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オフィスを訪れてわかった、Slack社員が集中力を失わない3つの理由

オフィスを訪れてわかった、Slack社員が集中力を失わない3つの理由
Image: G-Stock Studio/Shutterstock.com

Slackと言えば、ネットやメディアとの接点を常に持ち続ける「オールウェイズ・オン」カルチャーの一翼を担うコミュニケーションプラットフォームです。

一方、Basecampの共同創業者・Jason Fried氏はかつて、グループチャットについて、適当に集まった参加者が、明確な議題もなくダラダラと1日中話し合うミーティングのようだと酷評しました。

しかし、『最強の集中力 本当にやりたいことに没頭する技術』が当時出版されたばかりのNir Eyal氏から、とても面白い話を聞きました。

当のSlackで働く従業員たちは、「自分たちの会社の製品であるSlackによって集中力が削がれることはない」というのです。

Eyal氏は次のように指摘しています。

問題はテクノロジー自体にあるのではなく、私たち人間の側に、テクノロジーを適切に導入するために必要な一連のスキルや文化的な環境が備わっていない点にあると思います。

働く人の心を邪魔するような職場文化がもともとあるところにテクノロジーを導入しても、そのテクノロジーは、問題のある職場環境を固定化させるだけに終わるでしょう。

Eyal氏は、新刊の執筆中にSlackのオフィスを訪問し、同社の社員がSlackに集中を乱されないのには3つの理由があることに気づいたと言います。

1. 快適で安心感を得られる環境がある

Slackの従業員は、職場の環境が快適であるという安心感を得ています。

先述したEyal氏の著書は、ベストセラーとなった『Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール』の続刊です。

『最強の集中力』では、私たちが注意散漫になるのには根本的な1つの理由があると説いています。それは、「不快感を避けたい」という願望です。

つまり、環境が不快であればあるほど、「快感が得られることがわかっている悪い習慣」に飛びつく可能性が増す、ということです。

ドーパミンをもたらすソーシャルメディアの通知や新着メールの着信音は、多くの場合、この条件にぴったり符合します。

2. 問題を話し合える場がある

Slackでは、社員が抱えている課題や問題を話し合うフォーラムが設けられています。

1人で働いている場合も、グループで働く環境でも、フィードバックを共有し、意見を交換するためのコミュニケーション手段の確保は非常に重要です。

この件については私も以前のコラムで話題にしたことがあります。

私たちは、深夜や早朝に仕事をするライフスタイルや、空港から空港へと飛び回る生活、さらには時間の不足といったことで、とかく自分を見失いがちです。

それだけに、頼りになる同僚やメンターとの関係を育む時間も、きちんとスケジュールに組み込んでおくべきです。

長期的な計画の立案や予算の割り振りにはあらかじめ時間を割りふりしますよね? それと同じです。

たとえ問題を抱えていても、それを話し合う場があり、サポートを得られるとわかっていれば、不快感を鎮めようとして最新のツールやテクノロジー、悪い習慣に逃げてしまう頻度は減るはずです。

3. 会社に明確なポリシーがある

Slackを訪問した私が同社のオフィスで真っ先に目にしたのは、『しっかり働いて家に帰ろう(Work Hard and Go Home)』という標語でした。

これは、カギを握る要素です。

どんなに立派な戦略があったとしても、職場文化があなたの決定を支えてくれないなら意味がありません。会社のポリシーというものは、トップダウンで示されるべきものです。

冒頭で、Jason Fried氏がグループミーティングをこき下ろしたことを紹介しましたが、Fried氏が立ち上げたコミュニティー・プラットフォームのBasecampにも、勤務時間外や週末にはメッセージの通知を完全にオフする機能があります。

これは、仕事時間以外にはBasecampを強制的に使用禁止にするための仕組みです。

(この件については、Fried氏の非常に優れた著書『小さなチーム、大きな仕事──働き方の新スタンダード』に、より詳しい解説があります。)

同様にSlackのトップも、自らの行動で職場での勤務ペースを示しています。

2015年にSlackがInc.が選ぶ最優秀企業になった時に、Inc.のJeff Bercovici氏は以下のようにSlackを賞賛しています。

(Slackの共同創業者である)Butterfield氏は、それまでに2度、スタートアップの経営に失敗した経験があったため、これほど大きなチャンスがどんなに稀なものか身にしみてわかっています。

しかし、Slackのオフィスは夕刻になると、ほぼガランとしています。実はこれが、Butterfield氏の望んだ姿なのです。

かつてFlickrを率いていた時代、同氏は週に60時間以上働き、ほかの社員全員にも同様のペースで働くことを求めました。しかしその後、同氏は企業トップとしての姿勢を一変させました。

Butterfield氏を含め、(Slackの)創業者は全員が子どもを持つ親であり、Slackをそれぞれの生活を抱える従業員が安心して働ける場にすることに心を砕いています。

というわけで、集中力が続かないのはツールのせいではなく、職場文化がもたらした帰結だというのが、Eyal氏の考えです。

金曜の午後7時にあなたの上司が電話をかけてきたとしたら、悪いのは電話なのでしょうか? それとも、上司の性格に問題があるのでしょうか?

問題は、電話というテクノロジーではなく上司にあるはずです

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Image: G-Stock Studio/Shutterstock.com

Source: Amazon(1, 2, 3), Signal v. Noise, Medium

Originally published by Inc. [原文

Copyright © 2019 Mansueto Ventures LLC.

訳:長谷睦/ガリレオ

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