連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

若くても骨密度に注意を! 骨の健康は記憶力や運動機能にも影響あり

若くても骨密度に注意を! 骨の健康は記憶力や運動機能にも影響あり
Image: Shutterstock

「3密」には気をつけていても、骨の「密」度を意識している人は少ないかもしれません。

「骨密度なんて中高年になってから心配するもの、まだ若い自分には無関係」、そう思ってたとしても理解できます。しかし、骨密度は男女共に加齢とともに減少することが確認されています。

さらに、アメリカ国立衛生研究所によると骨密度のピークは20代後半なのだそうです。

骨は臓器? 記憶力や運動機能にも関わる

骨格というのは体を支える枠組みのようなものだと思っていました。しかし、それ以上の働きを持つ「臓器」なのだそうです! 骨が肺や心臓と同じような臓器? そんな発想はまったくありませんでした。

現在コロンビア大医学部Genetics and Development Department(遺伝学・発達学部)部長のGerard Karsenty医師は骨研究の第一人者です。

1990年代、骨が分泌するオステオカルシンというタンパク質に注目した同医師は、オステオカルシンを除いたマウスは学習能力が低く、太ることに気づきました。

そこからオステオカルシンにはホルモンの働きがあり、記憶力や血糖値に影響を与えることをつきとめます。

コロンビア大学の略歴によると、Karsenty医師は、骨をエネルギー代謝と生殖をつかさどる内分泌器と捉えているそうです。

研究の中心であるオステオカルシンは、インスリン分泌、グルコース恒常性、テストステロン分泌、男性の生殖機能、脳の成長認知などに影響をおよぼす骨のホルモンと見なされています。

Karsenty医師はThe Guardianでこう語っています。

オステオカルシンには、運動エネルギーの元になるATPを生成する能力を上げる働きがあります。

脳内では、記憶に必要な多くの神経伝達物質の分泌をコントロールします。体内のオステオカルシン量は中年期に下がりはじめ、これは記憶力や運動能力などの生理的機能が下がる時とほぼ重なります。

(中略)オステオカルシンは、脳と筋肉の老化を逆行できるようです。年取ったマウスにオステオカルシンを与えると、記憶力と運動能力が若いマウスと同じぐらいになるのには驚きました。

The Guardianより引用翻訳

骨の健康に役立つ行動・食べ物

骨の驚くべき機能がわかったところで、骨の健康を維持するためにはどうすればいいのでしょうか。アメリカの高齢者向け団体AARPのサイトに骨密度のための対策が挙げられています。

まずは食事。骨=カルシウムは広く認識されていますが、それだけではなくビタミンDとビタミンKも重要な栄養素なのだそうです。

ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を高め、骨密度を高める働きがあります。食事だけでは難しいので毎日15分ほどの日光浴がすすめられています。

わたしは主治医からビタミンKの摂取にも気を遣うように言われました。

カルシウムが骨の材料なら、ビタミンKはそれを接着する糊のような働きをするそうです。

モデルキットの個々のパーツがしっかりできていても、それを接着する接着剤がお粗末なら完成したプラモデルはぐらついてしまうでしょう。

AARPによると、ケールやホウレンソウなどの緑黄野菜、そしてプルーンもビタミンK摂取に良いそうです。2016年にOsteoporosis International誌に発表された研究によると、閉経前の骨密度の低い女性たちが1日5粒のドライプルーンを6カ月間摂取したところ、骨の減り方が小さくなったそう。

ビタミンKは納豆や海藻類にも多く含まれているのは、日本人にはありがたいところです。

すでに筋トレをしているなら、筋肉だけではなく骨の健康にも貢献しているはず、一石二鳥です。

ほかには禁煙や十分な睡眠が挙げられています。「食事、運動、睡眠」は健康維持の三種の神器ですね。

早くはじめて損はない骨の健康対策

今はどちらかというと体脂肪が気になるかもしれません。でも、筋肉でも骨密度でも、減ってから増やすより現状を維持するほうが楽なはず。

それに、オステオカルシンはインスリン、血糖値、テストステロンなどにも影響を及ぼすというではありませんか。

骨密度を含む骨の健康は、閉経後の女性だけの心配ではないのです。若い時から意識して「食事・運動・睡眠」を整えていけば、人生後半戦でも心身の健康を維持していけることでしょう。

インターネットで検索すると日本では無料で骨密度の測定をしてくれる薬局や、検体を郵送して検査するサービスなどもあるようです。

職場の健康診断や人間ドックなどの機会もあります。検査方法はいくつかあり精度も違うそうなので、自分に合った検査方法を探してみてください。

また、骨密度そのものではありませんが、骨全体に含まれるカルシウムなどのミネラル量である推定骨量が測れる体組成計もあります。

あわせて読みたい

タニタのスマホ連動体組成計があれば、運動のモチベーションが続く

運動不足を解消!自宅で簡単にできる筋トレ・エクササイズ11選

体の仕組みをすべて「見える化」。世界初「マウス透明化」の成功で、医療はこんなに変わる


Image: Shutterstock

Source: e-ヘルスネット,The Guardian, AARP, National Institutes of Health, Columbia University, 健康長寿ネット

ぬえよしこ

swiper-button-prev
swiper-button-next