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「リスクと不確実性」はどう違う?認知エラーを防ぐ方法をハーバード大教授が解説

「リスクと不確実性」はどう違う?認知エラーを防ぐ方法をハーバード大教授が解説
Image: ampcool/Shutterstock.com

The Atlantic誌に「How to build a life」というテーマで記事を連載しているハーバード大教授のアーサー・C・ブルックさん。前回は幸せの要素が取り上げられました。

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今回のトピックは、パンデミックを理解する時に起こりがちな認知エラー。

特にrisk(リスク)とuncertainty(不確実性)の混同についてのアドバイスが心に刺さりました。

リスクと不確実性はどう違う?

ブルックさんは、The Atlanticに次のように述べています。

不確実性というのは、どんな結果になるかはわからず、何が起こるかについてもわからないのです。

リスクは、起こりうる結果や確率がわかっているので推定できます。リスクは特別恐ろしいわけではありません、それはマネジメントできるからです。

保険業界の中核は、リスクマネジメントです。

一方、不確実性は、管理不可能なので恐ろしいのです。予測できない事象や影響を、測ることはできないから。

ブルックさんは、現時点ではコロナ禍はどんなことが起こるか、どんな結果になるかわからない不確実性の状況だと言います。

どんなにニュースを見まくって情報を集めても、不確実性はリスクには変わらないのだそうです。

車を例に考えてみましょう。運転している時に事故や故障が起こるかはわかりません。これは不確実性でしょう。

しかし、リスクマネジメントとして、事故や故障の可能性を下げるためにできることはいろいろあります。

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ガソリン残量がゼロに近くなる前にガソリンを入れる習慣をつける、定期的にタイヤの磨耗具合や空気圧をチェックするなど。これらの要素がきちんと管理されていれば、事故や故障の可能性は低くなります。

また、天災はいつどこで起こるかはわからないので不確実ですが、万が一に備えて非常時持ち出しバッグを準備したり家の地震対策を取ることは、被害を軽減するためのリスクマネジメントと言えるでしょう。

自分がコロナウイルスに感染するかどうかは不確実ですが、外出時にマスクを着ける、他人との距離を保つ、不要不急の外出を避ける、手洗いを徹底するなど自分でできる範囲のリスクマネジメントはいろいろあります。

認知エラーには、3ステップで対応する

さて、このような認知エラーに気づいたらどうすればよいのでしょうか。対応策には3つのステップがあるそうです。

ステップ1:認識する

いろいろわからないことがある、どんな結果になるのかはわからないということをまず認めます。

ステップ2:区別する

わかること・わからないこと、できること・できないことを区別します。

ステップ3:決断する

将来がどうなるかはわからないにしろ、今は自分が元気でいることに目を向けて、毎日を有意義に過ごすと決心します。

ブルックさんは、上に加えて情報を制限することもすすめています。状況や情報は刻々と変わり、食い違う情報もあります。多くのニュースを読めば読むほど、どうしていいかわからなくなってしまうでしょう。

ニュースを見るのは朝に30分だけにとどめ、SNSではニュースを見ない。SNSは友人や家族とやりとりするためだけに使う。情報過多で判断ができず、不安が増長してしまうことが避けられます。

自分ができることだけにフォーカスする

ブルックさんの言葉に、元海軍特殊部隊のアンディ・ストンフさんのアドバイスを思い出しました。

アンディさんは「自分が影響を与えられることだけに集中して、自分の世界を小さくすることが重要」と話していましたが、ブルックさんのアドバイスもまさしく同じです。

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自分ができるリスクマネジメントは行ない、自分にはわからず影響も与えられない不確実性の部分にはエネルギーや時間を注がないこと。

情報のインプットを制限するということは、現状を無視するとか関心がないということとは違います。時には矛盾する多量の情報によって心が振り回されてしまうのを防げます。

そして、その時その時に自分のできることだけに集中する。

つまりアンディさんが言う「自分の世界を小さくして、小さい時間軸で過ごす」ことを実行すれば、気持ちを落ち着けメンタルを強く持ち続けることに役立つでしょう。

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Image: ampcool/Shutterstock.com

Source: The Atlantic

ぬえよしこ

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