筋トレの前後に何を食べると効果的か? おすすめの量・タイミング・食べ物も紹介
- カテゴリー:
- HEALTH

2017年9月6日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
ウェイトトレーニングをするには、身体に燃料を入れる必要があります。
では、一体どんなものを食べるべきなのか、そして食べるタイミングを気にする必要があるかどうか、見ていきたいと思います。
食べた物がワークアウトの燃料になる仕組み

最初に明確にしておきたいと思います。ここではウェイトトレーニングを主とするワークアウトの前後に摂取する栄養について紹介します。
長距離のランニング、自転車、高強度インターバルトレーニング(HIIT)に関しては、また別の話になります。
実のところ、必ずしもワークアウトの前に何か食べる必要はありません。軽度のワークアウトをする場合は特にそうです。
たいていの人がしているワークアウトは、フルコースを食べてから臨まなければならないほど強度や頻度が高いわけではありませんし、肝臓や筋肉にはエネルギーがグリコーゲンになって既に備蓄されています。
生化学者であり栄養コンサルタントでもあるTrevor Kashey博士は、「ワークアウト前後にカロリーを摂取すると、身体に蓄えられたエネルギーの消費を抑えるので、より長時間のワークアウトが可能になる」と言います。
次の点を考慮して、何をどのぐらい食べるか決めましょう。
- 最後に食事をしたのはいつだったか
- 体脂肪率はいくつか
- 健康状態はどうか、服用中の薬はあるか
- ワークアウトの長さはどのぐらいか
- いつワークアウトするか
簡単に言うと、定期的に高強度の筋力トレーニングをして、筋肉ムキムキになろうとしているなら、ワークアウトの前に何か食べると身体のエネルギー量が増えるので、ワークアウトの効果を最大限に得られますし、身体の回復も早くなるということです。
さらにKashey博士は次のように付け加えています。
私なら、アスリートにはトレーニングの前に何か食べて十分なエネルギーを身体に取り入れることをすすめます。
トレーニングの間ずっと空腹を抱え、終わった後で大食いするのは、あまり意味がないと思います。
トレーニングの前に何か食べるのは、クオリティの高いワークアウトをするための「保険」をかけるようなものです。
クオリティの高いトレーニングを重ねていくと、結果のクオリティも高くなりますから。
つまり、ワークアウトに臨む準備が整った気分になり、こなせるレップ数も増えるということです。
より強度の高いワークアウトができたり、レップ数を1回か2回増やせると、長い目で見れば総合的な進歩や結果に差が出ます。
ワークアウトの前に何を食べるか

何を食べるかに関しては、あくまでも人によります。本人しか答えの出せない重要な問題が2つあるからです。
1つ目は、何を食べれば、内臓に負担がかからず快適な状態でいられるかです。食べた物のせいで膨満感を感じるなら、どんなにジムが推奨するものでも、その人には向きません。
何を食べたら良いか具体的に考える前に、もう1つ考慮すべきことがあります。それは食べる量です。
食べた物が小腸に届くまでに6時間から8時間かかります。スクワットをしようとしているとき、胃の中が嫌な感じにダボダボするのだけは避けたいですよね。
ですから、ワークアウトの2時間ぐらい前になったら、食べる量は少な目にしましょう。
家庭医療と肥満を専門とする医師免許を持つSpencer Nadolsky博士は、2時間以内にウェイトトレーニングをはじめる患者には、通常は消化の良い高たんぱくの食事を処方していると言います。
プロテインシェイクにフルーツやギリシャヨーグルトを足してベリー類とグラノーラをトッピングしたものがその一例です。重すぎなければ、たんぱく質は動物性でも植物性でも良いそうです。
さらに、Kashey博士は次のようなガイドラインを提唱しています。
45分以内にトレーニングをはじめるなら、消化が良くて吸収が早い物を食べた方が良いでしょう。
たとえば、バナナとプロテインサプリメントなどです。イメージとしては、今からジムに移動して到着するのに30分、到着後はウォームアップに15分かかるという場合です。
逆に、90分ぐらいたってからトレーニングをはじめるなら、消化が遅いものを食べて、トレーニングの終わりまで持たせる必要があるので、普通の食事をして普通に栄養を摂ってください。
ワークアウトの最中に何か食べるのが好きな人もいますが、たいていの場合これは必要ありません。
例外は、2時間以上の長いトレーニングをしているときや、減量目的か何かで十分なカロリーを摂取していない場合です。
こうしたときは、身体がガス欠になっていると感じたり、トレーニングプログラムがとてもきつくなります。
そのときは、手っ取り早く炭水化物を摂取できるゲータレードやマルトデキストリン(デンプンの部分的な加水分解によってつくられ、クリーム色の吸湿性の粉末となる多糖)などを消化の良い乳漿タンパクと一緒に摂取することをKashey博士はすすめています。
間違っても、スクワットラックに腰かけて、ターキーサンドを丸ごと食べたりしないようにしてください。
ワークアウトの後に何を食べるか

