
会社への通勤を再開した人たちの中には、個々の生産性がより向上する環境が取り戻せて喜んでいる人もいます。
その人たちにとっては、会社の方が気が散るものが少なく、共同作業することが多い仕事の場合は特に会社の方が仕事がはかどるからです。
しかし、自宅で仕事をする方が実際に生産性が増す人もいます。
また、これから数カ月の生活全体において、制限や不確実なことがより少なくなり、家からリモートで仕事を続けた方が、さらに効率よく事ができる可能性もあります。
時間管理のコーチである私は、クライアントと共に、会社で働くことから家で働くことへ、またはその逆の移行を指導しています。
そこで、家で働くことで全体的な生産性を上げられる人は、次のような5つの戦略を実行していることに気がついたのです。
1. 通勤時間を運動の時間に変える
家で仕事をするという変化を歓迎している人たちの間では、通勤時間を運動の時間に変えているパターンが多いことに気づきました。
朝は運動(もしくは、少なくとも犬の散歩)をしている人が多いのです。
夜は、1人で、あるいは犬や家族と一緒に、もっと気楽な散歩を楽しんでいる人が多いです。
このような運動パターンは、体だけでなく心の健康状態も良好にし、1日中頭もスッキリと覚醒させます。
2. 集中する時間を確保する
私は常に、集中して仕事をするための時間を確保することをすすめています。しかし、会社や職場のような環境でそれをするのは大変です。
予定表に「忙しい」と入れていても、声をかけてくる同僚がいたりします。
このような、ちょっと立ち寄って話をしたことが生産的になることもありますが、誰にも邪魔されない時間を確保するのは難しくなります。
このような状況では、自分の部屋のドアを閉める、「電話ブース」などで仕事をする、離れた場所で仕事をするというように、物理的な距離を置くことをすすめています。
家にいることのメリットの1つは、同僚から物理的に距離を置けることです。集中するための時間を設け、それを守ることができます。
また、朝の1〜2時間などを集中する時間として、繰り返しの予定としてスケジュールに入れるのもおすすめです。
もしくは、報告書をまとめるとか記事を書くというような、重要なやるべき仕事のためのまとまった時間を、週毎に押さえるというのもいいです。
3. 会議の予定をスケジュールに入れる
先が予測できる状態にし、生産性をさらに向上させるには、同僚に会議の予定はスケジュールに入れてもらうようにしましょう。
事前に考えなければならない会議の場合は特にです。会議をスケジュールに入れると、仕事を効率よく段取りできるようになり、会議中も集中できます。
とはいえ、そのような会議でも長時間にならないようにしましょう。
30分、もしくは15分もあれば十分だと思っている場合は、会議時間もスケジュールに反映させるように頼みましょう。そうすれば、おしゃべりで1時間に伸びてしまうこともありません。
クライアントの中には、生産性を向上させるために前日の夜までに翌日の予定を完全に決めるようにしている人もいます。
ですから、たとえば水曜日の仕事終わりの時間には、木曜日の予定は決まっているのです。
こうすると、スキマ時間も計画を立て、仕事を終わらせることができます。
4. ステータスを明らかにする
集中して仕事をする時間に精神的にもしっかりと仕事に専念するには、自分のステータスをオンラインで更新するのも役立ちます。
これは、たとえばSlackで「離席中」としたり、他のチャットなどコミュニケーションツールでも同様にするということです。
この時間は他のことをしていると意識的に宣言することで、「誰かが大事なメッセージを送ってきているかもしれない」「誰かが無視されているとか、嫌な気分になっているかもしれない」というようなことを考えずに済みます。
5. 刺激を求める衝動を抑える
外部からの邪魔をすべて排除しても、自分で自分の気を散らすような無駄なことをすることもあります。
外交的な人は特に、環境が最も静かな時に最も刺激的なことを探したくなることがあります。
そのような状況に陥っていることに気づいたら、その環境で生産性を落とさずに刺激が増える方法を考えてみてください。
仕事の波に乗れるような音楽を聴く、スタンディングデスクを使う、もしくはノートパソコンをカウンターの上や棚の上に置いて使うというような、仕事をしながら体を動かすだけでもいいかもしれません。
ガムを噛んだり、ポモドーロ・テクニックを使って25分毎に5分休憩するなど、計画的に休憩を取るのもいいです。
このようなことをすれば、今の状況に飽きて暇つぶしにニュースを見たり、うっかりSNSにハマったりすることがなくなります。
すぐに会社に戻ることになる人もいるかもしれませんし、家から仕事をするのがニューノーマルとなる人もいるかもしれません。
どこで働くことになっても、このような戦略で生産的に効率よく働けるようになるでしょう。
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Image: archimede/Shutterstock.com
Originally published by Fast Company [原文]
Copyright © 2020 Mansueto Ventures LLC.
訳:的野裕子
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