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新鮮なイチゴを塩水に浸すと、小さな虫が出ることがある…?専門家に真相を聞きました

新鮮なイチゴを塩水に浸すと、小さな虫が出ることがある…?専門家に真相を聞きました
Image: Shutterstock

いま、TikTokにアップされたある動画(と、それについて書かれたBuzzfeedの記事)が、ネット界隈をザワつかせています。

その動画に映っているのは、塩水に浸した新鮮なイチゴから這い出てくる小さな幼虫らしきものです…。

これは本物なのでしょうか? 私たちは、中に幼虫がいるとも知らずに、トリプルベリーパフェをうれしそうに食べているのでしょうか? 果物は、もう二度と食べないほうがいいのでしょうか?

これらの疑問に答えを出すべく、専門家たちから話を聞きました。

かいつまんで言うと、こうしたことが現実に起こる可能性はありますが、めったに起こるものではありません

また、食品安全の専門家も、虫の専門家も、塩水で果物を洗うことをすすめていません

動画の中で何が起きている?

@callmekristatorres

WAIT FOR IT... Still trying to think happy thoughts today. ##fyp##foryou##strawberrieswithbugs##bugsinstrawberries##rednoseday##got2bhome

♬ original sound - callmekristatorres

この動画を撮影したKrista Torresさんは、「ボールに室温の水を入れ、そこにたっぷりの塩(大さじ5杯分ぐらい)を加え、イチゴを入れて30分ほど待ちました」と言っています。

イチゴから這い出てくる小さな白い幼虫らしきものに気づいたTorresさんは、これらが「オウトウショウジョウバエ」の幼虫であると結論づけました。

この動画だけでは彼女の特定が正しいかどうかはよくわかりませんが、これについてはのちほど詳しく。

ノースカロライナ州立大学の昆虫学者で、ベリー栽培農家の害虫管理も支援しているHannah Burrack氏によると、この「塩水に浸す」というテクニックは、生産者や卸売業者が、ベリー類の中にハエの幼虫がいないかどうかを確認するために使うものだそうです。

ベリー類は、生産者から、(パッケージングする)卸売業者、さらにそこからスーパーマーケットへと販売されていくのですが、「虫がいるのが判明したら、卸売業者は届いた果物すべてを生産者に送り返します」と、Burrack氏は言います。

出荷ごとのサンプルテストしかしないので、残り全部に虫がついていないという保証はありません。この確認作業の目的はあくまで、虫だらけのベリーがサプライチェーンに紛れ込んでしまう可能性を最小限に抑えることです。

すべてのイチゴにこんな虫が入っているの?

いいえ。ですが、一部のイチゴに虫が入っている可能性はあります。

みなさんは「ミバエ」をご存知でしょうか? そう、キッチンカウンターの上に置きっぱなしにし、熟しすぎた果物のまわりを飛び回っている、あの小さなハエです。

Burrack氏によると、もしそれがミバエの仲間でないなら、キイロショウジョウバエかオナジショウジョウバエであることが多いそうです。

みなさんも、見つけては追い払った経験が数え切れないぐらいあると思いますが、このハエたちは顕微鏡でしか見えないほど小さな卵を果物の柔らかい部分に産みつけます。

卵がかえると、Krista Torresさんの動画に出てくるのと同じような小さな幼虫が姿を現します(俗に言う「ウジ虫」です)。そして幼虫は大きくなってハエになり、この命の輪が繰り返されます。

果物から幼虫が見つかるのは、その果物が傷んでいる場合や、熟しすぎている場合がほとんどです。

ところが、オウトウショウジョウバエというハエは、のこぎりの歯のようなギザギザのついた産卵管(おしりの針)を使って、収穫前の新鮮なベリーに卵を注入します。

Buzzfeedの記事に書かれているように「メスは熟し始めている果物の中に卵を産みつけます。とくにイチゴやブルーベリー、ラズベリーに好んで卵を産みつけます。つまり、どのベリーにも虫が入っている可能性はある」のです!

Burrack氏によれば、ショウジョウバエの仲間の幼虫はどれも同じような姿をしているため、動画に映っている幼虫が、オウトウショウジョウバエの幼虫かどうかはわからないそうです。

また、生産者も卸売業者も、オウトウショウジョウバエの排除に全力で取り組んでいるので、その可能性はかなり低そうです。もしかすると、動画に映っていた幼虫の親は、食料品店か、Torresさん宅の台所を飛び回っていたミバエかもしれません。

中にいる虫を食べてしまっても大丈夫?

大丈夫です。中に虫がいるかも…と思うと、食べる気が失せてしまいますが、食べたからといって、具合が悪くなるようなことはありません

「食べても大丈夫です。たしかに、ちょっと気持ち悪いですが」と、ノースカロライナ州立大学で食の安全を研究するBen Chapman氏は言っています。

食の安全について研究しているCourtney Crist氏も、私の質問に対して「『天然』のたんぱく質です」とツイートしてくれました

ベリーを食べていれば誰でも、これまでに一度は、虫も一緒に食べていると思いますよ」と、昆虫学者のJoe Ballenger氏は言っています。

でも、食べものの中に虫がいるなんて気持ち悪い…

ごもっともです。ですが、それはいまに始まった話ではありません。ご存知のように、野菜は屋外の土の中で栽培されます。もちろん、外には虫がたくさんいます。

「先日の食事中、レタスの中にカメムシがいたので、そのカメムシをつまみ取りましたよ」と、Ballenger氏は平然と語ってくれました。

カメムシ亜目の昆虫は、葉っぱに唾液を注入して、液状にして吸い出し、栄養を摂取します。ですから、きっとみなさんも、これまでに何度もカメムシの唾液を野菜といっしょに食べているはずです。

またChapman氏は、新鮮な魚の中に寄生虫がいるのはごく当たり前のことだと言っています。

そのため、ノースカロライナ州は寿司レストランに対して、生の魚を出す前に冷凍して寄生虫を殺すことを義務づけているそうです。つまり、冷凍されて死んではいても、虫はまだ魚の中にいるのです。

いくらでも続けられますが、このぐらいでやめておきましょう。みなさんもおそらく、考えたくもないものをたくさん食べているはずだ、とだけ言っておきましょう。Ballenger氏は、こんなふうに言っています。「近づきすぎると、ほとんど何でも気持ち悪く見えるものです」

じゃあ、買ってきたイチゴはどうすればいいの?

私が話を聞いた専門家たちは、全員が同じことを言っていました。塩水に浸すといったような、特別なことをする必要はありません。普通に水で洗えば十分です。

Burrack氏の話では、ベリー類は冷蔵庫で保存するのがいちばんいいそうです。

こうすることで日持ちがよくなり、キッチンカウンターのまわりを飛び回っているミバエを遠ざけることもできるからです。

それに、もしベリーの中にミバエの卵や幼虫が入っていたとしても、冷蔵庫に3日も入れておけば、死んでいる可能性が高くなります。

昔からいいとされているベリー類の保存法はどれも、いまでも有効です。その代表格が、「ベリーは食べる直前まで洗わない」こと。

洗うことにより、たとえ少しでも果肉が傷むと、カビや微生物が皮の下に入り込む可能性が生じてしまいます。

ですから、食べるときに食べる分だけ水で洗い、残りは、次に食べるときまで冷蔵庫に入れておきましょう。

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Image: Shutterstock

Source: TikTok, Buzzfeed, Wikipedia, About me, NC STATE UNIVERSITY, Twitter

Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文

訳:ガリレオ

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