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「締切が守れない」「定時に帰りにくい」。若手社員の悩みはこう解決できる

「締切が守れない」「定時に帰りにくい」。若手社員の悩みはこう解決できる
Image: SFIO CRACHO/Shutterstock.com

入社数年目。

担当するルーティン業務はほぼこなせるようになり、仕事の成果もワンランク上を目指して邁進中…と言いたいところなのに、解決できない悩みや繰り返す失敗に足を引っ張られて目下停滞中。

そうしたことでへこんでいる若手社員は、少なくないでしょう。

悩みは「パターン」に集約され、簡単に解決できる

解決の糸口がつかめないのは、「自分の悩みは特殊だから」と考えていませんか?

実は職場で抱える問題は、「ほとんどがあるパターンにおさまり、必要なプロセスを経て問題はいとも簡単に解決するようになります」と言うのは、クリエイトキャリア代表の寺下薫さんです。

寺下さんは、前職のヤフー株式会社でのトレーニングマネージャーなどを通じ、日々の問題解決に取り組んできたそう。

これまで見てきた現場でのトラブル事例は、約1万5000件。これほど多くのトラブルがあっても、少数の代表的なパターンに集約されるそうです。

たとえば、若手社員でいえば「嫌な上司で毎日がつらい」「モチベーションが上がらない」「自分の企画が通らない」など。

まさに、誰もが一度は経験する「ビジネスパーソンあるある」です。

寺下さんは、こうした悩みとその解決策を1冊の書籍『実は、仕事で困ったことがありまして~人材育成のプロが教えるストレスフリーに働く「問題解決力」』(大和書房)にまとめています。

そこにあるのは、なかなか人には聞けない、このままではいけないと思っている切実な悩み。

それらに対して、「問題の背景を洗い出す→ゴールを設定し、問題の整理を行う→問題の全容を見える化し、真の原因を追究する→解決策を出す」の「鉄則フロー」にそって、自分で解決できるよう導きます。

今どきの20代社員はどんなことに悩み、どんな処方箋が出されているのでしょうか?

本書から3例を紹介しましょう。

「提出物の締切日が遅れがち」

新卒入社3年目のK野さん。念願かなって花形部署に配置されたものの、報告書や企画書などの提出が遅れ気味。

遅れるたびに上司からは「ガッツリ」怒られ、他部署からクレームがくる始末。

K野さんも、締切日は意識しているのですが「他にやるべきことがあって、それらを優先しているといつの間にか締切日が過ぎて」という状況に…。

こんな悩みに対し、寺下さんの1つめのアドバイスは「緊急度が低く、重要度の高い案件」から手をつけるというもの。

できるビジネスパーソンほど、案件の緊急度と重要度を仕分けして処理しています。

しかし、緊急度の高い業務を常に最優先にしていると、「緊急な案件に振り回されてばかり」になり、おまけに緊急度は低くて放置していた仕事が、締め切りが近づいて緊急度の高いものへと変わってしまうリスクを指摘。

そうならないために、出社時にやるべき業務をリストアップし、重要度の優先順位をつけるよう寺下さんはアドバイスします。

具体的には、本日午前中に対応が要る仕事をAランクの優先度とし、以下本日中のBランク、今週中のCランクとランク付けします。

さらに必要なのが、緊急度も重要度も低い業務の中に「やらなくていい業務」がないかのあぶり出し

精査すると意外にあるものなので、これらをリストから除外することで仕事の時間を増やすことができ、締切日の間近な案件に注力できるようになるわけです。

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業務の緊急度・重要度の仕分け方
Image: 『実は、仕事で困ったことがありまして~人材育成のプロが教えるストレスフリーに働く「問題解決力」』

