

なお、トラブルに発展するような不快を生じる関係性は、「交流分析」という心理学における、次の2つが核となるパターンが考えられるそうです。

① ゲーム

さまざまなパターンがあります。やろうと思っているわけではないのに、無意識にはじめたり、巻き込まれていたりします。

闇雲に対応していると、どんどんドツボにはまっていき、不快な思いをするだけではなく、心身共に苦しさで疲弊してしまいます。(16ページより)

② 人生脚本

人は幼い頃の過ごし方によって、自分の中に「人生の脚本」が培われます。その後は、この脚本に沿って人生を歩むとされます。

「三つ子の魂、百まで(3歳頃までに身につけた経験や習慣は、100歳になっても忘れずに繰り返す)」ということわざがありますが、幼少期に書いた脚本は一生変わることがなく、死ぬまで、その脚本の通りに人生を生きていくと言われています。

この脚本には、人間関係を損なう書き込みがなされている場合があり、注意が必要です。

(16〜17ページより)

この2つの理論と仕組みを知っておくことで、自分が陥りやすい人間関係のトラブルを知ることが可能。

また、事前に対応策を用意しておけば、トラブルの深刻化を防ぎ、自分の心や体を守ることもできるのだとか。

他人との関係は、一度うまくいかなくなってしまうと改善するのは難しくなるものです。

だからこそ本書では、「ゲーム」と「人生脚本」から人間関係のルールと対応策を学んでいくことを目的にしているのです。(14ページより)

以後の章で紹介されているさまざまなゲームのパターンやテクニックは、現実の人間関係に当てはめられるものばかり。

人との関係がうまくいかないと悩んでいる方は、参考にしてみるといいかもしれません。

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Photo: 印南敦史

印南敦史

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