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伝え方のコツ

相手に伝わる、伝わらないコミュニケーションの違い

相手に伝わる、伝わらないコミュニケーションの違い
Image: Shutterstock

こんにちは。1分トークコンサルタントの沖本るり子です。

世界中、数カ月前とは全く違った世の中になりました。

ネットで人とのコミュニケーションが増えましたが、直接会わないためお互いの顔を見てコミュニケーションをとる機会は減りました。

そして、先行きが見えない不安などからイライラや、ギスギスしたストレスを多くの人が抱えるようになっています。

するとますます、言った、言わないなどの揉めごとが起こりやすくなります。

対面で人とコミュニケーションをとることが激減した今、だからこそ大事な伝わるコミュニケーション力が求められます。

直接会っていれば、なんとなく相手の思っていることを全体から察することができ、あ・うんの呼吸みたいなものも生まれていました。

長年一緒に暮らしている家族でさえ、なかなかこれが難しいのですから、めったに会わない他人の場合はなおさら、会話をせずに相手の思いや考えなどを察することは無理なのです。

そこで、今こそビジネスにおいて相手に正しく伝えることの重要性と、より相手に届く伝え方のお話をしましょう。

1. 人それぞれ皆が違う基準は、同じものさしを使う

伝わる
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例えば、飲食店でのことを想像してみましょう。

「少なめにお願いします」

とごはんのおかわりをしたとき。

「うわ、こんなにたくさん!食べられなかったらどうしよう。おかわりした手前残すわけにもいかないし…」

と希望した量より多かったごはんの量。

そこで翌日は、

「ちょっとだけお願いします」

と前日の反省で言葉を変えてみると、違うスタッフは本当にちょっぴり過ぎた量のごはん。

あるいは

「多めにお願いします」

と食欲いっぱいでおかわりしたとき。

「うっ…少ない!もうちょっと欲しかったのに、また、おかわりとは言いにくい…」

と希望した量より少なかったごはんの量。

つまり、このように、人によって量の基準が違うのです。

そこで、お互いの解釈のズレを少なくするために同じ基準のものさしを使うのです。

「このお茶碗に三分の一おかわり」

「このお茶碗の半分おかわり」

と言えば、ほぼ自分の希望通りにおかわりができます。

ビジネスシーンでも同じこと。

「資料は少なめにまとめて提出してください」

と言われた解釈は十人十色です。

1枚の人もいれば10枚の人もいます。15枚の人もいるかもしれません。

仕事のミスや無駄をできるだけ省くためにも、お互いの解釈の違いを少なくする手法として、はっきり数値化して伝えましょう。

2. Yes,Noの解釈が紛らわしい言葉を使わない

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「結構です」とつい言いがち。

話し手は「No」というつもりで言う場合が多いのですが、聞き手の解釈は大きく2通りです。

プラス思考で「Yes」という自分に都合よいような解釈。

逆に、マイナス思考で「No」という解釈。

例えば、営業から商品の説明をうけ、断る意味で「結構です」と言ったのに、営業担当が商品を気に入って買う契約をしてくれたと解釈する場合もあります。

オンラインでの商談や打ち合わせでは、小さな画面であまり顔の表情が見えず、つい音声重視になってしまい、言葉しか受けとめない場合も発生します。

聞き手の都合のよいように解釈され、このあと揉めごとに繋がる可能性もあります。

同様に「いいです」という言葉も解釈の違いで揉める原因です。

この商品は不要ですという意味のお断り「No」のつもりで発信しても、受け手がプラス思考で「Yes」と解釈する場合もあります。

「結構です」と「いいです」のように紛らわしい言葉を使用しないよう気をつけましょう。

3. 心は読めないので、具体的な言葉にして伝える

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「お察しください」が通じていたのは昔のこと。

同じ村なら風習・習慣なども同じようで、また、小さなときからおつきあいも親しく、長いのでなんとなく言わなくてもわかってもらえたという皆が同じ常識でした。

しかし、国内の移動・移転も増えて、さらにはオンラインで世界中の人と繋がることで、お国柄や人種、宗教も違い、人はみな個人個人違う価値観思考になっています。

対面では、身振り、顔の表情、声のトーンなどで全体の空気でほんの少しはたまにお察しできていたかもしれません。

しかし、なんとなく伝わっていた空気はもはや通じないと思った方が良さそうです。対面でなければ、ますます言葉中心しか自分の思考や感情は相手に伝わらなくなっています。

どうして欲しいかは、はっきり伝えなければ伝わりません。

「のどが渇いた~。カラカラ」

と言われたら、どうしましょう?

「私も!」「カラカラ?」「お水もってきましょうか?」

もしくは、この話題にふれない。などいろいろなパターンが考えられます。

「暑いね~。それにしても暑い!」

と言われたら、どうします?

「暑いですね」「そうですか?私は暑くないです」「冷房つけましょうか?」

もしくは、黙って冷房をつけるなど、対応はいろいろ考えられます。

つまり聞き手の都合よいように解釈されるのです。

お水が欲しいのなら、「お水ください」と言わなければ、お水がもらえる確率は低くなる。

「喉が渇いているのに水も出さないとは、なんて気が利かないヤツだ」

と言っている方こそ、動いてほしいことをはっきり気が利かないヤツなのです。

冷房をつけてほしいのなら、「冷房をつけてください」と言わなければ、冷房をつけてもらえる確率は低いでしょう。

同様に、(相手が)気が利かないのではなく、単に(自分の)伝え方が下手なだけなのです。

相手が…ではなく、まずは自分が相手に正しく伝えることで、コミュニケーションもうまくとれるのです。

オンラインのコミュニケーションが主体になったからこそ、言葉でどうしてほしいか具体的に伝えることが本当に重要になります。


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沖本るり子(おきもと るりこ)

沖本るり子

株式会社CHEERFUL 代表。1分トークコンサルタント。「5分会議」®で、人と組織を育てる専門家。江崎グリコなどを経て、聞き手が「内容をつかみやすい」「行動に移しやすい」伝え方を研究。現在、企業向けコンサルタントや研修講師を務めている。著書に『生産性アップ!短時間で成果が上がる「ミーティング」と「会議」』(明日香出版社)、『期待以上に人を動かす伝え方』『期待以上に部下が育つ高速会議』(かんき出版)などがある。


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沖本るり子

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