寺下さんのもう1つのアドバイスは、「締切日の2~3日前に自分独自の締切日を設ける」。

その日にスケジュールでアラート設定しておき、時間的余裕をもたせます。

こうしておけば、突発的な緊急案件が生じたせいで、締め切りに間に合わないという事態も回避できます。

「帰りづらくて残業してしまう」

働き方改革で残業が良しとされないなか、定時退社ができにくい社風の企業に勤務するS藤さん。平日は終電まで帰れないことも多いそう。

たまに仕事が早く終わる日もあるのですが、今度は「まだ上司や周りの同僚がいたりすると、なんか帰りづらい」という気持ちに…。

帰宅が遅くて体調を崩し、先週は2日会社を休んだというS藤さん。

もっと効率のいい仕事のやり方を身につけ、早めに退勤して英会話を習うなど私生活を充実させたいと願っています。

寺下さんは「S藤さんが帰りづらく感じているのと同様、上司も部下のS藤さんがいたら、やはり帰りづらいんですよ」と指摘。

「仕事が終われば、気にせず帰る」心構えが大事だと説きます。また、頑張るべきは就業時間内であって、残業時間ではないとも。

就業時間後に残って、高い成果があげられたとしても、それは当たり前なのです。その分、時間をかけているからですね。

残業代も生活費の足しにはなりますが、一時的なお金です。

できれば就業時間内で高い成果をあげて、基本給を上げる努力をしていきましょう

(本書88ページより)

そのために、メスを入れるのが業務の時短化。

寺下さんは、どんな業務にどれほど時間がかかっているのかを測定する「ワークサンプリング」の手法をすすめます。

これは、ある時間帯に行っている仕事をリストアップし、細かくチェックするというもの。

たとえば、下の画像のように、FAXで送られてきた申込書を入力したのが9:00。入力内容をチェックするのが9:07、チェックした内容を再度チェックするのが9:25…というふうに記録し、改善事項はないか検討します。

これにより、無駄な作業時間を把握し、効率化へとつなげることができます。

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ワークサンプリングで仕事内容に無駄がないかチェック
Image: 『実は、仕事で困ったことがありまして~人材育成のプロが教えるストレスフリーに働く「問題解決力」』

効率化を図ってもなお長時間の残業が続くなら、業務量のバランスが適正でない可能性があるので、上司と相談するよう寺下さんはアドバイスします。

「モチベーションが上がらない」

ゴールとは関係のない仕事をしてしまう 広告代理店に入社して3年目のO山さん。希望していない部署に配属されて2年が経ちます。

そのことと関係するのか、目指すべきゴールが不明瞭でどこを目指して何を頑張ればいいのかわからない日々を送っています。

気づくと、全然関係ない仕事をしていることも…

そんなO山さんは、自分のゴールを明確にし、向かうべき方向性を見つけたいと考えています。

寺下さんがO山さんに今年の目標を尋ねると、漠然とした答えが返ってきました。

それを改善するために、寺下さんが指南するのが目標設定の3つのポイントです。

  • 1つ上の部署の目標と連動した目標になっているか
  • 目標の高さは、職位、役職に応じたレベルになっているか
  • 目標の文言が具体化されているか

3つ目のポイントは、「何を、いつまでに、どのくらいまで」(対象、期限、状態)を押さえておくことも大事。

たとえば、コストを抑えたいのであれば「コストをX年X月までに○○円削減する」。

満足度を向上させたいのであれば、「半年以内に顧客満足度の結果を○%以上にする」というふうに。

「多い」「かなり」といった曖昧な表現は使わないようにします。

このように正しい目標を設定することで、「やる気が沸かない」「目指す方向性がわからない」といった問題を解消することが可能となります。

寺下さんは、「正しい目標を設定することが、目標達成及び会社からの高い評価の近道であり、ストレスなき職場への王道なのです」と念を押します。


仕事をしていると、手痛い失敗から学べることもありますが、できれば遠回りや余計なストレスは避けたいもの。

本書を読んで、問題を正しく解決するための考え方を身につけ、もっと軽やかに業務をこなしてみてはいかがですか?

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Image: SFIO CRACHO/Shutterstock.com

Source: 大和書房

鈴木拓也

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