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伝え方のコツ

誰も嫌な思いをしない。相手の意見を否定せずに上手く反対する伝え方

誰も嫌な思いをしない。相手の意見を否定せずに上手く反対する伝え方
Image: Shutterstock

こんにちは。1分トークコンサルタントの沖本るり子です。

コミュニケーションは、伝え方次第で大きく変わります。

伝え方を失敗すると相手とのコミュニケーションがうまくとれず人間関係がぎくしゃくしてしまいます。逆に、伝え方を工夫すれば人間関係を円滑にすることもできます。

では、ビジネスにおいて相手の意見に賛同できないとき、どのように伝えたら上手くいくのでしょうか?

今回は、ビジネスにおいて相手の意見を否定ぜずに、自分の意見を通しやすくする伝え方についてやりがちな失敗を交えてお話をしましょう。

やりがちな反対意見の伝え方失敗例

失敗例
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上司から、「賛成か反対か?君はどっちだ?」と聞かれたときの3パターン。

パターン1:ただ反対する

「反対です」

→「理由もちゃんと言え」と怒られた。

パターン2:理由から反対の意思を伝える

「今期の予算内ではありますが、優先すべきは今起こっている問題を先に解決することが、来期の経費も低くすむから、私は、今の●●さんの意見には反対です」

→「結論から言え」と注意された。

パターン3:結論から反対の意思を論理的に伝える

「私は、今の●●さんの意見には反対です。なぜなら、今期の予算内ではありますが、優先すべきは今起こっている問題を先に解決することで、来期の経費も低くすむから」

→「否定するのなら、代替え案をだせ」と指摘された。

最初から

  1. 賛否
  2. 理由
  3. 反対なら代替え案

を出して欲しいと言われていたら、違ったでしょうか。上司の伝え方が悪いと嘆くかもしれません。

どちらにせよ、反対意見を述べるのは難しいのです。

・代替え案が必要だとしたら、良い案が浮かばなければ、意見は言えなくなります。

・メンタルが弱い相手には、「否定的な意見は言わないほうがいい」と考えたら言えません。

・この反対意見を伝えると、第三者は不快になるかも。

・勇気を出して、反対と本音で語ったのに、否定的なことだからと、後味悪く後悔するかも。

などと考えたら、いずれも誰にとっても、伝えづらく、反対したところで良い雰囲気を作りません。

反対意見は悪じゃない。きちんと伝えよう

では、反対意見は悪いことなのかというと、もちろんそうではなく、とても重要な意見なのです。

議題を吟味するうえで、反対の視点からも考える必要があります。

さらに、多くの人の視点があれば、より広く深く物事を考えることができます。良い点だけでなく、良くない点も、洗いだすことはとても重要です。

“両面法”を応用し意見を伝えるメリット

会議で賛成する
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多くの人は、意見するときにプラス面しか語りません。

「最近の20代が求めている物が●●なので、△△△の必要性がすごくあると思います。そのため、弊社の強みである○○○と□□□をセットで販売をすれば、来期の売り上げは前年対比で30%増加するはずです」

このようにマイナス面を語ることはあまりありません。

一方、自らマイナス面もあわせて伝える両面法の枠(テンプレート)を使えば、相手からの反対を受けにくく話が展開しやすくなります。

「私の提案は、●●●です。そのプラス面は、△△△△。マイナス面は、△△△です。その策として△△ができます。ということで、私の提案は、●●●です」

と第三者から指摘される前に、率先してデメリットも伝えます。

どちらの話が通りやすいかというと、両面法を使った後者です。

第三者の目は、マイナス面も語っている方に、心が動きやすいもの。

なぜなら、マイナス面を正直に語り、策まで語っているので熟慮が感じられます。さらに、正直さが感じられ、信頼感が湧いてくるのです。

両面法で意見を出している方が賛成される確率も高まります。

両面法についてはこちらをチェック

急に意見を求められても焦らない、相手に伝わる話し方のコツ3つ

相手の意見に対しても、両面法を応用してみる

相手の意見に反対し、自分の意見に賛成してもらおうとすると、つい否定しがちになってしまいます。

「セットで販売なんてダメに決まっているでしょ!ありえない!

セット販売にすると売れなかった時の返品も多く、お店に置いてもらえるハードルも上がりますよね。別売りにすべきです!」

ここまで一方的に否定しては、相手は傷つきます。同席する第三者も不快感や居心地の悪さを感じるでしょう。

と同時に否定的な人だと思われてしまうリスクもあります。

否定せずに否定しよう

伝わらない
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伝え方を工夫して、否定せずに否定してみましょう。

まずは、相手の意見を肯定的に認めます。

「○○○と□□□をセットで販売は、前年対比で30%増加可能なんだね!」

相手の意見の部分から、両面法の「提案」と「プラス面」でまとめて伝えます。

「いろいろとよく考えられたことでしょうが、あえて言うならば、マイナス面はどんなことが考えられるのか教えてください」

相手に敬意を払いつつ「あえて言うならば」と強調して、マイナス面を聞き出します。

ここで、相手からマイナス面が語られなければ、まだ熟慮の余地がある意見となります。

もし、相手がマイナス面を語ったとしても、正直に自ら語ったあなたの意見のほうが、マイナス面を隠した意見より賛成される確率が高まります。

相手がマイナス面を語ってきたら、

「それで、その策は、どう考えられているのですか?

ぜひ、考えを聞かせていただけませんか?」

とさらに質問をして教わればいいのです。

策が語られなければ、またあなたの意見のほうが賛成される確率は高くなります。最初からマイナス面や策を語っていたほうが好印象なのです。

これが、相手の意見を否定するのではなく、両面法の枠を応用し、質問することで、相手にマイナス面も語ってもらう伝え方です。

両面法を使った否定しない伝え方<例>

「○○○と□□□をセットで販売は、前年対比で30%増加可能なんだね!」

「いろいろとよく考えられたことでしょうが、あえて言うならば、マイナス面はどういうことが考えられるのか教えてください!」

「それで、その策は、どう考えられているのですか?ぜひ、考えを聞かせていただけませんか?」

否定しない否定の仕方。誰も嫌な思いをしない伝え方の一つに加えてみてはいかがでしょうか?

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沖本るり子(おきもと るりこ)

沖本るり子

株式会社CHEERFUL 代表。1分トークコンサルタント。「5分会議」®で、人と組織を育てる専門家。江崎グリコなどを経て、聞き手が「内容をつかみやすい」「行動に移しやすい」伝え方を研究。現在、企業向けコンサルタントや研修講師を務めている。

「5分会議」®はRKB毎日放送「今日感テレビ」で紹介された。著書に『相手が期待以上に動いてくれる!リーダーのコミュニケーションの教科書』(同文舘)、『生産性アップ!短時間で成果が上がる「ミーティング」と「会議」』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』(かんき出版)などがある。

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沖本るり子

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