連載
特集
カテゴリー
タグ
メディア

交渉のプロが教える、仕事が格段にうまくいくようになる言葉

交渉のプロが教える、仕事が格段にうまくいくようになる言葉
Image: Jacob Lund/Shutterstock.com

言葉の使い方にこだわる人は多いですが、それはもっともなことです。言葉は大切ですから。私たちの信用コミュニケーション能力貶めかねない言葉の癖や、無造作に口にしてしまうフレーズはたくさんあります。

逆に、より良いコミュニケーションへの扉を開けてくれる言葉もあります。このことを、Alexandra Carter氏ほどよく知っている人はなかなかいないでしょう。

国連で交渉術を指導し、コロンビア大学法科大学院の法律相談所でディレクターを務めるCarter氏は、『Ask for More: 10 Questions to Negotiate Anything』の著者でもあります。

Carter氏は、2000年代初めに調停者としての訓練を受けた際、「Tell me(~について教えてください)」というフレーズを使い始め、このフレーズがさまざまな情報を引き出すことに驚いたそうです。

パワフルなフレーズ

Carter氏は、調停や交渉をする中で、関係者が必要とするもの、求めるもの、彼らの考え方などを明らかにするために、このフレーズを使いました。

Carter氏が「何が必要なのか、教えてください」あるいは「その問題について、もっと教えてください」と言うと、完全に相手の立場からの答えを得られ、彼らが何を考えているか、何を優先するかについて、より深い洞察をもたらしてくれる回答が得られたそうです。

そこでCarter氏は、このフレーズを生活のほかの場面でも使い始めました。上司や同僚に対してこのフレーズを使うことで、職場で彼らが必要としていることや、彼らの考え方について、理解を深めたのです。

上司に「Tell me」を使って、自分の部下に何を求めるか尋ねたところ、上司は驚くほどすんなりと打ち明けてくれたといいます。

「私が人より早い時間から働いているのは、子どもがいて家に早く帰りたいから。だから、周りの人たちが早く出社してくれることがとても大事なんです」と私に語ってくれました。なるほどと思い、それからは、毎日早く出社しました。

Carter氏は当時を振り返ってそう語ります。さらに彼女は、重要な目標についても知ることができました。自分の上司が特定の文章スタイルを評価することも知りました。

「いったんその言葉を使い始めると、まるで魔法のようでした。信じられないほど、仕事での成果が大きく向上し、個人的な交渉事でも大きな効果があったのです。自宅でも、家族との関係性がよくなったことに驚きました」と彼女は言っています。

なぜ「Tell me」はこれほどパワーがあるのか

tell me more
Image: shockfactor.de/Shutterstock.com

Carter氏はこのフレーズのことを、「巨大な網を水に投げ入れ、魚がどれだけ取れるか見るようなもの」と喩えています。なぜこれほど効果的なのかは、いくつか理由があります。このフレーズは、ほかの人の物の見方を教えてくれます

相手が自由に答えられる形であれ、あるいは、「何が問題だと思うか教えてください」のような直接的な質問であれ、「Tell me(教えて)」と言うことで、相手は、自分が一番言いたいことを、質問に誘導されることなく、自由に話すことができます。

相手の状況や問題が何なのかを理解できる、とCarter氏は述べています。そしてときには、それがあなたが考えていたこととは違う場合もあるのです。

Carter氏の本は、人が集まることが制限されたパンデミックのさなかに出版されたため、本に関連したイベントや講演会などはキャンセルになってしまいました。

代わりにウェビナーをやりますか、と聞くこともできたかもしれません。ですが、「イエスかノーか」を求める質問は、「ノー」という答えを得るケースが多いことを、彼女は経験から知っていました。

そこで、人が集まるイベントを計画していたさまざまな組織に対して、「Tell me」を使ったさまざまな質問で、どのように従業員を支援し、コロナ禍に備えさせようと計画しているのかを尋ねました。

そうすると、人が集まるイベントをキャンセルしたクライアントのほとんどが、心を開いてこう言ってくれました。「いや、今は社員のために何もしていないんですよ。何かいい提案はありませんか?」

その結果、私は、バーチャルでたくさんのネゴシエーションプログラムを行うことになり、多くの人の助けになれたのです。関係する人すべてが、満足する結果になりました。

「“Tell me”は、ただ相手の発言を促すだけの言葉ではありません。相手があなたに心を開かざるを得なくなる言葉です。あなたに最大の情報をもたらしてくれる、できるだけ幅の広い質問なのです」と彼女は説明します。

こうして得た情報は、あなたが取り組んでいる課題に、可能な限り良い洞察を与えてくれるでしょう。

あわせて読みたい

あなたの職場は大丈夫?有害な職場であることを示す5つのサイン

ビジネスで信頼を勝ち取るボディランゲージ4つ|Web会議でも使える

自分を知って成果を生み出す。ドラッカー・スクールのセルフマネジメント

Image: Jacob Lund, shockfactor.de/Shutterstock.com

Originally published by Fast Company [原文

Copyright 2020 Mansueto Ventures LLC.

訳:浅野美抄子/ガリレオ

swiper-button-prev
swiper-button-next