連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

特集−NEW NORMAL PLANET

共働きにはワーク・ワーク・バランスが必要だ! 在宅ワークで大きく変わることは?

共働きにはワーク・ワーク・バランスが必要だ! 在宅ワークで大きく変わることは?
Image: Shutterstock

今どこで仕事をしていますか?

ここ数カ月で一番の変化は、家で仕事をするようになったこと。

一方で、すっかり今まで通り出勤している。対面が必要な業務ゆえ変わらず出社しているという人も多いのは重々承知しています。

ただ、強制的にやらざるを得なかったリモートワーク(在宅勤務、在宅ワーク)やハイブリッド勤務などいつもと違う働き方から学ぶことは大きかったはずです。

そんなコロナ禍での働き方の変化を今後に生かして快適に働き暮らしていくにはどうしたらいいのか?

先日、旭化成ホームズ株式会社が開催した「くらし方改革」についての勉強会で語られた「ワーク・ワーク・バランス」のお話にそのヒントがありました。

1. 働き方が変わっていたのは女性だけだった?

オフィスへの出勤を伴う働き方は、外での仕事はワーク、家で行われることは家事や育児を含めてライフだと別軸で捉えられてきました。

近年は、フルタイムで働く女性も増え、共働き世帯が増える中、ワークライフバランスを見直そうという動きはより活発になっていると思っていました。

時代と共に変化してきたくらし方モデル

時代と共に変化してきたくらし方モデル
(図1)時代と共に変化してきたくらし方モデル
旭化成ホームズ くらしノベーション研究所

けれど、実際のところ70〜80年代の男性がメインで外勤し、女性は家庭に入るという戦後昭和の専業主婦モデル(図1)から、平成共働きモデルになっても男性の家事時間は、10分程度しか伸びていない!というのです。

今回の勉強会において「在宅ワークによって⾒直されるワーク・ライフ・バランスについて」語った⽴命館⼤学 産業社会学部教授 社会学者 筒井淳也さんによれば、

「この背景には、有償労働を『ワーク』、無償労働を『ライフ』としてとらえたうえで、そのバランスを模索するという考え⽅があり、両者をワークとしてとらえて調整するという考え⽅は希薄だった」からだと言います。

どうしたら不公平感なく、家庭内の折り合いをつけられるようになるのでしょうか。

今回のリモートワークの導入が、有償労働と無償労働の融合が進むきっかけになると筒井教授は言います。

旭化成ホームズ くらしノベーション研究所が非常事態宣言発令中(一都三県+大阪・兵庫・福岡のみ)に行ったWEBアンケート調査(※)によると、在宅ワークを取り入れることで様々な変化が生まれたのが見てとれます。

在宅ワークによるくらしの変化:時間

在宅ワークによるくらしの変化
在宅ワークによるくらしの変化(N=1971)
旭化成ホームズ くらしノベーション研究所調べ

大きく増えたのは、家族や子どもと過ごす時間とコミュニケーション。多くの人が自由時間や睡眠時間も増えたと回答しています。

在宅ワークのメリット

在宅ワークのメリット
在宅ワークのメリット
旭化成ホームズ くらしノベーション研究所調べ

LD(リビングダイニング)もしくは、個室で在宅勤務をする際に感じた在宅ワークのメリットは上の通り。

家族時間が増えること、家事が仕事と並行してできること、防災防犯リスクが減る、災害時に対応がしやすいなどを大きなメリットと感じたようです。

夕食開始時間の変化

夕食開始時間(小学生以下の子がいる)
夕食開始時間(小学生以下の子がいる)
旭化成ホームズ くらしノベーション研究所調べ

また、女性の社会進出によりオフィス勤務を終えてから、保育園や学童などへのお迎えに行き、その後夕食になる共働き世帯では年々遅くなっていた夕食時間。

そこにも大きな変化がありました。

小学生以下の子どもがいる世帯の夕食開始時間が平均で19時19分と、コロナ禍での在宅ワーク以前のオフィス通勤時の平均である20時33分より74分も早まっていました。

就寝時間の変化

就寝時間(小学生以下の子がいる)
就寝時間(小学生以下の子がいる)
旭化成ホームズ くらしノベーション研究所調べ

それに対して、就寝時間はほぼ変わらないという結果に。

つまり、食事後から就寝までに増えた時間を家族とのコミュニケーションに充てたり、一人で自由に過ごしたり、あるいは再度仕事を行うなどこれまでとは違う使い方ができていたと推測されます。

また、仕事の合間に家事ができるようになったという声も多く、筒井教授が言うように、家にいることで、今まで分断されていた有償労働と無償労働が、よりスムーズに融合されていたと言えます。

「今まで実現できなかった仕事と家事の並⾏がより進むなかで、『ワーク・ワーク・バランス』、つまり同じ時間と空間で有償労働と無償労働の調整をする必要性が増加すると考えています」(筒井教授)

2. ワーク・ワーク・バランスとは?

