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10年続けて辞めた! 私が20代に海外ノマドワークをおすすめする理由

10年続けて辞めた! 私が20代に海外ノマドワークをおすすめする理由
Image: Shutterstock

ノマドワーカーの早瀧正治です。

フリーランスで翻訳・コピーライティング・オンラインマーケティングをしています。

22歳で海外就職し、26歳で独立し、アメリカやイギリスなどの企業と取引し、先進国水準の収入を得ながら、東欧などの物価が安い国を転々とする生活を5年も送っていました。

しかし、この度「ノマドワークは、本質的に持続不可能または困難である」という結論に達したため、日本での定住を決めました。この記事では、その理由を述べます。と同時に、20代こそ海外ノマドワークをオススメします。

なお、この記事における「ノマド(遊牧民)ワーク」は、「旅をしながら働くこと」を意味します。

例えば、東京に住み、たまに東京のカフェで働いたり、ベルリンで就労ビザやフリーランスビザをとり、1年以上の長期滞在をするなどの働き方は含んでいません。

仕事の道具を購入できない

日本は物欲大国です。欲しいものが何でも見つかり、ネットで注文し、2〜3日で手に入ります。世界の大半はそうではありません。

例えば、物価の安いジョージアに移住し、一泊500円の格安ホステルに住みながら、YouTuberになることを目指す場合、追加の撮影機材を現地で購入しようとすると、1.5倍から2倍ほどの金額になります。

現地のお店だと1.5倍、手に入らない場合は、アメリカのAmazonを使うので送料と関税(30%)がかかります。万が一、不良品だった場合、返品は非常に面倒か不可能です。

実際に、ジョージアでジンバルを買おうとしたら、日本なら1万円で買えるジンバルが、現地ではセール価格で1万5000円でした。

将来を見据えた恋愛が難しい

ビザがなければ、わずかな例外を除き、どこの国でも3カ月しか滞在できません。

そのため、行きずりの恋ばかりで、長い関係を築くのは困難です。

現地で知り合った女性と交際を始めたとしても、最終的にはどうしても遠距離になり、結局は、どちらかの国に移住せざるを得なくなります。

3カ月あれば十分にお互いのことを知り合えると思うかも知れませんが、それは到着日に知り合えた場合の話。

事前にオンラインで知り合っていない場合、実際には、観光もして、仕事もして、いろいろな人に会うので、運命の人に出会うのは、もしかしたらビザが切れる3日前かもしれません。