本格的なウェイトトレーニングに取り組んでいる人たちの中には、ワークアウトの後、すぐにプロテインシェイクを飲まないと、せっかくのハードなワークアウトも水の泡になると主張する人もいます。
ですが、これは間違いで、筋肉はワークアウトの直後に何か食べなくても損なわれることはありません。
『Journal of the International Society of Sports Nutrition』誌のこの記事が説明しているように、ワークアウトの2~3時間前に既に食事をしているなら、同じ日にもう1度ワークアウトをするとか、よほど激しいトレーニングをしているなら別ですが、ワークアウト後に何か食べるかどうかは、それほど重要ではありません。
『Precision Nutrition』誌によると、ワークアウトの後、3時間以内にたんぱく質と炭水化物が豊富な食事をしている限り、大丈夫です。
それより重要なこととして、次のことをKashey博士は指摘しています。
十分なたんぱく質が含まれていないプロテインシェイクを、どんなに完璧なタイミングで飲むよりも、タイミングに関係なく1日に必要なたんぱく質摂取量を摂る方が効果的です。
初心者は、基本的なことより複雑なことを一生懸命していると正しいことをしているような気分になりがちですが、そんなことをしていると、数か月後(あるいは数年後に)フラストレーションだけが残ります。
人によっては、ワークアウトの後の方が炭水化物の耐性が高くなるので、炭水化物で燃料を補給するのに適したタイミングだと、Nadolsky博士は指摘しています。
朝、お腹が空いた状態でトレーニングをする人は、ワークアウトの後に必ず炭水化物を摂るようにすると、グリコーゲンの蓄積を補充する効果があります。
それ以上に大切なのは、その日1日を生産的でいるためのエネルギーを十分に摂ることだとKashey博士は言います。
一般的に、急いで補充しなければならないぐらい大量のグリコーゲンを使い果たすことはありません。そこまで緊急に補充の必要が発生するのは、よほど、激しいウエイトトレーニングをした後に、すぐにもう一度ワークアウトを再開する場合です。
また、ウェイトリフティングはそれほどカロリーを消費しないことも覚えておきましょう。ですから、ワークアウトの後で食べすぎると、すぐに体重が増えてしまいます。
ワークアウトの後におすすめの食べ物は次の通りです。
- フルーツやオムレツをトッピングしたオートミール
- ターキーサンドイッチ
- 中サイズのサツマイモ、赤身ステーキ4オンス(約113g)、野菜
- チポトレチキン丼(チーズ、グアカモレ、サワークリームを使うと低カロリーにできます)
1日に必要な摂取カロリーを満たし、十分なたんぱく質(25g以上)と炭水化物をしっかり摂取できるなら、あとは何でもありです。
ワークアウト初心者や趣味でワークアウトをしているなら、考え過ぎは禁物です。
たんぱく質を十分に摂取しながらウェイトトレーニングをしっかり着実にこなすこと、そして、自分のフィットネスの目標に応じて食物摂取を管理することに注力していれば、確実に効果が出ます。
あわせて読みたい
Image: SUPEREEYA-ANON, SOSOPIX, Mila Ilic Photographer, Rido/Shutterstock.com
Source: Journal of the International Society of Sports Nutrition, Precision Nutrition,
Stephanie Lee - Lifehacker US[原文]
訳:春野ユリ
ランキング
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5