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新作も映画館上映日にオンデマンド配信!? リモート制作で映画はどう変わる?

新作も映画館上映日にオンデマンド配信!? リモート制作で映画はどう変わる?
Image: Twin Design / Shutterstock.com

007シリーズの大ファンな私。この4月に公開予定だった新作の公開日を一人でカウントダウンしながら、その日が来るのを待ちわびていました。

コロナウイルスの影響による公開延期のニュースを見るまでは…(涙)

007の他にもこの春は多数の新作映画が公開延期を発表しましたが、なかには公開延期を選ばずに、オンラインでの配信に踏み切った作品もあるようです。

今回はこのコロナ禍における、国内外・映画業界のさまざまな試みを追ってみました。

新作アニメをオンデマンド配信

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オンデマンド配信に踏み切った新作映画「トロールズ(原題:Trolls World Tour )」
A UNIVERSAL PICTURE (C)2020 DREAMWORKS ANIMATION LCC.ALL RIGHTS RESERVED.

米メディア大手のComcast NBCUniversalは新作アニメーション映画「トロールズ(原題:Trolls World Tour 」(日本版タイトル『トロールズ ミュージック★パワー』は今秋10月公開予定)を、劇場での公開日延期、ではなく、オンデマンドでの配信、という方法に踏み切りました。

また、これ以外の作品では劇場での公開日と同時にオンデマンド配信という新たな試みも。

48時間レンタルで19.99ドル(5月中旬執筆時点のレート換算で日本円にして約2146円)、という決して安くはない価格設定ですが、同社は今後オンデマンド配信に期待を寄せており、ますますこの領域に力を入れていくそうです。

NBCUniversal社CEOのJeff氏はこの取り組みについて以下のように述べています。

「作品の公開を延期したり、他の作品の公開と競り合ったりするよりも、我々は作品をより手軽に、そしてアクセスしやすい形で楽しんでもらいたかったのです。」

npr」より翻訳引用

Disney +はアナ雪2配信を前倒し

nprによると、NBCUniversal社のこの取り組みはDisney +が「アナと雪の女王2」の配信を当初の予定よりも3カ月前倒しにしたことにも影響を受けたと明らかにされています。

ディズニーは「この期間を自宅で少しでも楽しく過ごしてもらえるように、とサプライズの意味も込めて前倒しの配信を決定した」そう。

通常は映画館での上映からある程度の期間を経てから動画配信されるケースが多いですが、今後はそのタイミングも少しずつ早まっていく、もしくは映画館公開と同日での配信が増えていくのかもしれません。

映画業界の今後を見据えたチャレンジに期待

今後の収束は予測不可能ですし、もし今後一気に延期を予定していた大作が同時に公開を始めると、観客の奪い合いになることは必至でしょう。

もちろんオンラインにも競合となる作品は山ほどありますが、映画館での公開延期に伴う損害、予測不能な観客の入りや今後の動画配信の流れを考慮すれば、今回の同社の取り組みは価値のあるチャレンジ、といえるのかもしれません。

映画好きとしてはもちろん映画館で見る迫力や高揚感は何事にも変えがたいものですし、今後も映画館に足を運ぶ機会がなくなるわけではなりません。

けれど、ケガや病気で入院、また介護や子育てなどでなかなか映画館に足を運べないなど、さまざまな事情を抱える人たちとっても、このような取り組みは新たな選択肢が増えるきっかけとなりそうです。

映画館や配給会社を救うための取り組みも

Movie Walkerでは、国内でも同様に現在公開中、または公開予定の映画のオンライン配信の動きが取り上げられていました。

2011年の東日本大震災で起きた福島第一原発事故の真実を描いた「Fukushima 50」など、いくつかの作品が配信サービス経由で視聴が可能とのことです。

また、配信サービスは確かに便利なものですが、売り上げの多くは映画館ではなく、配信サービス会社の取り分となってしまうのが現実です。

そんな中、映画館にもその恩恵を受けてもらうべく、「仮設の映画館」という取り組みもスタート。

観客(=視聴者)は公式サイトに掲載された全国の劇場から観に行きたい場所を選択。支払った鑑賞料金を実際の興業収入と同じように、それぞれの劇場や配給会社、製作者に分配される仕組みとなっている。

Movie Walker」より引用

また、ミニシネマを多く手掛ける独立系配給会社を救うため、上述と類似した取り組みとして、Uplink(アップリンク)は「配給会社見放題パック」をリリースしています。

SPOTTED PRODUCTIONSも劇場と配給会社で売り上げを分配するオンライン映画館「STAY HOME MINI-THEATER powered by mumo Live Theate」を企画。

こちらは事前に会員登録、視聴したい作品の配信券を購入し、後は時間になったらオンライン生配信を視聴する、という仕組みです。

斎藤工が企画、監督、出演を手掛ける作品や、オンライン上映後にトークイベント(収録)が配信される企画も5月21日21:30に開催されます。

アーカイブなし、とのことで気になる作品は今すぐチェックしておきましょう。

人気監督が続々リモート作品を制作公開中!

映画の配信方法だけではなく、映画制作の現場でもリモートの動きが始まっています。

先日SNSや各種メディアなどでも話題となりましたが、行定勲監督が「この状況下でもできることを」、とリモート下で撮影を進め、有村架純などが参加した新作映画『きょうのできごと a day in the home』を配信。

『きょうのできごと a day in the home』

中井貴一や二階堂ふみが出演する第2弾リモート映画『いまだったら言える気がする』も公開しています。

『いまだったら言える気がする』

さらに「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督も完全リモートワークで完成させた短編映画『カメラを止めるな!リモート大作戦!』を発表。

英語字幕にも翻訳され、作品は国内のみならず世界に向けて配信されています。

『カメラを止めるな!リモート大作戦!』

監督、役者、その他大勢のスタッフがひとつの場所に集うことなく映画を撮る、なんて、こんな状況が起こらなければ誰も予想すらしなかった取り組みでしょう。

こうした新たな試みが今後より素晴らしい作品を生み出すきっかけにもつながるかもしれませんね。

また、脚本・監督 岩井俊二×主演 斎藤工のリモート作品#8日で死んだ怪獣の12日の物語も毎朝8:30にYouTubeで配信中。

1話1分ちょっとのミニドラマですが、こちらも展開が気になります。

松竹はリモート映画を公募!映画祭を開催

ステイホーム期間も映画を楽しむべく、松竹はプロアマ問わず誰でも参加できるリモート映画祭の開催を決定。現在、SNSで投稿を公募・投稿作品を公開しています。(映画祭の公式Twitter @remotemoviefes

映画館での鑑賞、各種配信サービスに映画制作の現場まで、ありとあらゆる場面でこれまでとは違った新たな常識が生まれるつつあるのかもしれません。

形は変われど、私たちの生活にエンタメは欠かせないもの。自分たちにできる範囲でこの業界をサポートしていけると良いですね。

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Image: A UNIVERSAL PICTURE (C)2020 DREAMWORKS ANIMATION LCC.ALL RIGHTS RESERVED.(npr),Twin Design / Shutterstock.com

Source: npr, The Philadelphia inquirer, Movie Walker, UPLINK, avex, ギズモード・ジャパン

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