ワーク・ワーク・バランスがうまく機能すれば、さまざまな問題が解決できるかもしれません。

例えば、これまで仕事と家事・育児などを両立できないために生じていた時間が足りない、家事や育児に対する夫婦間での温度差や関わり方・認識の違いなど。

外と内、妻と夫、埋まらなかった溝が埋まる可能性があるのです。

令和在宅ワークモデル(図1)においては性別に関係なく在宅している⽅の家事が多くなる可能性があり、男性の家事分担が進むきっかけになり得ます。

そうなると有償労働と無償労働という2つのワークのバランスをうまく⾏うことで効率化を図り『ゆとり』を⽣みだすことができると考えています」(くらしノべーション研究所 顧問 松本吉彦さん)

3. どうしたら、生活にゆとりを作れるか?

夫婦で仕事する
Image: Shutterstock

在宅ワークといっても、その働き方は多種多様です。

在宅している家族の有無や年齢構成、業務内容により、個室が必要だったり、家族の顔が見えるリビングで働く方が安心だったり。

息抜きの仕方を取ってもこれまでとは違ったものになっていたはずです。

また自分のペースで仕事ができる食住が分離していた働き方では知る由もなかった、家事の進め方、その量や多様性、時間を気にしながらの食事の準備の必要性など気づきも多かったのではないでしょうか。

そこで、ゆとり(ライフ)を作るためには、働き方を変えるだけでなく暮らし方を変える必要があると筒井教授は言います。

「暮らし⽅は、有償労働と無償労働の配分に強く影響されます。⽇本では100年くらいの時間をかけて職住が分離する暮らし⽅を進めてきましたが、今回はそれが逆に融合していく流れが⾒えてきたので、オフィスや家づくりでも変化が求められます」(筒井教授)

4. ゆとりを生む家づくりはどう変わるか?

子供と仕事する
Image: Shutterstock

「出社しない働き方で、家に仕事の場を加えるのは家づくりにとって大きな影響があります。

ポストコロナの状況で在宅ワークの頻度がどうなるか、それによって提案が変わると考えています。

それぞれの状況に応じて『ワーク・ワーク・バランス』を⽬指す⽅向での家づくりになっていくと思います」(松本顧問)

例えば、リビングの在り方の変化(子どもの勉強机・ワークスペースとしてなど)やホームオフィス用スペース・小部屋の確保など…。

画一的なものではなく、働き方に合わせて、在宅ワークスペースを設ける動きはこれからの家づくりに必要な視点になりそうです。

5. ゆとり作りのアイデアがもっと必要になる

これから家族が気持ちよく働き、暮らしていくために、「ワーク・ワーク・バランス」の概念を知り、実践していくことは必要不可欠だと感じます。

家の在り方だけでなく、仕事・家事・育児から無駄を減らし、分担し、時短家電の導入や、時にはアウトソーシングもうまく活用するなど、 いかにゆとりを作るのか、その工夫やアイデアがさらに求められていくはずです。

ライフハッカー[日本版]では、「ワーク・ワーク・バランス」の実践に役立つヒントをこれからも探っていきたいと思います。

(※)在宅ワークスペースの現状とくらしの在り方を探る 調査概要

1.調査の目的:在宅ワークスペースの現状とくらしの在り方を探る

2.調査時期:スクリーニング調査 2020年4月3日~4月8日/本調査4月10日~4月13日(左記に加え4月22日~27日一部設問追加)

3.調査方法:WEBアンケート調査

4.調査対象:【スクリーニング調査】全国の週7時間以上働いている男女 20歳~69歳 計35816名

【本調査】上記、在宅ワーク実施者・希望者のうち、回答した計3808名/持家戸建住宅 1971名(全国)、賃貸集合住宅 1837名(※エリア家賃限定)

あわせて読みたい

ドラム式洗濯乾燥機が共働き育児の必需品は本当だった! 導入10カ月後レポート

家族と一緒に働くってどんな感じ?その課題は?|みんなのリモートワーク調査結果

リモートワークで生産的に働く人に共通する5つの習慣


Source: 在宅ワークスペースの現状とくらしの在り方を探る調査結果/旭化成ホームズ くらしノベーション研究所

Image: 旭化成ホームズ くらしノベーション研究所

Image: Shutterstock

ライフハッカー[日本版]編集部 丸山

swiper-button-prev
swiper-button-next