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作業は1日3時間まで。モノを愛する人のための「捨てない片づけ」

作業は1日3時間まで。モノを愛する人のための「捨てない片づけ」
Photo: 印南敦史

「捨てない整理収納アドバイザー」である『モノが多い 部屋が狭い 時間がない でも、捨てられない人の捨てない片づけ』(米田まりな 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、片づけの悩みに向き合っていくなかで強く感じたことがあるのだそうです。

それは、所有欲が強い人ほど、「自分だけの、ユニークな人生を歩みたい」という意志を持ち、モノを“人生を彩る仲間”と捉え、その出会いを楽しみ、愛しているということ。

とはいえ、モノへの愛には大きな壁が立ちはだかっているのも事実です。いうまでもなく、「私たちの住む現代の家は狭い」ということ。

そこで本書では、著者が自らの経験から導き出した、「モノを愛する方にお伝えしたい片づけの方法」をまとめているのだそうです。

モノが多くても、家が狭くても、片づけが苦手でも、捨てられなくても、大丈夫です。

「使用頻度」と「愛」を軸に、1つひとつのモノとじっくり真剣に向き合い、分類し、収納し、メンテナンスをしていきます。(「はじめに」より)

きょうはPART 2「さあ、片づけをはじめよう」内のSTEP 1「『捨てない片づけ』――見積もりとスケジューリング」のなかから、「『捨てない片づけ』4つの心がまえに焦点を当ててみたいと思います。

モノを所有するのは、「使うから」「愛しているから」

モノを所有する理由は、人によってさまざま。

しかし理由はさておき、家にあるその「モノ」が目に触れるだけで、心があたたかく、幸せな気持ちになるのであれば、それは正真正銘、そのモノへの愛がある証なのだと著者は主張しています。

そして、そんな「モノを愛する人」に伝えたい、一般的な片づけとは異なる、「捨てない片づけ」における4つの基本があるのだそうです。

① 「たくさん捨てること」をあきらめる

② 部屋の大きさは無視して、モノの「整理」に専念する

③ 一気に片づけず、1日3時間まで

④ 自分が何を愛しているのか把握する

(74ページより)

ミニマリストを目指すために設計されていた従来の片づけ本は、いらないモノを潔く捨てられる人のために書かれたもの。

しかし本書が目指すのは、「所有しているモノの量は減らさずにスッキリ暮らし、片づいた部屋を最小限の努力で維持する」ことなのだそうです。

それぞれについて見てみましょう。(71ページより)

① 「たくさん捨てること」をあきらめる

モノへの愛が深い人ほど、一気にモノを捨てると、必ず後悔するもの。

買うために時間をかけて吟味し、その後も大切にかわいがってきたのに、わずかな時間でポイポイと捨ててしまったとしたら…。

結果的には「誤って捨ててしまった」と感じ、大きな後悔の念に苛まれるというのです。

そして、その寂しさを紛らわすために新しいモノを買い足してしまう人もいるのだとか。だとしたら、いくら部屋が片付いてもすぐにまたリバウンドしてしまって当然です。

目指すのは「捨てた量」ではありません。大量のゴミ袋が玄関に並んでいる様子に快感を覚えるのは、モノに対してドライな人だけです。

捨てた量ではなく、「残したモノの質の高まり」を、ゴールにしましょう。(75~76ページより)

片づけ作業でゴミが少ししか出なかったとしても問題なし。なぜなら定期的にモノと向き合う時間自体が、モノへの愛をより高めてくれるからです。

そのため、たとえひとつもモノを捨てられなかったとしても、モノの意味を考えなおす時間を持てたことに意義があったのだととらえるべきだと著者は記しています。(75ページより)

② 部屋の大きさは無視して、モノの「整理」に専念する

「収納」は目的ではなく、モノを活用するための手段。家の広さと、自分のモノへの気持ちに相関関係はないので、モノと「収納」を切り離してじっくり考えることで、後悔なく納得できる「整理」ができるといいます。

まずは収納量のことはいったん無視し、「これは自分にとって、どんな意味があるのだろうか」と考える「整理」の作業を真剣に行うことを優先すべき。(76ページより)

③ 一気に片づけず、1日3時間まで

「片づけはダラダラやらず、一気にやりましょう」といわれますが、モノを愛する人にとって、これは有効ではないそうです。

片づけは、集中を要する作業。正しい判断がつづくのは「3時間」が限界です。 「1日3時間まで」と時間を区切り、一歩ずつ着実に進めていくしかありません。(77ページより)

コツコツ続けているうちに、ふと気がつけば「あれ? いつの間にか、家のなかがほぼミニマリスト状態になっている!」という変化を感じられるのが片づけの理想。

その状態に達すれば、毎週30分メンテナンスするだけで、整った使いやすい状態を維持できる「理想の我が家」になるといいます。(77ページより)

④ 自分がなにをしているのか把握する

一概にモノといっても、カテゴリによって思い入れの強いモノと、そうでないモノがあるはず。

そこで片づけはじめる前に、自分自身の思い入れを可視化すべく「愛するモノランキング」をつくろうと著者は提案しています。

「愛するモノ」とは、“買うことが好き”“見ているだけでテンションが上がる”“「捨てる」なんて考えたくもない”など、自分自身が心を揺さぶられるモノを指すそう。

まず最初にすべきは、部屋を見渡し、思い当たる“自分の愛するモノ”を付箋に書いていくこと。

次にそれらを愛の大きさ順に並べ替え、ランキングをつくるといいというのです。

このランキングは、実際に片づけ作業を行うときに「手をつける順番」に影響をおよぼします。愛が深いモノは、片づけるのに時間がかかるため、作業の最後に回すほうがよいからです。(79ページより)

簡単なことなので、試してみてはいかがでしょうか?(78ページより)


著者の提案する方法は、「1日で部屋を片づけたい」という人には向いていないといいます。

たしかにモノを一気に捨てれば、部屋は短時間で片づけられるかもしれません。

しかし、そうではなく、じっくり、ゆっくり、モノと向き合いながら、一生ものの快適な住まいをつくりあげていくことを目指しているというのです。

なるほどそのほうが、快適な暮らしを長期的に持続させることができそうです。

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Photo: 印南敦史

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

印南敦史

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