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コロナ禍で創造性と革新性が刺激される理由

コロナ禍で創造性と革新性が刺激される理由
Image: Kuttelvaserova Stuchelova

アメリカでは今、クリエイティビティ(創造性)があちこちで生まれています。新しい取り組みが、1時間ごととは言わないまでも、1日ごとに倍加しているようです。

たとえば、演奏家たちは、自宅からコンサートを配信しています。

ハリウッドスターや子どもをもつ親は、バーチャル読み聞かせ図書館を開き、外に出られずにエネルギーを持て余している子どもたちや、疲れ切った親たちのために、読み聞かせをしています。

レストランのオーナーは、休業中の店舗で食事をたくさんつくり、前線で働く医療従事者たちに提供しています。

掃除機やハンドドライヤーで有名なDysonは、新型コロナウイルスに感染した人々を救うための人工呼吸器をわずか10日で開発しました。

複雑かつ曖昧な世界でクリエイティビティが生まれる

こうしたクリエイティビティの波が、あらゆる場所で着実に高まってきているのは素晴らしいことです。しかしこれはクリエイティビティについて研究する人たちにとっては、驚くことではありません。

人々を、毎日の仕事から離れさせ、何をしろと決められていない時間を適切に与え、新しい何かを求めることだけをモチベーションとして世界を探求してもらえば、結果は当然出るものです。

注目すべき点は、こうしたトレンドが、エンターテインメント的な分野にとどまらないことです。なぜでしょうか。

それは、すべての企業が、規模に関係なく、イノベーション(革新)の能力を評価しているからです。

賢い企業やそのリーダーたちは、かつてないほど変わりやすく不確かで、複雑かつ曖昧な世界では、クリエイティビティが生き残るための鍵になるという認識をますます強めています。

問題は、私たちがいま目の当たりにしていることを、教訓としてどのように生かすかです。

クリエイティブな人々は以前から、もっとクリエイティブな打開策を、もっと頻繁に生み出せる方法を知っています。

マッカーサー・フェロー(独創性や創造性をもつ人々に贈られる奨学金)を贈られた経歴をもつ振付師のLiz Lermanさんも、その1人です。

私は、クリエイティビティについての本を執筆するため、Lermanさんにインタビューしたことがあります。

クリエイティビティを活用し、結果を生む方法についての彼女の提案を、ビジネスの世界で使えるよう少し補足しましたので、いくつかご紹介しましょう。

1. 枠組みを変えてみる

Lermanさんは、どんな仕事や課題に取り組んでいようと、常に立ち止まって「大きな枠組み」で考えてみたり、「小さな枠組み」で考えてみたりするよう勧めています。

そうすることにより、単一の見方に凝り固まってしまい、自分の周りのすべての物事をそのフィルターを通して見てしまう傾向を避けられます。

枠組みを大きくしたり小さくしたりすると、認識した脅威を、現実の大きさで正しくとらえるために必要な視野が備わり、可能性も見えてきます。

最も革新的なリーダーたちは、そうした枠組みが、どんなケースにも使える優れたものだということも理解しています。

彼らはまた、自分自身や部下たちに、今している仕事は「なぜするのか」を常に意識させています。「どのようにするのか」という点にとらわれないようにするためです。

2. 意味を足したり引いたりしてみる

この提案は、1つ目の提案と密接につながっていますが、その意味するところはシンプルです。

私たちは自然に、多くのことを過大評価したり、過小評価したりしてしまいます。ですから、状況に応じてたびたび調整を図るのは、賢い策です。

ちょうどタイムリーな例があります。世の中の状況が厳しくなると、差し迫った損益を過度に見積もりすぎてしまい、急いで支出を抑えようとして人員削減に踏み切りがちです。

しかし、再び潮目が変わったとき、即戦力となる社員がいなかったら、どのようにして建て直しを計ったり、成長するチャンスをつかんだりするのでしょうか。

意識的かつ定期的に「物事の意味を足したり引いたりする」ことは、単純ですが、バランスをうまく保つためにとても有効です。

ほかの人の立場に立って物事を見ることも同じです。Lermanさんはこれを、「ほかの人の世界を歩き回ってみる」と呼んでいます。

ほかの人の見方で物事を見て、彼らのアドバイスを求め、彼らの立場に立って、革新的な方法で一緒に解決するのです。ぜひ、やってみてください。

3. 箱の「中」に価値を見る

多くのクリエイティビティは、「誰もが知っている明白なこと」の反対を実行することによって生まれます。これが、「thinking outside the box(箱の外で考える:既存の枠組みにとらわれずに考えるという意味)」ということです。

けれども時には、誰もが知っている明白なことが、箱から飛び出すくらいのパワーをもっていることもあります。

Lermanさんからのアドバイスは、「制約からインスピレーションを得る」ことです。制約があると抑制されてしまう、と結論付けるのは早計です。

このすばらしいアドバイスは、Lermanさんの気づきの本質的な部分です。つまり、クリエイティブな考え方は、ほとんどの場合、矛盾と闘うために自分の守りを固めるのではなく、矛盾を受け入れようという姿勢から生まれるという気づきです。

2つの考え方を頭の中で共存させ続ける能力から、独創性は生まれるのです。

難しく聞こえるかもしれませんが、それほどではありません。こうした行動を、率直に、頻繁に、そして、同じ箱の中に閉じ込められているほかの人たちと一緒に実行すれば、その効果は倍増します。

4. 恐れずに、問いかける

私のお気に入りとも言える最後の提案は、私たちが見て見ぬふりをしている大きな問題に関することです。

私たちは、自分が知らないこと、普通とは違うこと、さらには新しいことを恐れます。けれども、立ち止まって、その想定外のことに向き合うことはあまりありません。

つまり、表面に見えていること以外にどんな意味があるのか?

私たちはそれをどう判断したらいいのか、それをどうやって利用すれば、私たちの「枠組み」をより良い方向に変えられるだろうかということを、問いかけないことが多いのです。

不確かなことは、怖いかもしれません。でもそれは、可能性の始まりでもあるのです。

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Image: Kuttelvaserova Stuchelova

Source: Popsugar

Originally published by Inc. [原文

Copyright [2020] Mansueto Ventures LLC.

訳:浅野美抄子/ガリレオ

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