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仕事をこじらせてしまったら、「SMARTゴール」を設定しよう

仕事をこじらせてしまったら、「SMARTゴール」を設定しよう
Photo: 印南敦史

思うように成果を出せなかったり、仕事をスムーズに進められなかったり、なんだかモヤモヤしたり…。

もしもそういうことで悩んでいるなら、「こじらせ仕事」にハマっているのかもしれない。

こじらせ仕事のトリセツ』(飯田剛弘、丸山哲也 著、技術評論社)の著者はそう記しています。

とはいえ「こじらせ仕事」は、よくある“仕事の落とし穴”を知っていればなんとかなるものでもあるのだとか。

事前にわかっていれば避けることができ、万が一、落とし穴に落ちてしまったとしても、抜け出すコツを身につけていればなんとかなるということです。

本書では、チームで成果を出す技術であるプロジェクトマネジメントの考えをもとに、仕事の落とし穴を対策し、仕事をスムーズに進める方法を解説します。

仕事の落とし穴にあわせた、うまく対応する方法を知ることで、読者のみなさんは「こじらせ仕事は、なんとかなる」と思えるようになるはずです。(「はじめに」より)

日系大手や中小企業、外資系企業などの違う職場で、研究や開発、コンサルティング、マーケティングなど、様々な業務を行ってきた2人の著者による共著。

仕事も経歴も異なる2人で書き上げたのは、業界や職種によらない解決を目指したためだそうです。

レッスン1「仕事は見える化からはじめよう」のなかから、ゴールが見えていない場合の対処法をご紹介したいと思います。

ゴールははっきりと見えていますか?

仕事のゴールがはっきりしないと、「なにを始めたらいいのか」さえわからなくなることがあるもの。しかし、そもそもゴールとはなんなのでしょうか?

この問いに対するひとつの考え方として、あるべき姿と現状を比較して課題を見つける「As Is / To Be」を紹介しています。

達成したい「あるべき姿(To Be)」を描くのが第一段階。続いて「現状(As Is)」を把握すると、あるべき姿と現状との間にギャップがあることがわかるというのです。

つまり、このギャップを埋めること、すなわち「課題を解決すること」が、達成すべきゴールになるわけです。

しかしゴールが決まっても、そのゴール自体が曖昧なものだったとしたら、「なにをやり遂げる必要があるのか」「どこまでやれば、終わりになるのか」が見えてこないはず。

そこで重要な意味を持つのが、「SMART」を使い、誰でもわかる明確なゴールを設定することなのだそうです。はたして、それはどのようなものなのでしょうか?(12ページより)

SMARTゴールとは?

「SMART」は、次のそれぞれのことばの頭文字をとったもの。

S:Specific(具体的に)

M:Measurable(測ることができる)

A:Achievable(達成できる)

R:Related(やっていることに関係している)

T:Time-Bounded(時間に区切りのある)

(14ページより)

まず、「そのゴールを目指すために、具体的になにをするのか? なにを達成したいのか?」といった質問をすることで、曖昧なゴールを具体的(Specific)にすると、「会社の利益を増やす」というような“みんなが理解できる目標”になります

次に、ゴールを達成したかどうかがはっきりわかるように、数字を使ってゴールを表現(Measurable)。

たとえば「会社の利益を増やす」ではなく、「利益を現状から10%増加する」というように数字化するということ。そうすれば、どこまで達成できたかが測れるため、誤解が生まれないわけです。

ただし、「なんとか達成できる(Achievable)」と感じられるゴールであることが重要。仮に「利益を10倍にする」とゴールを定めたとしても、それは現実的ではありません。

そのないため、「無理だ」「失敗しそうだ」というようにはじめからあきらめてしまう可能性が出てくるのです。

加えて、ゴールは自分の業務に関連している(Related)ことも必要。「利益を現状から10%増加する」というゴールについても、製造部門であれば「生産コストを10%削減する」というように表現したほうが、より業務に関連し、自分ごととして捉えられるようになるということです。

そして目標を決めるときは、必ず締め切りを設定すべき(Time-Bounded)。

「いつまでに終わらせる」という部分がないと、人はついずるずると先延ばしをし、いつまでたっても行動しないものだからです。

しかし、たとえば「1年以内に生産コストを10%削減する」というように期限を設けることで、ゴールに向かって行けるようになるのです。

SMARTゴールにより、目指すところがハッキリと見えてきます。進むべき方向や距離がわかるだけではなく、どれくらいのペースで進めばいいのかがイメージできるようになります。「あれ? 何のためにやっているんだっけ?」と、やっていることの意義や当初の想いを見失うこともありません。進むべき道をガイドしてくれます。(16ページより)

つまりは、ゴール自体が「行動するモチベーション」になるということ。そのため、最初の一歩を踏み出しやすくなるということです。(14ページより)

ゴール設定に迷ったら

なお、ゴール設定に迷った場合は、いまわかっている現状と、考え得る「あるべき姿」をもとに「仮のゴール」を決めるのがいちばんの近道

そして、あとから「最終ゴール」を決めればいいのです。

市場調査を行うのであれば、自社にどれくらいキャパシティがあり、どういったリソースがあるのかを確認し、その状況を踏まえ、新しいビジネスを仮り決め。

そのビジネス案が実現可能かどうかを判断することが、目の前にある課題であり、仮のゴールになるということです。

そして、このゴールを目指し、市場調査を開始。調査を進めていく過程で、「考えていたビジネス案ではうまくいかない」ということが見えてくるかもしれません。

そんな場合は違うビジネス案を考え、その案に対して調査を進めていく。すなわちそれが、新たな仮のゴールになるということです。(17ページより)


一緒に働く人や環境が違えば、当然ながら仕事の進め方や工程も違ってくるはず。

とはいえ「こじらせ仕事」をなんとかするノウハウは、業界や職種を問わず活用できるのだといいます。

2人の著者それぞれの経験と知識がバックグラウンドにあるからこそ、本書の強みであるそうした有効性が生み出されているのかもしれません。

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印南敦史

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