リモートワーカーが海外に移住するのは手続きが面倒

恋人が日本に、あるいは自分が相手の国に1年以上滞在するには、就職しか結婚しかありません。

配偶者ビザがあっても、海外で働くのは困難です。

リモートワークも、現地に個人事業主登録または法人登記をし、現地語で確定申告をするので、非常に難しいと感じました。または、お金がかかります。

健康診断、病気、事故、歯医者にかかりづらい

年をとれば、病気や怪我をしやすくなります。

そして、がんや心臓疾患などの病気は、早期発見と早期の生活習慣改善が重要です。そのため、年齢を重ねるほどに、定期的に自治体や会社の健康診断が重要になります。

海外ノマドワーカーは、そういった健康診断を受診するのが困難です。

もちろん、病気、事故、虫歯になった場合、現地の病院にお世話になりますが、場所によっては英語が通じる病院や歯医者を探すだけでも一苦労。

そして、国によっては、高額医療費、医療費詐欺などのトラブルもありえます。

介護や親戚づきあいが難しい

「遠くの親類より、近くの他人」といいますが、近くの親友や親類が一番です。

若い頃はともかく30〜40代になると、自室で病気・事故で動けなくなるなど、助けが必要になる場合もありえます。逆に、自分がお世話にする立場になることもあります。

お子さんがいる家庭なら、旅をしながら、子どもを預けられるほど信頼できる知人を作るのはなかなか困難でしょう。

また、日本で暮らす知り合いや親戚の冠婚葬祭に出席するのも困難なため、どうしても地元の付き合いが疎遠になってしまいます。

資産運用が難しい

多くの証券会社や銀行が、原則として日本人の非居住者の口座開設や維持を受け付けていませんでした。つまり新たな口座の開設や、カードの作成はほぼ不可能です。

日本に法人を作ったり、委任状を書いて家族に任せたりすれば、この問題はある程度解決できますが、当然コストはかかり、選択肢も狭まります。

一方で、海外不動産投資などのチャンスはあります。物価の安い国では、数百万円から不動産が購入できます。トラブルも多いのですが、だからこそチャンスもあります。

子どもの健康と教育問題

育児と旅を両立するのは大変です。しかも、小さな子どもほど頻繁に風邪をひいたり体調を崩しがち。子どもがかかりやすい病気もいろいろあります。

仮にこれらのリスクがなかったとしても、海外で暮らすには様々な予防接種は必須です。

また就労ビザなどがないと、長期滞在できないだけでなく、普通は現地の公立学校・保育園に通わせることができません。

そのため、3歳以上なら、高い学費を支払い、私立の保育園に通わせるか、保育園に行かないという選択をとります。

そして、子どもは長くても3カ月毎に友達とお別れしなければなりません。

予防接種、病院、教育などを考えると、ジョージアなどの物価が安く、ビザなしでも1年間滞在できる国に行くか、または就労ビザなどを取得して正式に移住するのがベターです。

ノマドと呼ぶには語弊はありますが。旅をしながら子育てをするのは、多くの困難がつきまといます。

人と長くつながれない

旅先で友達はたくさんできます。でも、ほとんどは「二度と会うことがない、遠くの他人」です。

ずっと同じ場所に住み、地域と密着して生き、地元の友達と助け合いながら生きる、というライフスタイルは、旅を続ける限り絶対に不可能です。

「円」より「縁」。お金で表せない価値がある「ご縁」があれば、お金がなくても、旅なんてしなくても、精神的に豊かになれます。

リモートワークをしながら、物価の低い国で働くというのは、理想的なライフスタイルにも思えますが、実は様々な機会損失もあります。

ノマドワークを続けるにはどうするか?

ここに挙げた問題のほとんどは、実はお金があれば解決できます。

YouTuberであれば、カメラのレンズが壊れたら、それを旅先まで個人輸入する、あるいは割り増しで買っても気にならないほどの収入があれば問題ありません。

健康のために割り増しな医療費を支払い、資産運用に割り増しな手数料を支払い、冠婚葬祭に立ち会うためにいつでも日本に帰り、また旅に戻るだけのお金があれば問題になりません。

子どもの教育は、私立の学校はもちろんお金がかかりますが、それ以上に、旅行ビザで3カ月ごとに引っ越しをするのは、子どもにとって大変なストレスになるでしょう。

世界を見て育つというメリットもあります。子どもを連れて海外を飛び回るのであれば、子どもが「ノマドをやめたい」と言える心理的な安全性が必要です。

だからこそ、20代で海外ノマドワークをおすすめしたい

拠点を持たず、旅をしながら働くノマドワークを「死ぬまで続ける」のは、ほとんど不可能です。子どもができたら、どこかに落ち着かざるを得ないでしょう。

でも、「死ぬまで続けられないから、最初から始めない」なんてナンセンスです。「いずれ日本に帰らなきゃいけないんだから、旅なんて無駄」くらいナンセンス。

自由気ままな、子なしのライフスタイルを限界まで楽しんだら、結婚、子育て、地域とのつながりに楽しみを見いだすかもしれません。

でも、それは20代の自由な放蕩生活を経なければ、たどり着けないのかもしれません。人によって生き方はいろいろです。

ノマドワークは続けられない。30代や40代から、今までのキャリアや生活を捨てて、ノマドワークを始めるのは困難です。

だからこそ、旅をしたいなら、20代のうちに世界中を旅をして、人生を楽しみましょう。

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Image: Shutterstock

早瀧正治

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