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それ、二重敬語になってない? つい間違えがちなビジネス文書のルール

それ、二重敬語になってない? つい間違えがちなビジネス文書のルール
Photo: 印南敦史

ビジネスの現場では、取引先やお客様はもちろん、自社内で同じ業務に携わるメンバーなど、関係する人全員と円滑なコミュニケーションをとりながら、仕事を進めていくことが何より重要です。

電話、メール、SNS、チャットメールなど、コミュニケーションを取る手段はいろいろとありますが、ビジネス文書がビジネスシーンで果たす役割は、まだまだ大きいものがあります。(2ページより)

こう主張するのは、『入社1年目 ビジネス文書の教科書』(西出ひろ子 著、プレジデント社)の著者。

マナー研修やおもてなし、営業接客マナー研修、マナーコンサルティングなどを行い、ドラマや映画、書籍等でのマナー指導・監修者としても活動するマナーコンサルタントです。

とはいえビジネス文書は、その用途によって社外文書と社内文書とに大別され、それぞれ一定の書式に従って作成するのが基本

特に取引先やお客様に向けて発信する前者は、「その会社を代表する文書」となるので非常に重要です。

また特有の形式や書き方、言い回し、慣用表現など、最低限押さえておかなければならないルールもあります。

そこで本書では、社会人として相手に失礼のないよう、マナーをわきまえた文書の決まりや敬語の使い方などをまとめているのです。

きょうは第2章「敬語の基本」内の、「間違えやすい敬語の表現」のなかから、「起こりやすい敬語のミス」をクローズアップしてみたいと思います。

二重敬語

1つのことばには1つの敬語が原則。2つ以上の敬語を重ねると、過剰な表現になってしまうわけです。

× お見えになられる → ○ お見えになる

× ご参加なされる → ○ ご参加になる

(51ページより)

すでに敬語が使われているにもかかわらず、さらに「お」や「ご」をつけてしまい、二重敬語になってしまうケースも

この間違いは、ことば自体が変わる尊敬表現に、「お」をつけたり、「れる」「られる」をつけてしまうケースによく見られるそう。

たとえば以下の2つの例文は、「召し上がる」「おっしゃる」だけで尊敬語として成立しています。ところが、そこに「お」や「られる」をつけてしまったため、二重敬語になっているのです。

× ランチをお召し上がりになった → ○ ランチを召し上がった

× 先生がおっしゃられていました → ○ 先生がおっしゃっていました

(51ページより)

似たような失敗の例としては、次のようなものも。こちらは「する」の尊敬語である「なさる」に「れる」をつけることで、二重敬語になっているということです。

× 課長は外出なされていた → ○ 課長は外出なさっていた

(52ページより)

(以上、51ページより)

敬語と謙譲語を間違える

敬語を間違えて使うケースとして、尊敬語と謙譲語の誤用もあるもの。

敬意を表したい相手に謙譲語を使ってしまったり、自分に対して尊敬語を使ってしまうというようなミスです。

たとえば上司や社外の人やお客様には、尊敬語である「なさいます」「いらっしゃいます」などを用いるもの。謙譲語の「いたします」「ございます」を使うのは間違いだということです。

お客様に対して

× 山田様は、どちらにいたしますか → ○ どちらになさいますか


お客様の名前を確認するとき

× 立川様でございますね → ○ 立川様でいらっしゃいますね


お客様の飲み物を確認するとき

× 小川様はコーヒーでいらっしゃいますね → ○ 小川様はコーヒーでございますね

(以上、52ページより)

身内敬語

社内など、同じ組織に属している人に対しての敬語であるのか、組織以外の人に対しての敬語であるのかによって、敬語の使い方は異なります。

こちらからすれば上司は目上であるため、普段は迷うことなく敬語を使うべき存在だということになります。

しかし、そこにお客様など、社外の人が同席している場合は状況が変わります。社外の人に対しては、たとえ自分の上司であっても、尊敬語は使わないようにするということ。

つまり敬語は、同じ人を指す場合でも、「誰に対して使うか」によって、使うべきことばが変わってくるのです。

社外の人に伝えるとき

× 佐藤部長は10時にいらっしゃいます → ○ 部長の佐藤は10時に参ります

(53ページより)

社外の人と接する際は、

役職の伝え方にも配慮が必要。「部長」や「課長」などの役職名は敬称であり、尊敬の意味を持つ敬語の一種。

したがって社外の人に自社に部長を指すときは、「佐藤部長」ではなく「部長の佐藤」と表現するべきなのです。

また、敬称に「様」をつけると二重敬語になるので注意。他社の部長を指すときは「近藤部長様」ではなく「近藤部長」「部長の近藤様」と表現するわけです。(53ページより)


段取りよく、正確に、失礼のない意思疎通を図ることは非常に大切。

また、相手の立場に立って、その相手にプラスになることを考えたり、イメージしたりすれば、仕事がうまく進んで相手も自分もハッピーになれるものだと著者は言います。

本書を活用しながら、ビジネスパーソンとしての基盤をしっかり確立したいところです。

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Source: プレジデント社

印南敦史

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